ワシントン・タイムズ・ジャパン

ウィーン発コンフィデンシャル rss

「ワクチン接種義務化法案」の課題-オーストリア

 オーストリアは来月1日を期して新型コロナウイルスへのワクチン接種義務化を施行する予定だが、ここにきてワクチン接種義務化に反対する声が高まる一方、課題も浮かび上がってきた。オミクロン株に感染し、自宅で隔離中のネハンマー首相は義務化法案の「微調整」の必要性を認める一方、「ワクチン接種の義務化は予定通りに実施する」と強調している。欧州で初めて全国民を対象とするワクチン接種義務化法案は現在、オミクロン株による新規感染者の急増と重症化リスクの減少という新しい感染状況に直面しながら、最終コーナーをまわったところだ。

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ネハンマー首相の感染から浮かび上がった問題

 オーストリア連邦首相府で7日、衝撃が走った。ネハンマー首相が新型コロナウイルスに感染したのだ。首相は「私は元気だ」とメッセージを発信していたが、オーストリアのオミクロン株対策で先頭に立ってきた将軍が敵の弾に当たったのようなショックを受けた国民も多いだろう。

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ドロステン教授の「オミクロン分析」

 新型コロナウイルスの変異株オミクロンが世界で猛威を振るっている。オミクロン株の場合、感染の重症化件数には増加はみられない一方、感染者の急増で社会の基幹インフラ(医療、看護、電気、交通、警察、消防など)が機能できなくなる事態が予想されてきた。

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反原発国はオーストリアに続け?

 欧州連合(EU)委員会は昨年12月31日、27の加盟国に「天然ガスと原子力エネルギーを気候に優しいエネルギーとみなす」という分類法案を送付した。国内の電力の70%を原子力エネルギーで賄っているフランスは大喜びだが、EUの盟主ドイツをはじめオーストリア、ルクセンブルク、デンマーク、ポルトガルらの加盟国では強い反発を呼んでいる。

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イラン大統領は「夢」を見たのか?

 陸上競技の三段跳びをご存じだろう。イランの少数宗派キリスト教徒への政策が三段跳びの選手のように見えてくるのだ。説明する。三段跳びに倣いホップ・ステップ・ジャンプで紹介する。

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チェコの「コロナ事情」と新政権

 「新型コロナウイルスへのワクチン強制接種に対して自分は最初は懐疑的だったが、パンデミックの拡大に直面してその考えを変えた」  チェコのミロシュ・ゼマン大統領は慣例のテレビのクリスマス演説でこのように述べた。

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北京冬季五輪の「3つのハードル」

 中国国営新華社の報道によると、中国共産党中央委員会政治局常任委員会のメンバーであり、2022年の北京冬季五輪準備を監督する責任者の1人でもある韓正副首相(Han Zheng)は14日、北京冬季五輪大会開催まで2カ月を切ったことを受け、国家速滑館、冬季オリンピック村、メインメディアセンターなど、北京のいくつかの会場を視察している。

 同副首相は「パンデミックはゲーム主催者にとって厳しい試練だ。常に警戒を怠らず、COVID-19の対策に厳密に従うように」と関係者全員に注意を促している。

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オミクロン株とAIの「深層学習」

 生命維持の代謝活動のないウイルスは厳密にいえば非生物だが、生命体と同様、ディ―プラニング(深層学習)している。独週刊誌シュピーゲル(2021年12月4日号)は新型コロナウイルスの変異株オミクロン株がどのように発生したかをテーマにしていた。興味深い点は、オミクロン株が感染するターゲットは免疫機能が弱い人間だ。そこに侵入してもその人間の免疫システム、キラー細胞に攻撃される心配は少ないからだ。健康体で免疫機能が強い人間に入れば、オミクロン株のウイルスはその人の免疫にやられてしまう危険性が出てくる。

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ウイルス学者がカツラをつける時

 ウィーンのメトロ新聞(12月17日付)はテレビで著名なチロル州のウイルス学者が、「外出する際はカツラをつける」という話を掲載していた。同学者の説明によると、「自分は新規感染者が増加しているので、チロル州もロックダウンを早急に実施すべきだと発言したことがあった。それ以後、脅迫メールなどが送られてきた」という。「ウイルス学者という職業がテロリストの襲撃対象となるとは考えてもみなかった」と語っている。実感だろう。

