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井上 政典
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中村 仁
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高橋 富代
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長谷川 良
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中岡 弘 rss (コラムニスト)

ライター一覧
中岡 弘

1956年(昭和31年)島根県に生まれる。大阪大学文学部を卒業後、渡米し、神学大学院で宗教教育学を学ぶ。著述家。

「病は市に出せ」

 「病は市に出せ」

 この印象的な言い回しは、『この島の人たちは、人の話を聞かない』(森川すいめい著)に出てくる言葉です。副題が、「精神科医、『自殺希少地域』を行く」とある。精神科医、森川氏が国内で自殺率の低い地域5カ所を、「そこがなぜ低いのか」をテーマに、バックパッカーとして現地探査したエッセイです。

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キレる妻に、怯える夫

 今年6月のことだが、NHKが複数の番組で、「キレる妻たち」を続けて放映した。キレる妻たちの真向かいには、「怯える夫たち」がいる。世の変化だろうかとは思いながら、深刻な思いになったのです。

 夫に対する妻の不満で最も多いものが、「夫が自分の気持ちを理解してくれない」(26.9%)。それに対して、「仕事ばかりで家のことをしない」は、わずか8.3%に止まっています。総務省の調査によれば、妻の家事・育児時間の平均が1日4時間12分なのに対して、夫はわずか24分。共働きであれば、これではあまりに不公平。妻が怒らないほうがおかしい、とも考えられます。ところが、妻の不満の第一はそれではない。自分の気持ちに関心を持ってくれないというところに、最大の不満があるというのです。

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「心臓に穴のある赤ちゃんは、いらない?」

 『「いい質問」が人を動かす』(谷原誠著)の中に、こんな実話が紹介されています。

★★★

 初めての子どもが生まれたばかり。母親になった喜びに浸っている女性に、主治医が告げます。

 「お子さんの心臓に穴があります」

 母親は一瞬にして奈落に落とされた気持ちになり、夜になると、一人、こっそりと新生児室に行ってみる。

 「あの子を育てていけるだろうか? 命は助かるだろうか?」

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「同時性の解消」―宅配業者を救う道

 Amazonを中心としたネット店舗の隆盛によって、商品を配る宅配業者が音を上げる状況となっている。

 宅配員負荷を減らすために、配達指定時間帯を変更したり、文字通り、運送料金の「値」を上げざるを得ない。

 しかし、このような対応だけでは問題の根本解決にはならない。問題の根本は「同時性」というところにあると、『宅配がなくなる日』の著者ら(松岡真宏、山手剛人)は述べています。

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「私、親不孝な人は嫌いです」

 朝、出勤前にNHKの朝ドラ「ひよっこ」を見ることが多い。

 主人公の矢田部みね子は1960年代の後半、北茨城から集団就職で東京に出て働く「金の卵」。所謂「団塊の世代」です。

 最初、ラジオ組み立て工場で働くが、不況のあおりを受けて倒産。

 行く当てのなかったみね子を拾ってくれたのが、以前から馴染みのあった洋食屋「すずふり亭」でした。

 みね子にはこれといった特技はない。これといった大きな夢もない。

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「私には何もない、だったら戦おう」

 先般、知人を介して韓国人男性と会った。年の頃は40代半ば、私より一回り若いが、彼の話してくれた軍隊時代の体験談が印象的でした。

 韓国には兵役義務がある。彼は特殊部隊に配属されました。心身ともに優秀だったのでしょう。それでも、若干20歳です。

 行軍訓練も、一般兵が100キロ程度なのに対して、特殊部隊は400キロ。一旦有事の際には、誰よりも早く出動し、戦闘の最前線に立たねばなりません。

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「でも、私のロバだわ」

 「酔ってるの?あたしが誰かわかってる?」「ブーフーウーのウーじゃないかな」

 これは短歌です。そのつもりで読めば、字数がぴったり合っていることが分かります。  この歌の作者、穂村弘のことを教えてくれたのは大学卒業したての息子。

 「そんな歌人がいるのか」と反応すると、やや冷ややかな息子の視線を受けました。

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「私はなぜ判定で負けたのか」

 ロンドン五輪の金メダリストボクサー、村田諒太はその後プロに転向し、これまでに13戦して、この前5月20日の試合で初めて敗れた。対戦相手はミドル級1位のアッサン・エンダム。

