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乾 一宇
乾 一宇
ロシア研究家
茅原 郁生
茅原 郁生
中国安全保障
杉山 蕃
杉山 蕃
元統幕議長
上岡 龍次
上岡 龍次
戦争学研究家

新田 容子 rss (安全保障)

ライター一覧
新田 容子

日本安全保障・危機管理学会上席フェロー。インテリジェンスおよびロシア担当。2016年2月まで防衛大学客員研究員。米、英、仏、独と連携するサイバーG5(知的所有権窃盗等)専門家会合の委員。仏CNAMセキュリティ防衛リサーチセンター上席フェロー。

軍事演習が示す中露関係

 9月初旬にモスクワからシベリア地方で行われたロシアの軍事演習「ボストーク2018」は、特筆すべき点が二つある。一つ目は30万人もの兵士が参加した冷戦以来の大規模なものであったこと。二つ目に初めて3200人もの中国人民解放軍を招き入れ、実質的に露中合同の軍事演習であったことだ。過去においては、例えばベラルーシなど正式な軍事同盟を結んでいる国との合同演習が常だった。

 また、同時期にウラジオストクでは東方経済フォーラムが開催されていた。習近平国家主席も出席、今年3回目のプーチン大統領との会談を行った。中国はこのたび、1000人を超える圧倒的人数でプレゼンスを見せ、ちなみに日本側からの参加者数はこの半分であった。

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ロシアのサイバー連携の狙い

 現在、世界は情報通信技術(ICT)の深化により社会的・経済的に新たなチャンスが生まれ、巨大市場が生まれつつある。同時にICTが国家間の権力闘争、安全保障の新たな火種にもなっている。

 中国の習近平国家主席は、人工知能(AI)に巨額の予算と人員を投じて2030年までに世界のリーダーになる戦略を打ち出した。ロシアのプーチン大統領は「AIを制覇する国が世界を制覇する」と公言し、安全保障政策でも国家のピラー(柱)とすることを示している。

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強まる北朝鮮サイバー戦力

 現在、全ての目が12日に開催予定の米朝首脳会談に注がれている。米国側は、検証可能で不可逆的な核放棄を北朝鮮側に強く求めているが、ポイントは核廃棄の検証とその達成方法だ。北朝鮮が核実験施設を閉鎖すると表明したことは歓迎すべきだが、世界は今後もサイバースーパーパワー国である北朝鮮が「核を放棄したとしてもサイバー攻撃はやめない」という現実に向き合わねばならない。

 米国やその同盟国に対する北朝鮮の大規模な破壊力を持つサイバー攻撃力は、核同様、手塩にかけて育ててきた最も重要な国家資産だ。トランプ政権が金正恩労働党委員長に非核化を促せば促すほど、金政権はサイバー兵器に固執する。米朝首脳会談をはじめ、今後の協議次第では地域を不安定化させる力を誇示するツールとして活用させるだろう。

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ロシアの反射的制御戦略に対策を

 現在、トランプ米大統領を最も危惧させているのは、元連邦捜査局(FBI)長官のロバート・モラー特別検察官による捜査であろう。中露の構想である朝鮮半島の非核化、米中貿易摩擦の激化、プーチン政権が支援するシリアの化学兵器疑惑、英国での元ロシア情報員暗殺未遂事件よりもはるかに。

 モラー氏はトランプ政権とロシアの結託についての調査を行っている。トランプ氏の脅しにも屈しない海兵隊出身の高潔なモラー氏は、ロシアの米国大統領選挙への介入、トランプ氏のロシアビジネスでのマネーロンダリングに関与した疑い、同氏の司法妨害、加えて同氏の個人顧問弁護士であるマイケル・コーエン氏の事務所をFBIが捜索するなど、淡々と手法を発揮しているように見える。今年11月に控えた中間選挙までに米国民が正しい審判を下せる決定的な材料を打ち出せるだろうか。

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過熱する情報戦争 露の意図的なサイバー攻撃

 現在、ロシアを含め、政治的、法的、メディア、インテリジェンス、心理的かつサイバー戦争といった手段を利用することにより、自国の戦略目標を達成すべく、重要な情報戦争能力を高める国が目立つ。

 本稿ではロシアの歴史にも触れつつ、サイバーオペレーションの現在の状況について考察を述べたい。

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北朝鮮のサイバー戦 違法な通貨獲得の手段に

 北朝鮮の弾道ミサイルに対抗するため、小野寺防衛大臣は、日米が共同で開発する新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」搭載の「イージスアショア」(陸上型イージス)の導入を決断、この19日にも閣議決定される見通しだ。政府関係者によると、2基配備すれば、日本列島全体をカバーできると想定している。

 かたや、北朝鮮からと見られる木造の漂流船が急増し、厳しい悪天候の中でも苦しい食糧事情により国から指示を受けての中、漁を行っているという。そして北朝鮮は7000人以上とも言われるサイバー軍を抱え、ビットコイン(ネット上の仮想通貨)のマイニング(採掘)にも着手し、今年5月に世界が被害を受けたランサムウェア<Wanna Cry>との関連があるとされる。

