ワシントン・タイムズ・ジャパン

安倍晋三首相は「TPPで農業新時代をつくり…

 安倍晋三首相は「TPPで農業新時代をつくり、日本の成長に結び付ける」と話している。TPPをテコに「農業新時代」を期したい。

 政策の一つに農業経営の集約化がある。2015年農林業センサス調査によると、10年の前回調査に比べ組織経営が6・3%増、法人経営が25・5%増となっている。

 組織経営で、作業を効率化するとともに、市場価値が高く競争力のある農産品を生み出す狙いだ。農地の貸し借りの仲介役を務め、農地活用を広く進める農地集積バンクも発足した。

 ところが、その一方で農業の後継者不足、耕作放棄地の増加という事実があり、こちらの方は大きな不安材料だ。主に農業で生計を立てている「基幹的農業従事者」も、やはり前回調査より13・8%減少の176万8000人となり、初めて200万人を下回った。65歳以上が占める割合も前回の61・1%から64・7%に拡大した。

 新時代に向けた農業経営の集約化は、農業人口減少、後継者不足に対応するための窮余の一策の側面を持つが、成功させたい。そのためには、営々として積み上げられてきた農業の生産技術をいかに引き継ぐかという大きな課題がある。

 一般企業では、07年ごろから「技術・技能継承問題」が浮上している。熟練工らが次々と定年で引退したが、それを継承する若年者の数がかなり不足しているのだ。農業分野でも、この問題は軽く扱えない事項だ。

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