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アフガニスタンの「地上の星たち」

 時間は確実に過ぎ去っていく。2021年も2週間あまりとなった。コロナ禍で開け、閉じる1年となるが、感染症は2022年に入ってもその牙を治める気配がないどころか、さらに激しくなることが予想される。コロナ禍で開催された第32回東京夏季五輪大会は記憶の中で一輪の花のような輝きを残してくれたことは多くの人に救いとなった。忘れてならないのはアフガニスタンだ。イスラム原理主義組織「タリバン」が8月15日、アフガンを再び占領し、駐アフガンの米軍撤退で同国の情勢は激変した。

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バッハ会長は“第2のテドロス”だ

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の最近の言動を見ていると、同じスイスに本部を置く世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長を彷彿とさせる。テドロス事務局長は2020年1月、中国武漢で新型コロナウイルスの感染が発生した直後、北京を訪問し、習近平国家主席を謁見し、中国の対コロナ対策を称賛し、後日世界の笑いものになったことはまだ記憶に新しい。

 ところで、ドイツ人のバッハ会長は今月11日、IOC首脳会談をオンラインで開催し、世界で広がりつつある北京冬季五輪大会への外交ボイコットに対し、「五輪とスポーツの政治化は許されない」といった共同宣言を採択し、北京の中国共産党政権にエールを送っている。そうだ、テドロス事務局長もバッハ会長も窮している中国共産党政権に救いの手を差し伸ばしているのだ。

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ワクチン接種義務に関する法案-オーストリア

 オーストリアで来年2月1日から新型コロナウイルスのワクチン予防接種が義務化される。それに先立ち、同国ではワクチン義務化に関する法案作成が進行中だ。ミュックイン保健相とエットシュタドラー憲法問題担当相が9日、記者会見で草案を発表した。今後、関係省、専門家たちとの会談を重ねて最終法案をまとめ来年1月には施行する予定だ。

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北京冬季五輪に「外交ボイコット」を

 第32回東京夏季五輪大会は中国武漢発の新型コロナウイルスの感染拡大下で開催された。ホスト国日本国内でも土壇場まで開催すべきか否かで議論があったが、開催を決定し、万全の防疫体制のもと大会は成功裏に終わった。東京五輪に参加した選手たちも貴重な体験に、「ありがとう」という感謝の言葉を残して帰国していった。

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オーストリア首相と教皇が共有した数字「33」

 オーストリアのアレクサンダー・シャレンベルク首相は2日、「与党の党首は同時に首相ポストを担うほうが理想だ」と指摘、首相ポストを与党国民党幹部会で3日選出される新党首に譲ることを明らかにした。

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欧州保守派の「希望の星」政界を去る

 欧州最年少の首相に就任し、欧州保守派の若いホープと受けとられてきたセバスティアン・クルツ前首相(35)は2日、政界から引退すると発表した。クルツ氏は今年10月6日、「経済および汚職検察庁」(WKStA=ホワイトカラー犯罪および汚職の訴追のための中央検察庁)が10月6日、買収や背任の疑いで調査を開始し、与党国民党本部、財務省などを家宅捜査したことが明らかになったことを受け、同月8日、自身の潔白を主張する一方、首相ポストをシャレンベルク外相(当時)に譲り、国民党党首に留まり、自身のカムバックを図ってきた。

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欧州、新変異株でダブルパンチ?

 オーストリアでは今月22日から4回目のロックダウン(都市封鎖)が3週間の予定で実施されているが、27日の土曜日、オーストリアの第2都市グラーツ市はじめ、クラーゲンフルト市、サンクト・ぺルテン市、インスブルックでは政府のコロナ規制や来年2月1日実施予定のワクチン接種の義務化に反対する抗議デモ集会が行われた。

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誰かが“習近平落とし”を図っている

 中国の習近平国家主席は、第19期中央委員会第6回総会(6中総会)で「歴史的決議」が11月11日に採択されたことで、自身の立場を強化し、来年の第20回党大会で3期目の主席就任が確実視されている。対外的には、台湾統合を視野に入れ、南シナ海への覇権を広げてきている。国際社会からみたら、中国の覇権主義、大国主義は習主席の判断に基づくものと受け取られてきた。