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中国のサイバー脅威 経済スパイで技術革新達成

 2015年に中国当局が示した今後10年における製造業の発展のロードマップ「メイド・イン・チャイナ2025」の主目的は、中国の知的財産権保護にある。当計画は電気自動車、ロボティクス、半導体、人工知能などの分野に焦点を当てている。中国に進出している外国企業に、より多くの技術を引き渡すよう強要し、現地企業がその技術に基づいて新製品を作ることを奨励することによって、中国の指導者たちは、重要な分野で国の優位性を固められるよう望んでいる。また、将来の技術発展の条件を指示し、中国製の技術を使用する外国企業からライセンス料を引き出せる機会を窺(うかが)っている。

 今年4月に米国通商代表部は、中国による貿易機密の窃盗、オンラインでの海賊行為横行の容認や偽造品の輸出を含む広範な侵害活動を非難した。トランプ大統領は、窃盗および米国企業から技術移転を強要した中国の状況への捜査を承認した覚書に署名した。

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ロシアゲートで見る米露 板挟みになるトランプ氏

 先日トランプ大統領は自身のツイッターで、ロシアが昨年の米大統領選に介入した疑惑、いわゆるロシアゲートに基づき、新たな経済制裁を課したことを受け、米露関係が歴史上危険な状態にあるとつぶやいた。米露関係を史上最低にしているのは議会に責任があると非難し、トランプ自身はしぶしぶ制裁法に署名した。

 明確にしておくべきは、国家間における大きな可能性を含んだ将来的な関係は政策ありきだが、プーチンとトランプをつないでいるのはあくまでも政治であり、もっと言えばレトリックということだ。トランプにとってプーチンは当初から自身の政治を推し進めていくための、いかにオバマ・ドクトリンを覆せるかの挑発的なシンボルであり、プーチンにとってトランプはヒラリーとは真逆にある、ロシアの影響や政策を強化するための担保としての存在だ。

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NATOのテロ対策の役割 サイバー戦含め再構築を

 今月3日のロンドンブリッジでのテロ事件のわずか2週間ほど前、同じく英国のマンチェスターで「イスラム国」(IS)によるテロ爆破事件が起きた。強い指導力を謳(うた)うメイ首相の下ながら、今年既にテロは3回目だ。

 ちょうど、トランプ米大統領の中東及び欧州訪問の時期と重なり、米国歌手のコンサート会場で起こったことから、米英両国に対する攻撃とも言えよう。英国は欧州との分断を回避し、国家の安全保障を担保するための厳しい議論を重ね、8日の総選挙を控えた時期でもあった。

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北朝鮮めぐるサイバー戦 エスカレートする報復

 北朝鮮の核武装の脅威で日米韓が揺れている。

 韓国内に米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備を決定し、トランプ大統領は4月2日付の英紙でのインタビューで、「中国が北朝鮮に圧力を掛けることに協力しない場合でも、米国は北朝鮮の核の脅威に単独で完全に対応することが可能だ」と述べた。

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ロシア・NATOの緊張 問われるインテリジェンス

 2017年の幕開けは、自由でグローバルな国際秩序に対する揺さぶりから始まった。市場の変革のみならず、安全保障、外交政策にかかる国際政治の在り方についてスピーディーな対応を余儀なくされている。各界ともこの大変動の中、緊急の決断を日々迫られている。

 昨年末に米外交問題評議会が挙げた今年2017年におけるコンフリクトが起きる可能性リストのトップは、NATOとロシアとの関係である。具体的にはバルト諸国およびシリアにおけるNATOとロシアとの軍事衝突、14年に勃発したウクライナ問題に対する双方のエスカレーション、そしてサイバー攻撃が列挙されている。

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日露首脳会談の結果 領土譲らず実益得るロシア

 60年前の1956年の日ソ共同宣言以来、冷戦時代の歴史が未(いま)だアジアにつきまとっている。

 安倍首相が15~16日に臨んだプーチン大統領との今年4回目の首脳会談は、日露間の膠着(こうちゃく)状態が続く中、互いの政権が安定している今こそ、長きにわたる北方領土問題に一定のけじめをつけるもくろみであった。

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ロシアとの戦略的対話 新関係は潔い4島返還で

 プーチン大統領の今年12月の来日が決定し、北方領土問題かつ今後の日露平和条約交渉の展開に我が国では大きな関心を呼んでいる。戦後70年以上たった今、両国の打開策に期待が集まる。

 ロシアは冷戦後、「疑念」と「トラウマ」の時代を過ごしてきた。プーチンが政権を取って以来、国内外において帝国ロシアの栄光の再建を狙っている。結果、ロシアはクリミア侵攻以降、欧州連合(EU)による経済制裁が原因だけではなく、直近ではシリア停戦停止でますます国際社会で孤立に追いやられている。

