
大正10年(1921年)福岡県生まれ。外交・防衛・軍事評論家。昭和17年陸軍航空士官学校卒業。昭和53年航空幕僚長。昭和54年統合幕僚会議議長。現在、評論家として評論・執筆活動
「力無き正義は無効」の危機
軍事評論家 竹田 五郎
国力とは、国が保有する自然、国民、軍事力、技術力、経済力等種々の力の総合である。国が国際関係において紛糾し、命運をかけようとする緊急事態において、軍事力は最大の影響力を持つ。軍事力の評価はその質、量によるが、軍事費によって概ね判断できる。

靖国参拝問題解決のために
軍事評論家 竹田 五郎
昨年末、安倍総理の靖国神社参拝について、中・韓両国は「日本帝国主義復活への道を開くためである」として、安倍総理を強く非難した。一方、同盟国米国の政府も「失望した」と、反対を表明した。これに対し、総理側近の衛藤補佐官は「米国の対応に失望した」と失言し、日米間の意思疎通も円滑を欠いていた。2月17日、ロイス米下院外交委員長(共和党)ら超党派議員団は、安倍総理らと会談した。日米国会議員連盟の日本側会長中曽根弘文氏は、靖国参拝は「不戦の誓い」という真意を説明したが、ロイス氏は「中国を利するのではないか」と、懸念を伝えた。なぜ中国を利するのか理由は不明だが、参拝反対の意思を暗示したものと推察できる。

自主防衛を目指すべき情勢
軍事評論家 竹田 五郎
米経済誌「フォーブス」今年の「世界で
最も影響力のある人々」の番付によれば、オバマ米大統領は2位に降格した。シリア化学兵器対策、情報機関の盗聴や、財政窮迫によるデフォルト危機などで、既に「レームダック、オバマ」との声もある。わが国でも同大統領の安全保障政策に対する指導力不足を憂慮する意見も散見される。

国防意識と防衛力の増強を
軍事評論家 竹田 五郎
米国議会上院は7月29日、東シナ海や南シナ海での中国の無法な威嚇行為を非難する決議を全会一致で採択した。決議は「米政府は、尖閣の日本の施政権を害するいかなる一方的な無法行為にも反対している」と指摘し、尖閣が、日米安保条約に基づく対日防衛義務の対象であることを明記した。議会が政府に同調して、尖閣防衛を明示したことは、中国に対し抑止効果を及ぼすであろう。
