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【ウォルマート】食品宅配サブスクリプションのデリバリー・アンリミテッドを全米へ!

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■ウォルマートは12日、一部地域でテスト展開を行っていた食品宅配サービスの「デリバリー・アンリミテッド(Delivery Unlimited)」を1,400店に拡大することを発表した。チェーンストア最大手が当日宅配サービスのサブスクリプションを展開することで顧客の囲い込みを図る。

1回の宅配手数料が通常9.95ドルかかるところをデリバリー・アンリミテッドでは年会費(もしくは月会費)で無制限に注文できる定額宅配サービス。デリバリー・アンリミテッドの年会費は98ドルとなり、1ヶ月のプランでは12.95ドルとなっている。いずれも15日間のトライアルが含まれている。

1回の最低注文額が30ドルとなるデリバリー・アンリミテッドでは月に2回以上の注文でもとが取れることになる。

デリバリー・アンリミテッドの注文の仕方は、個別で注文するように専用アプリの「ウォルマート・グローサリー(Walmart Grocery)」で行う。生鮮品などを含む対象品1万アイテムから購入する商品をカートに入れ、配達の時間を選択する。宅配の回数に制限はない。

ウォルマートはデリバリー・アンリミテッドを今年初め、テキサス州ヒューストンやフロリダ州マイアミとタンパ、ユタ州ソルトレイクシティの4つの地域でテストを開始。

当日宅配サービスを拡大していることから今秋にはデリバリー・アンリミテッドを200都市にあるスーパーセンターを中心に1,400店で展開する。また年内までには国内既存店の50%以上にあたる1,600店で展開を計画している。

 ウォルマートの当日宅配は、カーブサイド・ピックアップ・サービスの「ウォルマート・グローサリー・ピックアップ(Walmart Grocery Pickup)」の延長で行っているオペレーションだ。

カーブサイド・ピックアップは利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にて店のスタッフから受け取るサービス。通常、利用者は車から降りる必要はなく、注文品はスタッフがトランクに積んでくれる。

ウォルマートの宅配サービスはカーブサイド・ピックアップ用スタッフのパーソナル・ショッパー(店内で商品をピッキングする専用スタッフ、ピッカー)が売り場で商品をピックアップ。宅配はドアダッシュやデリブ、ポストメイトなど提携するオンデマンド・デリバリーサービス業者のドライバーに注文品を渡して宅配する。

なおウォルマート・グローサリー・ピックアップでは30ドル以上の注文で手数料は無料となる。

ウォルマートはパーソナル・ショッパーを4.5万人雇用し、グローサリー・ピックアップを3,000店近くまで展開しているという。年内には3,100店に拡大予定だ。

 カーブサイド・ピックアップや宅配サービスなどネットスーパーついてウォルマートでは客単価が2倍になっている。ウォルマートCMOでエグゼクティブ・バイス・プレジデントのスティーブ・ブラットスパイズ氏は今月4日、ゴールドマン・サックスがボストンで開催した会議で「(カーブサイド・ピックアップや宅配サービス)で食品を購入する客単価が通常の約2倍」と発言したのだ。

 宅配サービスに定額制のサブスクリプションを導入することで囲い込みを促進しながら、客単価と買い物頻度をアップするということになる。

トップ画像:当社IT&オムニチャネル・ワークショップで行ったウォルマートのカーブサイド・ピックアップ・サービス「ウォルマート・グローサリー・ピックアップ(Walmart Grocery Pickup)」。デリバリー・アンリミテッドもグローサリー・ピックアップのオペレーションを延長したものだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アメリカ市場での「客の売り場離れ」「お客の店離れ」は日本ではあまり知られていません。なぜなら日本では不都合なことがあるからです。流通の専門メディアはお客さんとなる読み手は流通ビジネスマン。彼らの多くが店舗、つまり売り場を中心にした商売を行っています。そんな彼らに「これからの流通では売り場にお客は来ない、来店は期待できない」とは喧伝できません。でも日本より5年~10年進んでいるアメリカではチェーンストアの多くが不良資産となり、チェーンストア理論がすでに崩壊しています。なぜならデジタルシフトで売り場の客離れが起こっているからです。チェーンストア理論の大前提となる「お客は店(売り場)で買い物をする」が崩れています。しかもそれをチェーンストア理論で世界一の小売業となったウォルマートがチェーンストアの無効化を行っているのです。ご存知の通りウォルマートは社名からストアーズを取り除きました。

⇒カーブサイド・ピックアップや宅配サービスのネットスーパーを急拡大し、エントリー記事にあるようについには食品宅配サブスクリプションのデリバリー・アンリミテッドを全米へ展開するのです。宅配サービスの定額制となれば利用者はもとを取るためにお店で買い物するより宅配をより多く利用します。買い物頻度が高くなるだけでなく、ウォルマートCMOが明かしたように客単価も飛躍的にアップします。ネットスーパーの利用で客単価が店買いよりも大幅アップする理由は一つにはビールなどこれまでカートに乗せるのも一苦労していたかさばって重い商品も購入しているからだと思います。ビール24缶入ったケースの重さは18ポンド(約8キログラム)にもなります。ビール瓶24本なら最大20キロ近く。ビールに限らず炭酸飲料からワインまでケース買いでは相当な重さです。売り場で購入するよりカーブサイド・ピックアップや宅配サービスしたほうが便利。例えば玄関で受け取る時「悪いけど、キッチンまで運んでくれる?」と頼めば運んでくれます。
 ウォルマートの週客数1.4億人のうち数%でもサブスクリプションサービスを利用するようになると、アメリカ市場に凄まじい影響を及ぼすことが予想できます。売り場離れがさらに進みますね。


「激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ」より転載
http://blog.livedoor.jp/usretail/

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