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ウィーン発コンフィデンシャル rss

今こそ“第2のフランス革命”を

 フランス国民は一見、西欧諸国の中でも最も自由を謳歌しているようで、「自由にも制限がつく」とはなかなか言い出せない。政治家も国民の多くも「他者を冒涜する自由がある。なぜならば、それが自由だ」と信じているのだ。そうでなければ、多分、多くのフランス人にとって歴史を通じて獲得した「自由」が消滅してしまう、といった不安に脅かされるからだ。その意味で、フランスは案外、欧州で最も「不自由な国」なのかもしれない。

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独書店で習近平主席の著書デビュー

 欧米諸国の反中国包囲網の影響もあって、欧米エリート大学で開設されていた「孔子学院」が中国の情報機関の手先となっていたことが発覚し、欧米で次々と閉鎖に追い込まれている。そこで中国共産党政権の要請を受けて国営「中国出版集団」(CNPIEC)がドイツの最大手書店「タリア」(Thalia)で習近平国家主席の著書を並べるコーナーを設置するなど、出版物によるプロパガンダ作戦を始めている。そこでドイツとオーストリアのメディアの報道に基づき、中国共産党政権の出版物プロパガンダ作戦を紹介する。

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「モリア難民」問題で国会議論が白熱

 オーストリア議会(定数183)で23日午前、ギリシャのレスボス島のモリア難民キャンプ問題について与野党間の議論が行われた。オーストリア国営放送でライブ中継されていたので久しぶりに与野党の議論風景を聴いた。争点はギリシャのレスボス島のモリア難民キャンプの火災で放置された難民、特に、保護者のいない未成年者の難民を受け入れるか否かでクルツ政権と野党議員の間で意見が分かれていることだ。

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コロナ禍で欧州不法麻薬市場は激変

 ポルトガルのリスボンに拠点を置く「欧州薬物・薬物依存監視センター」(EMCDDA)は22日、欧州連合(EU)の「2020年麻薬報告書」(88頁)を公表した。それによると、中国武漢発の新型コロナウイルス(covid-19)の欧州感染の拡大を受け、加盟国が外出自粛など規制に乗り出した結果、麻薬市場、麻薬の消費状況が激変した。具体的には、ダークネット、ソーシャルプラットフォーム、郵便パケット、地元の配達業者などを利用した不法な麻薬取引が増加した。また、麻薬中毒者支援関連施設での活動にも制限が出てきているという。

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人は倦むが「ウイルス」は休まず

 会社経営者にとって経営不振に陥った時、幹部社員の前で間違いを認めることは容易ではないだろう。一国の指導者の場合はどうだろうか。民主国家の場合、選挙が行われるから、失政した場合、国民からその責任を追及され、最悪の場合、政権を失う。

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新規感染者が爆発的に増加する欧州

 世界保健機関(WHO)のハンス・クルーゲ欧州事務局長は17日、記者会見で「欧州で過去2週間、大半の国で新型ウイルスの新規感染者が急増した」と指摘、警告を発した。ただし、死者数と入院患者数はスペインとフランス両国以外は増えていない。以下、オーストリア通信(APA)の記事をもとにまとめる。

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これからは「中共ウイルス」と呼ぼう

 米国内で広がっている抗議デモは「人種差別に抗議するデモ」か、それとも「黒人への差別を抗議するデモ」かと問われれば、厳密にいえば、後者だろう。抗議デモの直接のきっかけは、米ミネソタ州のミネアポリス近郊で5月25日、取締りの過程で警察官に拘束され窒息死させられたアフリカ系米人、ジョージ・フロイドさん(46)の事件だ。その後、全米各地で黒人差別に抗議するデモが行われ、一部のデモは暴動化し、新たに黒人が犠牲となる事件が起きている。だから、それ以降発生した抗議デモは人種差別に抗議したというものではなく、黒人差別に抗議したデモといわざるを得ない。

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燃失したモリア難民キャンプの問題

 欧州で再び、難民問題が浮かび上がってきた。今年に入って欧州連合(EU)は中国武漢発の新型コロナウイルスの感染対策に邁進してきたが、ギリシャのレスボス島(Lesbos)にある欧州最大の難民収容所、モリア(Moria)の難民キャンプで9日未明、火災が生じ、収容されていた難民1万3000人余りが路上に放り出されるといった事態に直面、その対策に乗り出さざるを得なくなったことが直接の理由だ。ただし、厳密にいえば、2016年のEUとトルコ間で締結された難民対策に関する合意内容が反故されてきた結果だ。

