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みずほATM障害、信頼を裏切った責任は重い

 みずほ銀行の現金自動預払機(ATM)で、キャッシュカードや預金通帳が戻って来なかったり、預金引き出しなどの取引ができなくなったりする障害が発生した。

 みずほ銀は過去にもトラブルを引き起こしている。顧客の信頼回復は容易でないことを自覚すべきだ。

 トラブルを繰り返す

 このトラブルで、一時は全国の同行ATMの半数以上に当たる4318台が停止。ATMに取り込まれたカードや通帳は5244件に上った。

 銀行のシステムは、大事なお金を預ける顧客の信頼の上に成り立っている。その信頼を裏切った責任は重い。

 みずほ銀によれば、今回の障害はデジタル口座への移行に向けた口座情報の移し替え作業が原因の一端だった。通常のデータ更新作業25万件にデジタル口座へのデータ移行作業45万件が重なり、基幹システムの容量不足に陥った。

 金融庁は、みずほ銀と親会社のみずほフィナンシャルグループに対し銀行法に基づく報告命令を出した。なぜ容量増設などの対応をしなかったのか、原因の徹底究明が求められる。

 みずほ銀は2002年に第一勧業、富士、日本興業が合併して発足した。ところが、その発足直後と11年の東日本大震災後に大規模なシステム障害を起こした。02年のトラブルでは口座からの二重引き落としなどが約250万件生じている。いずれも、合併に伴って複雑化したシステムが一因となった。

 このため、約4500億円をかけて19年に銀行業務の基幹システムを全面刷新した。それにもかかわらず、再び大規模障害を引き起こしたことで信頼の低下は免れない。

 システム障害だけではない。障害発生後の対応もスピード感に欠けていた。みずほ銀が最初に障害を把握したのは、2月28日の午前11時。この時点でトラブルを深刻に捉えなかったことが初動の遅れを招いた。午後2時半に全店の職員に出勤を要請した時には、カードを取り込まれた大勢の顧客が長時間待たされる状況となっていた。

 盗難カードの不正使用を防ぐため、ATMが不自然な取引を検知すると通帳やカードは機械に取り込まれたままになる。しかし対応が遅れれば、顧客が大きな不安や怒りに駆られるのは当然だ。

 みずほ銀の藤原弘治頭取は「顧客対応が不十分だった」と認めた上で「ご不便ご迷惑を掛けた。深くおわびする」と陳謝した。だが、この会見が行われたのはトラブル発生から丸1日以上が経過した3月1日の午後6時である。もっと迅速に対応し、顧客の不安を一刻も早く取り除くべきではなかったか。

 一人一人に丁寧な対応を

 みずほ銀は稼働していたコンビニエンスストアのATMなどを利用して出費を余儀なくされた人に対し、手数料を全額負担する。またATMに取り込まれたキャッシュカードや通帳も、まだ500件ほどが返せていない。返却を急ぐ必要がある。

 再発防止に向け、まずは顧客一人一人に丁寧に対応することが欠かせない。

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