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【ウォルマート】アマゾン非エフェクトな好調ECにリアル店舗売上!激しく地殻変動?

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■ウォルマートが19日発表した第4四半期(11月~1月期)決算は、トイザラスの企業清算が追い風となり国内の既存店ベースが過去10年で最高の上昇幅となった。

会員費等を含む総売上高は1.9%増となる1,388.0億ドル。純利益は前年同期から69.5%の増加となる36.9億ドルだった。

 売上高の約6割を占める国内のスーパーセンターやディスカウントストアなどウォルマートUSの売上高は905億ドルと前年同期比4.6%の増加だった。

ウォルマートUSの既存店・売上高前年同期比(ガソリン販売は除外)は玩具売上が伸びたことで4.2%の増加となった。これにより2014年8月~10月期から18四半期連続で前年を上回っている。内訳は客数が17四半期連続となる0.9%の増加で、客単価は3.3%の増加。

ホリデーシーズンを含む第4四半期中で4.2%の増加は過去10年以上で最大の伸びとなっている。

 Eコマースはカーブサイドピックアップや宅配の対象店舗が増えたことも寄与し売上高が前年同期比43%増だった。サムズクラブの既存店ベース(ガソリン販売は除外)は3.3%の増加となった。客単価は3.1%の減少となったものの、客数は6.4%の大幅増となった。

サムズクラブの既存店ベースのプラスは12四半期連続となっている。ボピスとなるクラブピックアップを含むサムズクラブのECも21%の増加となった。

 通年では総売上高は5,144億ドル(会員費等含む)となり、前年から2.8%の増加となった。純利益は前年の98.6億ドルから32.4%減少し66.7億ドルとなった。

ウォルマートUSの既存店ベースは3.6%の増加、サムズクラブは3.8%の増加だった。

ウォルマート第4四半期(11月~1月期)
総売上・前年同期比:1.9%増
純利益・前年同期比:69.5%増
既存店・売上高前年同期比:4.2%増(ウォルマートUS)
ウォルマート店舗数(18年10月31日)
 アメリカ国内店舗数:5,352店
  スーパーセンター:3,568店
  ネイバーフッドマーケット:699店
  ディスカウントストア:388店
  小型店など:100店
  サムズクラブ:597店

 海外店:5,925店

 総店舗数:11,277店

トップ画像:ウォルマート・ピックアップタワーでネット注文品をピックアップするIT&オムニチャネル・ワークショップ参加者。スマートフォンのバーコードをかざした直後、女性の目の前に注文品が現れて参加者全員が感嘆の声を上げていた。Eコマースがウォルマートの店売上を支えているのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当ブログでは定期的に「ウォルマートで行うべき10のコト」をアップデートしています。ウォルマートの視察では売り場を見るだけでなく実際にECやIT等を使った買い物を試みながら、カスタマーエクスペリエンスの視点でIT武装化するウォルマートを探るのです。ウォルマートで行うITカリキュラムだけでも「グローサリー・ピックアップ」「ピックアップタワー」「ストアモード」「ストアマップ」「プライスチェッカー」「ARスキャナー」「ショッピングリスト」「ウォルマートペイ」「セービングキャッチャー」「イージーリターン」など10件にも上ります。大手メーカーが協賛した売り場で行う「ARゲーム」やウォルマートの研修センターで使われているトレーニングシュミレーターの「スパークシティ」、さらには失敗事例となった「スキャン&ゴー」を含めれば、アプリ等の解説に1時間以上を費やすことになります。

⇒巨大自販機のようなピックアップタワーも、眺めるだけではなく、実際にネット購入してピックアップするのです。IT&オムニチャネル・ワークショップ参加者がストアアプリにあるバーコードをかざした直後、目の前に注文品が現れます。利便性やスピード感に必ずと言っていいほど感動の声が上がります。こういったIT投資が今のウォルマートの売上の伸びを支えていることが理解しやすくなります。見るのと体験するのでは納得感が大きく異なります。また大手チェーンストアなど当社のクライアント企業によっては、ウォルマートで商品サンプルを大量購入する場合もあります。その場合も「ストアモード」から「ストアマップ」で売り場を検索し、「ARスキャナー」で商品を選び、「プライスチェッカー」で店価格を確認し、商品バーコードで「ショッピングリスト」を作成します。参加者への試食品購入も、ストアアプリとレジを同期させて「ウォルマートペイ」で支払いを行います。その直後に「セービングキャッチャー」です。
⇒さらにアプリを使った「イージーリターン」で、なんと返品せずに返金するプロセスも店内で行います。IT武装するだけでなく買い物がシームレスになっていることに参加者は感銘を受けるのです。ワークショップでは感動させるだけでなく実際に問題点を見せてソリューションを考えてもらうこともあります。カーブサイド・ピックアップの「グローサリー・ピックアップ」では、アプリにある決済直前の注文ページを見てもらい「代替品」問題に触れます。ここまで読んでもらうとわかりますが、これまでの旧態依然とした、売り場を見て回るだけではわからない変化を体感するのです。言い方を変えれば売り場の展示方法を見るだけでは、ウォルマートの第4四半期・既存店ベースが過去10年で最高となったことは理解できません。企業清算したトイザラス要因の他に、直近の決算では明らかにECが店売上を伸ばしています。単にECだけでなくアプリを使ってシームレスなショッピングを提供していることも理由です。
 ウォルマートの決算は競合アマゾンを忘れたかのような好調さでした。「アマゾン非エフェクトな伸びは、売り場だけでは説明がつかない」ということを強調したいと思います。激しく地殻変動なウォルマートです。


「激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ」より転載
http://blog.livedoor.jp/usretail/

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