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アラブ世界の変動とその「点と線」

 湾岸諸国のアラブ首長国連邦(UAE)が8月13日、そしてバーレーンが今月11日、これまで敵対関係だったイスラエルと国交正常化で合意した。そして15日、米ホワイトハウスで仲介役を演じたトランプ米大統領の立ち合いのもと、イスラエル(ネタニヤフ首相)、UAE(アブドラ外相)、バーレーン(ザイヤー二外相)の3国代表が合意文書の署名式に臨んだ。トランプ大統領は「新しい中東の夜明けだ」と合意を高く評価した。

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大坂選手の「抗議マスク」の是非

 プロテニスの全米オープン大会は当方にとって最高の結果で幕を閉じた。男子シングル決勝最終日の13日、オーストリアのドミニク・ティームがフルセットの末、ドイツのアレクサンダー・ズべレフに逆転し、4大メジャー大会を初制覇した。それだけではない。それに先立ち、女子シングル決勝で12日、大坂なおみがベラルーシのビクトリア・アザレンカを2対1で破って2年ぶり、2回目の優勝を果たしたからだ。当方が長年居住するオーストリアのテニス選手が勝ち、当方の母国・日本の女性選手が勝ったのだ。男女とも贔屓の選手が優勝するなど人生ではめったにないことが起きたのだ。いずれにしても、ドミニク・ティーム選手と大坂選手には 心からおめでとうをいいたい。

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旧東独民は本当に「2等国民」?

 独週刊誌シュピーゲル(9月5日号)は来月3日、東西両ドイツ統一30周年を控えて、「2等国民」(Buerger zweiter Klasse)という見出しの記事を掲載していた。旧東独国民が旧西独国民に対して「われわれは2等国民だ」という思いが30年の年月が経過した今日でも依然払しょくできない現状を報告していた。

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欧州会計監査院「中国の投資に警戒」

 欧州連合(EU)にとって中国は米国に次いで2番目の通商相手国だ。中国から欧州市場に落とされる投資の半分以上は中国国営企業からのものだ。彼らは戦略的に重要な分野に巨額の資金を投入する。例えば、インフラ分野だが、中国の投資内容には不透明なものが多く、その全容が掴めない状況だ。

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ルカシェンコ氏がまだ失権しない訳

 8月9日に実施されたベラルーシ大統領選で得票率82・6%(公式発表)を獲得して6選を果たしたと宣言するまでは多分、ルカシェンコ大統領の計画通りだっただろうが、国民が大統領選を「不正」と指摘し、やり直しの選挙を要求して路上で抗議デモを始めたのには驚いたのではないか。

 当初は治安部隊がデモ集会を解散できると簡単に考えていたが、大統領選から1カ月が経過しても抗議デモは治まらず、ベラルーシの政情は益々混沌としてきた(「独裁者が国民に『恐れ』を感じだす時」2020年8月20日参考)。

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バイデン・ハリス組の「中国人脈」

 米大統領選はいよいよ終盤選に突入してきた。ドナルド・トランプ大統領(74)とマイク・ペンス副大統領(61)の現職組に、ジョー・バイデン前副大統領(77)とカマラ・ハリス上院議員(55)組の戦いだ。複数の世論調査によると、米共和党の現職トランプ・ペンス組は苦戦し、民主党の挑戦者バイデン・ハリス組が依然、先行している。ただし、ここにきて候補者とその親族周辺の不祥事や不透明な経済活動が争点として浮かび上がってきた。ここではバイデン氏とハリス氏が「説明責任」が求めらる機会が増えてきた。特に、親族関係者の「中国人脈」問題だ。

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人は一人では生きていけないから

 中国武漢発の新型コロナウイルスが欧州で感染を広げていった今年2月末から3月にかけ、イタリアをはじめとして厳しい外出規制を実施する国が増えた。そのため、特に、感染危険年齢の高齢者や基礎疾患のある人を感染から守るために、家族や友人たちとの接触は制限されていった。5月に入り、感染ピークが過ぎたとして規制緩和する国が増えた。7月から8月の夏季休暇シーズンが過ぎ、旅行帰りの国民が新型コロナウイルスを持ち帰ってきたこともあって、ドイツやオーストリアでは感染者が再び増えてきている。