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11分に1人の女性が家庭で殺された

 25日は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」だった。来月10日の「人権デー」までの16日間、「UNiTE女性に対する暴力撤廃のキャンペーン」が始まった。今回のテーマは「政界をオレンジ色に、今すぐ女性に対する暴力を終わらせよう!」だ。

 アントニオ・グテーレス国連事務総長はビデオスピーチで、「女性と女児に対する暴力は、今日の世界で最も蔓延した、差し迫った人権問題であり続けている」と述べ、「私たちがともに一層の努力を重ね、2030年までに女性と女児に対する暴力を撲滅しなければならない」と語っている。

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独次期政権「大麻の合法化」目指す

 ドイツの社会民主党(SPD)、「緑の党」、そして自由民主党(FDP)の3党は24日、先月21日から続けられてきた連立交渉で合意が成立したことを発表した。その結果、「キリスト教民主・社会同盟」(CDU/CSU)主導のメルケル政権は16年間の幕を閉じ、SPDのオーラフ・ショルツ財務相を次期首相とした3党連立政権(通称・アンプル政権、SPD=赤、緑の党=緑、FDP=黄)が来月上旬にも発足する運びとなるが、SPDとFDPは党大会で連立協定を、「緑の党」は党員の投票でその是非を問うため、新政権の発足には10日間あまり時間がかかる。その後、連邦議会(下院)の承認を受け、ショルツ新政権が正式にスタートする。ドイツで3党連立政権は連邦レベルでは初めて。

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ロックダウンの風景が変わってきた-オーストリア

 4回目となると、どんな鈍感な国民でも慣れてきて緊張感がなくなるものだ。オーストリア政府は22日から約3週間のロックダウン(都市封鎖)を実施した。ロックダウンといえば、国民の外出制限を意味し、国民経済活動が停滞することを意味し、新型コロナウイルス感染対策としては最強の手段と受け取られてきた。コロナ規制に反対する国民はロックダウンを目の敵のようにして、実施を阻止するために闘ってきた。

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中国ネットユーザーの心捉えた「曲」

 「壁」にはいろいろある。第2次世界大戦後、東西両欧州を分断してきた“鉄のカーテン”は1989年6月、ハンガリーのホルン外相とモック・オーストリア外相が両国間を分けてきた鉄条網を切断して落ちた。東西分断の象徴的な壁だった「ベルリンの壁」は32年前の今月9日崩壊し、東西両ドイツはその翌年、再統一を実現した。冷戦終焉後、「壁」のない世界が到来するだろうと考えられたが、2015年、中東・北アフリカから大量の難民が欧州に殺到すると、欧州各地の国境で新たな鉄条網が設置された。

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ワクチン未接種者への「制裁」論

 「制裁」といえば、多くの場合、政治的意味合いを帯びる。最近では、ベラルーシのルカシェンコ大統領が中東から大量の難民を欧州連合(EU)の国境線に送り込み、ポーランドやリトアニアなどに政治圧力をかけていることに対し、EUは、ベラルーシの関係者に欧州渡航禁止や海外資産の凍結などの制裁を科している。古いところでは、国連安保理決議に違反して核開発を続ける北朝鮮やイランに対しても人的、物的な制裁が行われている。そればかりか、大国ロシアに対してもウクライナのクリミア自治共和国の併合などを理由に、欧米諸国は制裁を実施している。すなわち、21世紀の今日、「制裁」は非常にポピュラーな政治的手段となっているわけだ。

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ワクチン接種問題が提示したテーマ

 オーストリアのシャレンベルク首相は19日、チロル州のリゾートホテルで開催された連邦・州代表合同会議後の記者会見で、今月22日から4回目となるロックダウンを実施し、来年2月1日からワクチン接種の義務化を実施すると表明した。新型コロナウイルスの感染が猛威を振るう欧州ではワクチン接種が勧められているが、接種の義務化はこれまでバチカン市国以外にない。フランスなど一部の国では医療・福祉関係者など特定の職種に従事する国民に対してはワクチン接種を義務化しているが、国民全てを対象とした義務化はこれまで行われていない。

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