巷間 「不可解な判定負け」 というような評が飛び交っています。

 12ラウンドの長丁場。手数では相手に及ばなかったが、2度までダウンを奪った。しかし結果は、3人の審判が判定して1-2で敗れた。

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金星人が火星人に「イエス」と言わせる方法

 米国の著名な心理学者ジョン・グレイ博士は、「男は元火星人、女は元金星人」と言っています。

 もとよりこれは比喩的な表現であって、男性と女性はそれほどに考え方も感じ方も違うということです。それほどに違う男性と女性が長い歴史の中で絶えず結婚しながら夫婦となり、営々として家庭を作ってきた。それは、違うことによる妙味があるからに違いない。妙味というのは、愛であり、喜びです。

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「自分の人生として」機嫌良く生きる

 ある雑誌のインタビュー記事で、スポーツドクターの辻秀一さんが、パッチ・アダムスの言葉を引用して、面白いことを言っています。

 パッチ・アダムスという人は、「ユーモアによる治療が重要」という自説を実践した人で、ロビン・ウィリアムス主演の映画「パッチ・アダムス」でご存知の方も多いでしょう。

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頼りになるイクメン

 3歳と1歳の子どもがいる若い夫婦。最近3歳の息子がご飯をあまり食べなくなり、途中まで食べると、それを放って、お菓子を食べ始める。お父さんは仕事が忙しく、滅多に一緒の夕食卓にはつけない。大抵は、お母さんと子どもの3人の食事です。

 ちょっと前まではいい子で、お母さんの言うこともよく聞いて、ご飯を食べていたので、お母さんとしては、「どうしてお菓子ばっかり食べるようになったんだろう?」と腑に落ちないのです。

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「イクメン」の意外な危うさ

 「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」とも言うし、「喧嘩をするほど仲が良い」とも言う。うっかり他人の夫婦問題に首を突っ込むのは剣呑だと思っているのに、先日は知り合いの方の話に、つい乗ってしまったのです。

 ある婦人の話を聞いていると、「自分と夫は、感性が全く対照的」と言う。「どんなふうに?」と尋ねると、婦人は花が好きで、毎日きちんと水やりをすると、花が喜んでいるのを感じる。ところが夫ときたら、花が萎れかけていても、まったく無頓着。婦人が2、3日家を留守にしても、花に水をやろうという発想がないみたい。そんなふうに言うのです。

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「もちろん」の力

 地元の電気店に勤めるようになった息子が、時々面白いことを教えてくれることがある。

 先日は「『もちろん』という言葉には強い力がある。これをうまく使って厄介な場面を乗り切ることがちょくちょくあるんだ」と言うのです。

 どういう場面か、と聞くと、

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天賦の才

 英語では、生まれつきの天才を「gifted」と呼びます。日本語で言えば、「天賦の才」というのに近いでしょう。いずれも「天からの贈り物」という意味で、本人の努力というより、神様から賦与された能力です。

D.H.ロレンスの言葉に、 「Not I, not I, but the wind that blows through me」 という表現があります。

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怪力男の弱み

 あるテレビ番組に人気のプロレスラーが出演し、意外な告白をするのを見たことがある。彼はプロレスの世界では名をあげ、彼をまねる芸人もいるほどの強者だというのに、家庭に帰ると自分の居場所がないというのです。

 彼には妻と3人の娘がある。ところが、一緒に食事はしても、すぐに居心地が悪くなって二階の自分の部屋に上がるしかないという。彼は女4人の会話の中に入れない。半ば意図的に除け者にされるようです。「あり得るなあ」という気がします。同じ男としては、同情して余りある、侘しい話でした。