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サイバーで産業狙う中国、南シナ海判決ではフィリピンを攻撃

日本安全保障・危機管理学会主任研究員 新田容子氏に聞く

中国は南シナ海、東シナ海で力による現状変更を行い、サイバー戦もしている。ハイブリッド戦争とみることはできるか。

 中国は米国からも我が国からも防衛や軍事だけでなく経済も貿易も機密をどんどん抜いている。係争国のフィリピン、ベトナムなどにもサイバー攻撃を行っている。しかし、専門家たちはハイブリッド戦争とは捉えていない。

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電力止めたサイバー攻撃、集団防衛もNATOは一枚岩になれず

日本安全保障・危機管理学会主任研究員 新田容子氏に聞く

北大西洋条約機構(NATO)加盟国にサイバー攻撃が頻発している。

 サイバーは、ハイブリッド戦争のいわゆる軍事行動でもコンフリクトを起こす導入として利用される。最近のドイツ連邦議会、フランスのテレビ局、ウクライナの発電所への攻撃をドイツ連邦憲法擁護庁はロシア側によるものと断言した。ウクライナ侵攻以来、バルト3国、東欧への攻撃が目立つ。

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NATO首脳会議の焦点、 狙われるバルト3国の一角

日本安全保障・危機管理学会主任研究員 新田容子氏に聞く

 ロシアの仕掛ける「ハイブリッド戦争」、中でもサイバー攻撃への対策が北大西洋条約機構(NATO)の懸案となっている。7月の首脳会議後、9月中旬に行われるNATOの会議でハイブリッド戦争についてプレゼンテーションする日本安全保障・危機管理学会主任研究員の新田容子氏に聞いた。 (聞き手=窪田伸雄)

ハイブリッド戦争とは何か。

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NATO・リトアニアの事例 対ロシア情報戦略を見直せ

 今、世界は情勢の変化に限りなく翻弄(ほんろう)されている。事が起こって分析を急ぐのが精一杯であり、先手を打てずにいる。

 戦略の練り直しを迫られている北大西洋条約機構(NATO)の動きおよびリトアニアのサイバー動向を取り上げ、我が国への示唆としたい。

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エストニアのサイバー防衛 小国のデジタルイノベーション

 現代、コンフリクトが起こるところにサイバーオペレーションあり、といっても過言ではないだろう。

 今日の戦いでは、サイバーパワーを発揮することで、小国でもタイミングを見計らい、意表を突くことで、大国である敵側の脆弱(ぜいじゃく)性を突き、混乱させることができる。脆弱性を突くことで相手側の軍事力をそぐだけではない。大国であろうとも金融機関、公的機関、あるいは交通管制センター等をサイバー攻撃されるとデータの窃盗のみならず、人体に損傷を与えかねない大変な事態に陥る。

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アップル・FBI論争 官民に課題残すテロ対策

 米国で昨年末に発生したテロ事件の犯人の1人が持っていたiPhone(アイフォーン)のデータにアクセスできるよう、米連邦捜査局(FBI)がロック解除を求めるという事態が物議を醸している。アップル(Apple)の最高経営責任者(CEO)、ティム・クック(Tim Cook)氏は2月に「米国政府はアップルに顧客のセキュリティを脅かす恐れがある前代未聞の一歩を踏み出すよう要求、我が社は拒否した」と声明を出した。

 司法省の要求により、リーガルマルウェアを仕掛ける試みは未だに米国政府内でもコンセンサスが得られていない。その後、イスラエルの企業がFBIにロック解除の技術を提供するも、後継機種には応用不可と当局は新たにアップル側に協力要請を継続している。

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ISのサイバージハード 政府、法執行機関、企業が連携を

 過激派組織IS(以下IS)の国家樹立宣言(2014年6月29日)から1年半以上が経過した。ISによるテロ攻撃は引き続き今年のグローバルリスクに挙げられている。

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防げなかったパリ事件 驚愕のISサイバー活用

 今年はパリのシャルリ・エブドを襲った連続テロ事件で幕が明け、「イスラム国」(以下IS)によるパリ同時多発テロにより、グローバルな安全保障のあり方が劇的に変わろうとしている。

 米国でのISに関連する大規模なテロ事件で、銃規制の議論が再燃し、来年に向けた米大統領選でのテレビ討論では、テロ対策としてイスラム教徒の米国入国を禁止する政策についての議論が白熱している。

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海外サイバー戦争動向 “戦闘”能力を蓄える各国

 この数年、我が国のサイバーセキュリティーの対応姿勢には2020年のオリンピック・パラリンピックの開催を見据えた著しい進化が見られるが、各国同様、脆弱(ぜいじゃく)性の解決にはいたっていない。日米防衛協力の新たな指針内容は、日米の相互防衛がサイバー空間にも拡大することを含んでいる。サイバー空間における日米の相互防衛のあり方は、安保新法制をめぐる憲法解釈の見直しで自衛隊の役割や自己防衛の範囲の再定義にも関わる。

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