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東地中海の天然ガス田争奪戦の行方

 原油、天然ガス、金銀鉱山などの資源が見つかると、その採掘権利を巡り関係者、国の間で争いが起きる。前世紀まではそうだったが、残念ながら21世紀に入ってもその状況は変わらないばかりか、紛争の規模は拡大し、激しさを増してきた。地下資源観測用人工衛星の発展で地下に眠っている資源の在りか、規模などが詳細に分かるから、紛争や争いは試掘の段階で始まるケースが多くなった。

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習近平氏が恐れる「党と人民は別」論

 中国の習近平国家主席は3日、抗日戦争勝利75周年記念の座談会で演説し、その中で中国を批判するトランプ米政権に反論を展開させた。具体的には、同主席は、①共産党の歴史を歪曲、②中国の社会主義の道を改変、③党と人民を離間、④自分たちの考えを押し付け中国の前進する方向を改変、⑤中国が発展する権利を破壊している、等批判した(時事通信9月4日)。習近平国家主席は5点を並列に挙げているが、同主席が最も警戒している点は「党と人民を引き離そうとしている」と指摘した③だ。

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ナワリヌイ事件が示したロシアの顔

 2005年、ドイツのシュレーダー首相(当時)とロシアのプーチン大統領がロシアの天然ガスをドイツまで海底パイプラインで繋ぐ「ノルド・ストリーム」計画で合意した時、ポーランドのラドスワフ・シコルスキ国防相(当時)は、「ヒトラー・スターリン協定」(独ソ不可侵条約)の再現だと批判したことがあった。

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欧州駐在の“悲しき中国外交官”

 海外に派遣される外交官は自国の代表として国益を守り、派遣先の国との友好関係を促進する一方、自国をPRすることがその主要な職務だ。ホスト国とゲスト国の間で政治的難問やテーマがない場合、駐オーストリア日本大使館外交官のように、ホスト国との文化交流が主な仕事だ。新型コロナウイルスの感染がなかった昨年までは、日本大使館内の文化センターで「お茶の会」や生け花、書道、時には囲碁、将棋の紹介などが行われてきた。

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欧州の政界を変えた独首相の「発言」

 あれから5年の月日が経過した。2015年8月31日、ドイツのメルケル首相が記者会見で欧州に殺到する難民対策について「Wir schaffen das」と語って以来、その発言はメルケル首相のトレードマークとなった。その後も何かある度に、「Wir schaffen das」という表現がドイツのメディアや政治家の口から飛び出してきた。

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中国高官の「ゴールデンパスポート」

 中国共産党幹部の中でマルクス・レーニン主義を今も信じている者は少なく、極端にいえば、「中国共産党党員証」より「国営企業幹部の名刺」を自慢げに見せる党幹部が増えてきたことはこのコラム欄でも何度か紹介した。将来の政治異変(中国共産党政権の崩壊)に備え、財産を秘かに海外の銀行口座に移動させる一方、家族関係者には海外の国籍を獲得させるなど、中国脱出(エクソダス)計画を着実に進めている中国共産党幹部が増えてきているというのだ。

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独誌「日本は新しい出発が必要だ」

 安倍晋三首相の辞任表明は欧州でもいち早く報道された。安倍首相の1時間余りの記者会見をNHKのライブ中継でフォローした。7年8カ月間と日本の首相の中で最長在職記録を樹立した安倍首相は画面からも、やはり疲れが見えた。

 病を抱えて日本の首相を務めることは通常では難しいことだ。安倍首相は国民への感謝を繰返し表明する一方、任期途中の辞任に対して「お詫びしたい」と語っていた。日本の総理大臣の品格を見た。病の回復に努め、元気な姿を再び見せて頂きたい。

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ベラルーシ正教会トップ人事の「狙い」

 ロシアのプーチン大統領は27日、国営放送でのインタビューの中で、大統領選(8月9日実施)の不正問題を追及されているベラルーシのルカシェンコ大統領の支援要請を受け、「予備警察の派遣準備をした」ことを明らかにした。

 ただし、「ベラルーシの治安が混乱し、制御できなくなった場合という前提条件だ」と強調した。ルカシェンコ大統領の大統領選不正問題を追及する欧米諸国の圧力に対し、プーチン氏はロシア側の強硬姿勢をアピールする狙いがあると受け取られている。

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