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「私の國語教室」今昔

 もう数十年も前、大学に入りたての頃、福田恆存の『私の國語教室』を耽読した時期がある。当時の私には難解な論理に悪戦苦闘する部分もかなりありながらも、日本語を愛する強い情念と筋の通った論理にとても引き込まれたものです。

 その主張を一言で言えば、「現代かなづかいの矛盾を明確にして、歴史的仮名遣いの持つ美しさと『語に随ふ』論理的一貫性を再認識せよ」というものでした。

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小林秀雄の愛着心

 昭和36年から54年の間に5回にわたって行われた、学生を相手にした講演と質疑応答の記録が『学生との対話』です。講演者は小林秀雄。話し言葉が元ですから、普通に著述された文章よりだいぶ読みやすいのですが、じっくりと染みこむような、彼独特の深みと面白みに満ちています。

 講演の中で小林は、自分が文章を生み出していくときの「秘密」を学生たちに教えています。小林が何かについて考えようとする時、最も重視しているものが何か。それは「私はそれを好むか」「私はそこに喜びを感じるか」ということなのです。

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より高い自己イメージの力

 『テレビは見てはいけない』(苫米地英人著)の中に、興味深い話があります。

 タイガーウッズといえば、歴代のプロゴルファーの中でも屈指、実績で見ても、かのジャック・ニコラウスなどと肩を並べる超一流。2000年前後の最盛期のゴルフを見れば、天才と言ってもいいでしょう。

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美しい情緒の力

 もうだいぶ前に亡くなった、天才数学者、岡潔先生について初めて聞いたのは、大学の先輩からでした。その先輩は何かの縁で、当時奈良に住んでおられた岡先生を訪ねてお話を伺ったことがあるというのです。

 話の合いの手に、先輩が、「宇宙の原理は……」などと、聞きかじりの知識を自分で悟ったかのように、つい差し挟んだところ、いろいろな質問に快く答えておられた岡先生が、俄かに恐ろしい剣幕で怒り始めたというのです。

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治者がまず食を断って死すべし

 キリスト教徒内村鑑三が選び出した「アダムのふつうの子孫」以上の日本人をもう一人。

 「私どもの同類であり同じ血を共有する、この人物の福音とくらべると、近年、我が国に氾濫している西洋の知とは、いったい何でありますか!」 (『代表的日本人』内村鑑三著)

 この人物とは、二宮尊徳です。

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「アダムのふつうの子孫」以上の日本人

 当今では、人間をアダムのふつうの子孫以上に描くことは、時代遅れとなっています。とくに、「神の恵みと啓示の外」にある異教徒となれば、なおさらであります。私どもは、我が国の英雄を神に祭り上げるといって、さかんに非難を浴びています。 (『代表的日本人』内村鑑三著)

 そう言いながら、キリスト教徒である内村は「アダムのふつう以上の子孫」と彼が見做す代表的な日本人を5人取り上げています。

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「負ける強さ」

 後出しジャンケンで、一つの実験をします。相手が何かを出した1秒後に自分が出すというルールのもとで、自分が勝つ手を出す場合。5回やると、5連勝できる確率は90%以上になる。

 今度は逆に、1秒後に自分が負ける手を出すようにします。するとおかしなことに、5回やって5連敗できる確率が50%くらいに低下するようです。私がやってみると、確かに、つい勝つ手を出してしまいます。

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挨拶とは修行である

 「挨拶の力」というものについて、私の観念を根底から揺さぶったエッセイがあります。禅宗の僧侶にして作家、玄侑宗久氏のエッセイ集『ベラボーな生活禅道場の「非常識」な日々』に収められた一つの体験談。出会ったのは6年程前です。

 玄侑氏が新米修行僧だった頃のこと。毎朝寺の広い庭を掃除していると、散歩しながらやってきては挨拶をする年かさの僧侶がいた。ところが、新米僧侶は掃除に忙しく、顔も上げずにろくな挨拶も返していなかった。

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