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「お客様=神様」がのさばるレジ担当の嘆き

 7月1日からスタートしたレジ袋の有料化。ここ数日各メディアが、有料化に伴う客からのハラスメントを受けている現場の実情を取り上げています。Twitterでは「レジハラ」がトレンド入りするなど、SNS上でも注目度の高い話題となっています。

「お客様=神様」による様々なレジハラ

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 レジハラとは、レジ・ハラスメントの略で、お店の会計(レジスター)の所で行われる理不尽なハラスメントのことです。レジ袋有料化がコロナの感染拡大の時期と重なったことで、レジ袋に関するハラスメントだけでなく、お釣りの手渡し方などコロナ感染をかなり敏感に警戒する客からのハラスメントも行われています。

 ここ数日のメディアで取り上げられた実際に起きているレジハラを見ていると、レジ担当の人に同情を禁じえません。

 例えば、ある番組では、女性店員が有料のレジ袋が必要か男性客に確認したところ、「要らない」と言われ、会計済みの目印として店名の入ったテープを貼っていいかどうか確認した途端、突然男性客が怒鳴りだした動画を紹介していました。男性客は、「調子こいてんじゃねーぞ、コラ!」、「テープなんか貼る必要あんのかよ」、「おい! お前に聞いてんだよ、返事しろコラ!」、「誰が教育してんのか、このバカ!」など、女性店員に罵声を浴びせていました。

 また、「シール貼っていいかどうかはお客様次第だろ」、「お前、それでコロナ菌バラまいてんのか、コラ!」と、飛沫防止の透明シートを叩く暴力的様子も見られました。男性客は、マイバッグを持参しているのでシールは不要だと主張し、おそらく聞かなくてもわかることを聞くなということで怒っていた様子でした。

 この現場を抑えるため、動画を撮影していた他の買い物客が番組の取材に答えていたのですが、警察を呼ぶほどでもないし、間に割って入ったら更に怒って暴力を振るいかねなかったとして、せめて証拠を抑えて店員に渡して後の事は店側に任せることにしたと話していました。女性だったので賢明な判断だったように思えます。私もその場にいたら同じようにしていたかもしれません。レジ担当も女性だったので怖かったと思いますが、何も失礼なことはしていないのに理不尽に怒鳴られたことにショックも大きかったのではないでしょうか。

 この他にも、レジ袋有料化を知らない客が、「昨日まで無料だっただろ!」と怒鳴ったり、エコバッグ持参の客が、慣れない手つきでゆっくり商品を袋に詰めていると、後ろに並んでいる客がキレるということがあったり、店によっては店員がビニール手袋をはめて応対していることに「手袋しているのって、客を感染源扱いしているだろ。オレはバイ菌か? 入り口で手にアルコールスプレーしているのに殺菌されていないのか?」とスゴむ客がいたりと、「お客様=神様」と思っている人によるレジハラが増えてきている現状です。

40〜50代の“いい大人”に多いハラスメント客

 SNS上ではレジハラについて、レジハラを受けたレジ担当の人や、レジハラに憤りを感じている人などのコメントが上がっています。

 「マスクの下でボソボソ言うのも禁止 → 聞こえない。聞こえないから聞き返してるのにキレるの禁止 → 聞き返されたくなければ最初から大きな声で言え」

 「レジ袋付けますか?って聞いても無視だったり、何言ってるか分からないや、声ちっちゃすぎて聞こえないとか、日常茶飯事だよな…。能動的にレジ袋くださいを伝えることが出来るお客様は魅力的で誠心誠意ありがとうございますを伝えたくなる」

 「従業員だけど本当に頭がおかしいお客が多くなった。マスクもしない、消毒液置いてるのにやってくれない。看板も見ない。有料袋じゃなくていらない袋でいいよって言ってくる。購入シール貼ると怒る人もいた。こんな状況でストレス溜めながらも働いてる従業員の方が神様だと思って」

 「レジハラやってるの大抵中高年だよな。本来は年齢を重ねるってことは人として成長するはずなんだよな。それだけ経験をして物事を理解できることが増えるから。でもこういうバカな中高年って、歳だけとって、それ相応の経験してきてないからすぐ怒るんだと思うよ」

 レジハラを受けて、レジ袋有料化をやめよう、お客様=神様という考え方もやめようという意見も出てきています。

 「レジ袋有料化やめようよ!有料化になってから、『会計終わったら、早く商品入れてどけよ!』的な態度の店員さんも多く、ありがとうさえ言わない! 店員さんにも、客にとっても不愉快招いてない? どうせ100均のレジ袋が売り切れる程みんな買ってるんだし」

 「お客様は神様という考え方もうやめませんか? 人間通しお互い気持ちよく買い物しませんか?」

 レジ袋有料化やコロナの感染対策をする以前から、カスハラ(カスタマー・ハラスメント)という言葉がありました。接客業の7割がカスハラにあっているというほど、マナーのなっていない客が多いということなのでしょう。

 私は実際にその現場を目撃したことはないのですが、SNS上では「接客業してたらカスハラはしょっちゅう」、「本当にマナー、態度悪い人多い。私たちは貴方たちの下僕ではない。頭おかしいんじゃない?って思う人ゴロゴロいる」、「理不尽なことでクレーム入れてくる奴おるおる。だいたい老人とか、40代以上とかのええ大人。俺が俺が、私が私がの自己主張強い世代な気がする」など、接客業をしている人の日常的にあるカスハラの嘆きが投稿されてい ます。

 日本人の性(さが)なのか、立場に上下をつけて、年齢関係なく立場が上の人が無条件偉いと思っている人が少なくないのを感じます。ベトナムの方とお話する機会があったのですが、ベトナムでは立場よりも年齢が大切で、部下よりも上司が年下であっても、年上の部下を敬って丁寧な言葉で話したり、謙遜な態度をとることが当たり前だといいます。しかし、日本ではそのような当たり前がないので、ベトナムの方が、年下の上司からタメ口で話されたり、不躾な態度を取られてとても驚いたと話していました。

 自分がもし年上の人より立場が上だとしても、年齢を重んじて敬語を使おうと思うのですが、レジハラやカスハラの実態をみると、立場に上下をつけて上の立場だからと横柄な態度を取る人が多いことが、日本人として恥ずかしいと思えてしまいます。

 SNSの投稿にもあったように、40〜50代に多いとされています。ハラスメントを受けている若い世代が年齢を重ねても、同じようにハラスメントをしないで、自分がハラスメントを受けたことを思い出して、店員を思いやれる大人になれたらと思います。レジハラ、カスハラなどが死語になってこの言葉を使わなくてもいい日がくることを願います。

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