
昭和16年(1941年)、広島県生まれ。東京大学教育学部卒業、同大学教育学研究科修士課程修了。現在、教育研究者。主著は『日米開戦以降の日本外交の研究』『日本の宗教教育と宗教文化』など。
道徳教育教科化と今後の課題
教育研究者 杉原 誠四郎
道徳教育の教科化が実現に向けて準備が進んでいる。本年3月学習指導要領の一部が改訂され、従来の教科書になかった「道徳の時間」が、教科書のある「特別の教科である道徳」に改められ、そして9月には教科書検定のための教科書検定基準を告示した。

窒息させられた戦後宗教教育 新しい歴史教科書をつくる会会長 杉原誠四郎氏に聞く(下)
杉原誠四郎氏に聞く(上)へ
憲法における政教分離の原則の適応の仕方が課題になる場面の一つが教育である。教育基本法は宗教教育における「寛容の態度」を掲げているが、公教育の教育現場では宗教教育に後ろ向きで、歴史的な宗教文化の蓄積を生かせないでいる。こうなった歴史的経緯を、教育史にも詳しい杉原誠四郎氏に伺った。(聞き手=フリージャーナリスト・多田則明)
憲法学者が誤った解釈/新教育基本法で突破口も

震災復興の阻害要因になる 新しい歴史教科書をつくる会会長 杉原誠四郎氏に聞く(上)
杉原誠四郎氏に聞く(下)へ
震災復興の被災地で、自治体が整備した移転促進区域には、政教分離の原則から、寺社や墓地などの宗教施設は含まれないため、宗教文化と共にある地域共同体が崩壊しかねない事態が発生している。日本の宗教文化において政教分離をどう適用すべきか、近現代史に詳しい杉原誠四郎氏に伺った。(聞き手=フリージャーナリスト・多田則明)
復旧対象から除外される墓地/保護されるべき祭祀

「道徳」検定教科書導入に思う
教育研究者 杉原 誠四郎
中央教育審議会の道徳教育専門部会が去る8月7日、特別な教科として「道徳」を設置し、検定教科書を導入する方針を明らかにした。道徳教育の教科化は政府の教育再生実行会議で昨年2月提言されていたことで、中央教育審議会としてはやっと重い腰を上げたということだろう。

「靖国参拝」への国際理解を
教育研究者 杉原 誠四郎
昨年末、12月26日、安倍政権発足から1年になるこの日、安倍首相は靖国神社に参拝した。韓国、中国が早々に異論をはさむのは織り込みずみだが、アメリカ政府も公式に「失望した」と表明したのは意外であった。

大改善を要する教科書採択
教育研究者 杉原 誠四郎
平成18年教育基本法が全面改正された。平成20年にはそれを受けて学習指導要領も改訂された。その下に制作され平成24年度より使用される中学校の教科書は大幅に改善されるものと思われた。特に歴史・公民教科書は教育基本法改正の意図をまともに受ける教科書であるから、改善は大いに期待された。

TPPで自給率維持の主張を
教育研究者 杉原 誠四郎
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉が最終段階を迎えようとしている。もっとも、アメリカのオバマ大統領が予定していたインドネシア、ブルネイへの訪問を取りやめ、TPP首脳会議に欠席したので、年内妥結の可能性は遠のいているようだ。
そうしたなかで、日本では聖域として考えられてきたコメ、麦、牛・豚肉などの農畜産物について聖域扱いにできない雰囲気が芽生えつつある。
