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【デジタル・インフルエンス】食品スーパーも生産者に語らせろ!ネット時代は形式知?


トップ動画:アホールドUSA「フレッシュ・ストーリー(Fresh Stories)」の「ツルー・ノース・サーモン:サステナブル・シーフードのためのパートナーシップ(True North Salmon: A Partnership for Sustainable Seafood Part 1)」。ネットで伝える時代には、職人の世界にある「師匠の背中を見て学べ」などの「暗黙知」は通用しない。生産者も自ら言葉を発しなければ伝わらない。ネットの時代は伝えなければならない。

 ■店内でスマートフォンなどデジタル端末を駆使して商品等の情報をリサーチする消費者は増加傾向にある。こういった消費行動に影響を及ぼすデジタル・インフルエンスは店の売上に大きく影響している。

 調査会社デロイト社によると、2015年の食品売上高の33%がデジタルインフルエンスの要因があった。それが2016年には51%にも跳ね上がったのだ。毎日・毎週と頻度の高い買い物となるスーパーマーケットでも、顧客はスマートフォンを使って商品検索し、商品の種類を調べたり、レビューを読み、生産地や生産者等のリサーチをして買い物をしているのだ。

 一方で食品の買い物客は「モバイルを使ったショッピングで買いやすくなった」と答えたのは33%にとどまっている。これは食品を含めたすべての商品カテゴリーで「買いやすい」とした42%に対し、かなり劣っている数字なのだ。
 つまり食品では生産者やメーカー、スーパーなど、デジタル上での情報提供がまだ不十分だと言える。それでも一部には、販売している食品について情報を積極的に提供する企業はある。ニューヨークやニュージャージーなど14州にストップ&ショップやジャイアント・ランドオーバー等のスーパーマーケット780店以上を展開するアホールドUSAでは、動画を使った生産者の情報を提供している。

 傘下スーパーのYouTubeチャネルにアップしている「フレッシュ・ストーリー(Fresh Stories)」では、総再生回数が1,400万回以上となっているのだ。それぞれの動画は生産者がどこでどうやって生産し、アホールドUSAブランドとのパートナーシップの重要性を語っているのだ。アホールドUSAがグラフィックデザイナー企業のビスカル・クリエイティブ(Viscul Creative)と提携して撮影、編集していることで、極めてパーソナルな映像に昇華している。再生回数が20万回以上となっている「ツルー・ノース・サーモン:サステナブル・シーフードのためのパートナーシップ(True North Salmon: A Partnership for Sustainable Seafood Part 1)」と題された動画では、漁師自らが出演し環境に負荷を与えない漁法を語っている。

 こういった情報開示は比較的地味で小さな一歩だ。だがスマートフォンを駆使する若い世代が消費の中核になる頃、コンテンツなどのデジタル・インフルエンスによる売上高増は否定できなくなってくる。

こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。本や雑誌、新聞など紙媒体の発行部数は右肩下がりの状態であることはよく知られています。若い人を中心に情報を得るのに、紙からはとらないのですね。紙では情報量に限界があり、有料でかさばり、検索できず使いづらいので、ネットの前では劣った存在でしかないからです。

 一方でスマートフォンを常時携帯するようになると、気になったことがあればすぐにネット検索です。昨年から今年にかけてアマゾンのレジなしコンビニがテレビで紹介されたとき、当ブログのアクセス数は急増しました。今でもアクセス数の多いエントリー記事は検索からとなっています。何か気になれば、スマートフォンを取り出して調べる行為は、無意識の習慣になっています。小売業者は消費者の無意識の検索行動を過小評価しています。
 なぜなら多くが消費者の知りたい要求に何も答えていないからです。日本人はモノづくりは巧いのですが、情報を知らせるコトづくりはまだ不十分です。

言葉にできないほど、職人技を極めすぎたためだと思います。言語化することができない知識である「暗黙知」に価値を置きすぎているからです。職人の世界にある「師匠の背中を見て学べ」など、言語化して説明可能な知識「形式知」にしてこなかったツケが、ネット社会にきているのです。

 また一部に言葉にすればいいと思っている風潮もあります。解釈としての言葉ではなく、伝わる言葉です。伝わるとはインパクトのある、影響力のあることです。必ずしもプロのアナウンサーのようによどみなく話すことではありません。単に理論的に話すことでもありません。不思議なもので経験が文字通りモノを言うのです。例えば後藤はコンサルタントにコンサルティングを行うことがあります。手前味噌ですが、極めて優秀なコンサルタントを前にしても、有名なキャリアの長いコンサルタントを前にしても、私はまったく緊張しません。なぜなら彼らができない、彼らが語れない、経験を山のようにしているからです。

たまにコンサルタントの中には、クライアントの参加者になりすまして、後藤からコンサルティングを受ける人もいます。行動がイレギュラーなので(名刺交換しない、他の参加者・社員と距離感がありオーラ?が違う、極めて優秀なのに名簿に役職がない等)すぐに分かります。

 私は見て見ぬふりで問い詰めたりしません。なぜなら、こういった優秀な人は、後藤の力量を見抜いて、のちにコンサルティングを依頼してくるからです。グループ売上高で数兆円規模となる企業のトップの前でも、舞い上がってコンサルティングすることもありません。単にコンサルタント歴が長いだけでなく、後藤は生活者・消費者としても長い経験を積んでいるからです。

 語る言葉に気迫があるから、頭がイイだけのコンサルタントではないと彼らに伝わるからです。言い換えればインフルエンス(影響力)があるということ。どんな生産者にもインフルエンスがあります。彼らに語らせればいいのです。朴訥でも経験がモノを言うのですから。
 日本では「シャイ」をポジティブな言葉としてとらえる傾向がありますが海外ではネガティブです。知ってもらうこと、伝えることが相手への、つまり顧客へのレスペクトになるのです。


「激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ」ブログより転載
http://blog.livedoor.jp/usretail/

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