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葉 建興 rss

ライター一覧

外交問題研究家

戦後初の「国家戦略」 積極的平和主義で連帯を

 安倍政権が戦後初ともいえる国家戦略を打ち出した。2013年12月17日にNSC(国家安全保障会議)を開き、外交・安全保障政策の柱として「国家安全保障戦略」が閣議決定された。それは「積極的平和主義」の採用決定だった。積極的平和主義は国際協調主義と法の支配(Rule of Law)という価値観に支えられる。「積極的平和主義」は戦後初めて日本政府が提示した国家戦略であり、画期的なことであり、極めて重要な意味を持つ。

 日本は戦後一貫して消極的平和主義といえる政策を選択したと言える。一方、冷戦終結後、戦争や紛争は急速度で増加している。今の日本には、独立国としての当然の責任、即ち、自分の責任と判断で平和と安全を創り出し、その上に繁栄を創り出すことが要求されている。

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香港に及ぶ共産党支配 国際法を守らない中国

 2014年9月27日より始まった香港民主派のデモは12月11日、警察の強制排除で終了させられたが、重大なメッセージを世界に発信した。

 中華人民共和国は、“極少数の共産党リーダーが憲法と法律を支配”する“共産党の支配”を信仰する国家であり、当然、他国との条約や国際法も中国共産党が支配する。中国は“法の支配”という「自由と民主主義の伝統」を“敵の中の敵”としている。このことは、中国が「世界の平和秩序に貢献する国家」になれるどころか、逆に、信念をもって紛争や戦争を起こす国であることを意味する。

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民主主義国家の弱点 戦争に不向きな政治制度

 現在の日中関係は、第2次大戦直前の英独関係と似ている。民主主義の先進代表国家だった英国と海を隔てたヨーロッパ大陸に、ヒトラーによるナチス独裁国家が出現した。ヒトラーは世界支配の夢を持ち、極秘のうちに驚異的な軍拡を達成した。一方、英国はそれに比して救い難いほどお人好しな平和主義者であり、眠っていた。その弱気で妥協的態度がヒトラーの大胆な行動をもたらしたのだ。

 日本も世界公認の代表的民主主義国家だ。対岸のユーラシア大陸に強大な中国共産党独裁国家が出現した。中国は前年比10%以上の軍拡を20年以上継続し、習近平国家主席は政治・経済・軍・警察権力を一手に握り、統制を強めている。「中国の夢」を掲げ、力による世界支配に向かい前進している。

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軍事力を削減する米国 オバマイズムに備えよ

 オバマ米大統領は任期を2年以上残しているが、もうすでにレームダックと化している。しかし、同氏とその政権スタッフは自らの国防戦略の宣伝を開始したようだ。

 オバマ大統領は5月28日、ニューヨーク州の陸軍士官学校卒業式で演説し、「米国に直接攻撃がなければ、軍事力使用の敷居を上げる」、「外交や制裁や孤立化策を用い、国際法規に訴え、真に必要な場合も効果的で多様な軍事行動を最後の手段とすべきだ」、「幅広い軍事介入よりも外交努力や的(まと)を絞ったテロ対策に米国の資源を使うべきだ」などと訴えた。

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米国も力の対外政策を、問われる同盟国防衛の本気度

 自民党は集団的自衛権行使容認に向かうべく憲法解釈の変更に慎重派もほぼ同意したようだ。時を同じくして訪日したヘーゲル米国防長官も小野寺五典防衛相との会談で、この問題での日本政府の努力に強い「支持」を表明、さらには米軍イージス艦2隻を日本へ追加配備することを約束した。

 こうした米国の姿勢は表向き「対北朝鮮ミサイルのため」だが、核心は対中戦略にあることは明らかだろう。

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