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【ウォルマート】ネットスーパーにAI!およそ10%だった代替品の返品が2%に向上?

ウォルマート店内でネットスーパー注文のシリアルをピッキングするピッカー。人気のシリアルが欠品している場合、精度を大幅に向上させたAIが代替品のベストチョイスを提案しているのだ。

ウォルマート店内でネットスーパー注文のシリアルをピッキングするピッカー。人気のシリアルが欠品している場合、精度を大幅に向上させたAIが代替品のベストチョイスを提案しているのだ。

例えば本を注文したことを考えてみよう。第164回芥川賞を受賞した宇佐見りん氏の「推し、燃ゆ」を注文した時、倉庫に在庫がないからといって代替品を送られてくることはあり得ない。

本に代替品があれば、宇佐見氏の他の著作や商品ページにある「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」から適当に選ぶことになる。

欠品しているからといってハードカバー等、値段の高い他の本を送ってもクレームの嵐になる。仮に「推し、燃ゆ」の注文時、欠品していた場合の代替品をチョイスをできるようになっていても誰も利用しないはずだ。

ところがネットスーパーでは注文時にすべての注文品に代替品のチェックボックスがあり、チェックしておけば該当商品が品切れの場合、例えば注文したオレンジジュースの代わりになる商品が送られてくることになる。

オレンジジュースの代替品といってもアップルジュースに代わることはなく、同じブランドで容量の大きいものや品質の高いものが選択される。いずれにしても差額分は店側がもつのだ。

当然、品切れが多く代替品が多くなれば、アップグレードされた商品であってもお客の満足度は低くなる。

宅配やカーブサイド・ピックアップの受け取り時に代替品の確認を行うことになる。提案した代替品が気に入らなければその場で返品ということになり、顧客の満足度は下がるばかりか、店側にとっても大きなコストが発生する。

しかしネットスーパーの倉庫と兼用する売り場では、セール時に品切れが生じやすく代替品が不可避となる。

ネットスーパー展開で代替品率を下げるだけでなく、顧客が受け取れるベストの代替品をチョイスすることが求められるのだ。

ピッカーの勘に頼った代替品の選択では、人によってばらつきがでるどころか、いつまで経っても問題の解決に至らない。

チェーンストア最大手のウォルマートでは代替品の選択に人工知能(AI)を利用し、顧客の受け入れ率(customer acceptance)を100%に近づけている。

ウォルマートは24日、AIを利用して代替品の受け入れ率を97~98%に向上させていることを発表した。

AIのディープラーニング(深層学習)がサイズやタイプ、ブランド、価格、購買履歴、消費者の嗜好、在庫など100近くの変数を考慮して代替品を決定しているのだ。

つまりネットスーパーの注文品をピッカーが売り場でピッキングする際、欠品していれば自動的に次に入手可能な最適なアイテムを提案することになる。

精度を高めた学習アルゴリズムによってピッカーは指示された商品をピッキングすれば良いだけとなるのだ。

例えばチェリーヨーグルトが売り場になく、顧客も注文時に代替品にOKを出しているのなら「同じブランドのストロベリー等の違う味を選べばいいか」もしくは「より高価なブランドのチェリーヨーグルトをピッキングするのか」などすべてAIが判断するのだ。

ウォルマート・グローバル・テックのエグゼクティブ・バイス・プレジデントのスリニ・ヴェンカテサン氏によると、ウォルマートでは毎週2億人がリアル店舗とネットで15万種類以上の食品を買っている。

膨大なデータを利用することで、ヴェンカテサン氏は「アルゴリズムを導入する前は約90%だった顧客受け入れ率が、97~98%ほどに向上しています」と答えている。

 世界最大の小売業者は見えないところで深層学習AIを発展させ、ネットスーパーでのカスタマーサティスファクションを改善しているのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。「AIが人々の仕事を奪う」という主張にはまだ懐疑的です。そこに至るまでにはまだ相当な時間がかかると予想できます。なぜなら英語から日本語に翻訳する場合、いまだにAIが熟れた日本語訳にできていないからです。

翻訳もまだ満足にできないのに人の仕事を奪うというのは時期尚早だと思うのです。サービス業においてAIが人にとって代わって活躍するのは先の先になりそうです。極めて曖昧な「共感」という変数をアルゴリズムに組み込めなければサービスの現場でAIは絶対に使えません。

人の直感の如く素早いスピードで「共感」を処理して次の最適化された実行処理をできなければなりませんからアトムの世界はさらに先でしょうね。しかもAIは現場で目立ってもダメ。深層学習で共感能力を爆上げし、顧客さえ気づいていない欲しい商品を次から次へと提案されればプライバシーを侵害されたと思うものです。人ならよくわかっていると感心しますが、無機質なキカイに提案されても嬉しくありません(たまにならいいけど)。

 代替品のチョイスにAIを使うのはとても優れていると思います。98%という受け入れ率はネットスーパー注文で逆に挑戦したくなりますね。


「激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ」より転載
http://blog.livedoor.jp/usretail/

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