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【大量閉店】史上最悪!今後5年で8万店が閉鎖し最悪シナリオでは15万店スクラップ?

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■スイスの金融大手UBSは5日、新型コロナウイルスの流行が終息しても今後5年間でアメリカ国内にある約8万店の小売店が閉鎖されるとの試算を発表した。

パンデミック以降も消費のデジタルシフトが進むことで電子商取引が拡大し、その煽りを受けて毎年1.6万店が閉鎖される。

UBSは昨年、2025年までに10万店が閉鎖されると発表しており、一昨年には2026年までに7.5万店が閉店するとの予想だった。昨年の発表よりは明るいものの、パンデミック前の予想よりは悪くなっている。

今回の発表ではワーストケースシナリオも明かされており最悪の場合、5年で15万店がスクラップとなるのだ。毎年3万店の閉鎖となれば、チェーンストアで成長してきたアメリカ小売業界にとって悪夢でしかない。

オンラインストアへの支出が増加することで消費の地殻変動が起きている。オンライン売上は2019年、小売全体の14%だったが昨年はコロナの影響で18%になった。一世帯当たりのオンライン平均支出も2019年の5,800ドル(約64万円)から2020年には7,100ドル(約78万円)と大幅に伸びている。

UBSが予想する8万店の閉鎖となれば、オンライン売上は全体の27%にも拡大するのだ。閉鎖となるのはアパレルや家電、家具、スポーツ用品といったカテゴリーの小売店が最も多く閉鎖されるとの予測。

一方であまり大きな変化がないのはホームセンターや食品スーパー、オートパーツ販売となっている。

分析によれば、アメリカ国内のショッピングモール数も今後5年間で減少する。

不動産調査のレイスによるとモール空室率は2020年の第4四半期(10月~12月期)で10.5%となった。新型コロナウイルスにより統計を開始して以降で史上最悪を記録したのだ。

モール空室率はリーマンショック後となる2011年第3四半期(7月~9月期)にピークとなる9.4%を記録。

アマゾン・エフェクトでモールから撤退するチェーンが相次いだことで2019年第4四半期には最悪の記録を塗り替え空室率は9.7%に上昇した。

昨年の第3四半期には10.1%となり、年末商戦期を含む第4四半期では前記から0.3ポイントも上昇したのだ。

不人気な巨大モールは廃墟化する前にネット通販最大手のアマゾンに売却している。

調査会社のコアサイトリサーチによると2016年~2019年の3年間でアマゾンは25ヶ所のモールを買収し、巨大物流倉庫に変換しているのだ。

昨年12月には買収したマサチューセッツ州ウースター地区にある「グリーンデール・モール(Greendale Mall)」について、地方計画委員会から12.1万平方フィート(約3,400坪)の物流倉庫への改装許可を得た。

今年3月にはテネシー州ノックスビル地区にある商業施設を22万平方フィート(約6,200坪)の物流倉庫にする承認を受けており、ルイジアナ州バトンルージュにあるモールでは340万平方フィート(約9.5万坪)の巨大物流倉庫になるとの許可を得たのだ。

モールがアマゾンの物流倉庫に変わる一方で、見方を変えればショッピングセンターが無駄に開発されていたという実態もある。

ショッピングセンター国際評議会(International Council of Shopping Centers:ICSC)のデータによるとアメリカ国内に大小様々なショッピングセンターが昨年末の時点で11.5万ヶ所もあるとUBSは分析する。

ネット通販市場が拡大する中、ショッピングセンターは2000年の9万ヶ所から2010年の11.2万ヶ所、そして直近では11.5万ヶ所と増えているのだ。

5年間で8万店の閉鎖は、消滅するモールが増えることで正常に戻ることを意味するかもしれない。

 アメリカ小売業界は「史上最悪の大量閉店」に追い込まれながらも、流通デジタルトランスフォーメーション(DX)となる新たなイノベーションを生み出すことになるのだ。

トップ画像:日本人にも人気のあるサウス・コースト・プラザSC。5年で8万店の閉鎖が予想されていることでパンデミック以降もモールは厳しい状態に置かれるのだ。

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不動産調査のレイスによるとモール(RSC)空室率は2020年の第4四半期(10月~12月期)で10.5%となった。新型コロナウイルスにより統計を開始して以降で史上最悪を記録したのだ。アマゾン・エフェクトでモールから撤退するチェーンが相次いだことで2019年第4四半期には最悪の記録を塗り替え空室率は9.7%に上昇した。パンデミックの影響で昨年の第3四半期には10.1%となり、年末商戦期を含む第4四半期では前記から0.3ポイントも上昇したのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。日本では大手チェーンストアの創業者・経営者・役員などにチェーンストア理論を信奉する人が多いと思います。またチェーンストア理論で商売をするコンサルタントも少なくありません。こういった人たちの多くは年齢や社会的地位が高く、影響力は小さくありません。チェーンストアで成功してきた彼らの前で「チェーンストア理論は崩壊しています」とは言えません。阪神ファンの前で阪神の悪口を言ったら殺されるのと同じです(笑)。したがってメディアは流通先進国のアメリカで大量閉店になっている事実は伝えますが、アメリカで陳腐化しているチェーンストア理論についてはスルー。アマゾン・エフェクトで地殻変動が進み「買い物はお店(売り場)でする」というチェーンストア理論の大前提が崩れていることも触れません。お店は流通チャネルの一つになっただけであり、ネットと補完しながらシームレスに機能することで売上を上げるのです。店を増やせば売上上がるというものではもうないのです。
 いつも言っているように流通で起こっている変化とは「巨人ファンが阪神ファンになる(またはその逆)」ぐらいのパラダイムシフトを要します。呪縛を解くためにも流通先進国の事例を学びましょう。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」です。歴史とは事例です。


「激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ」より転載
http://blog.livedoor.jp/usretail/

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