
昭和8年(1933年)、神奈川県で教育者の家に生まれ。(故人)
慶応大学文学部を卒業し、慶応義塾中等部、嘉悦学園に勤めた後、祖父が創設した郁文館学園中・高校で社会科を教え、同学園校長に就任、理事長、学園長を務めた。また、東京・文京区教育委員、慶応三田教育会会長、全国商業高等学校校長協会副理事長などを務め、退職後も文京区昭和小学校運営連絡協議会委員。教育評論家。
効果でない小学校英語 国語力と教師の質高めよ
今日、世界は地球的規模で物事が運ばれている。その中で活躍するであろう若者への英語教育が必要なのは当然であるが、このような課題に現在英語教育が果たして応えられているかといえば「スキル」「コミュニケーション」「言語力」という本来の機能を果たしているようには思えない。
中学・高校・大学という長期間の学習にもかかわらず、英語を本当に理解できず、思うように話すことも聞くこともできないのはなぜか。中学から高校に掛けての英語教育に問題があるのではなかろうか。生きた英語でなく死語的な役に立たない英語、そして受験のための英語と、英語を好きにさせることより、嫌いな生徒を量産しているように思われる。その証として多くの者が英語コンプレックスを持っていることである。

守りたい伝統行事 心の教育に良いお正月
伝統や風習、歳事や儀式が年ごとに薄れて行く昨今、年頭を祝う日本古来の「正月」行事の陰が薄くなってしまった。
時代と共に移り変わることは仕方ないが、寂しい。
正月はもともと、「年の神」を家へ迎え、豊作を祈る「神聖な日」で、大晦日(みそか)までには身も心も清めておかなければならなかったのです。

道徳教育は教育の根幹 親、学校、地域で連携を
高度経済成長を担う人材の量産に努めた戦後社会が求めたのはあらかじめ備わったマニュアルを素早く、正確に理解し、実践できる粒ぞろいの人材だった。それには、画一的な内容を一斉に、かつ大量に教え込む教育システムが有効であった。たしかに日本の戦後発展に貢献した。
しかし、戦後教育は、一番大切とされる、徳育教育が軽視されその結果、個々人の心豊かな人生の構築にも、充実した社会生活の形成にもつながらない中身の乏しい人間を育てたのではなかろうか。
