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森田 清策 rss

ライター一覧

昭和31年(1956年)宮城県生まれ。成蹊大学法学部卒業後、1982年入社。1991年から97年まで、ワシントン特派員。その後、政治部次長を経て、現在社会部長。

医療費40兆円突破、「薬に頼り過ぎた大きなツケ」

 国の概算医療費が昨年度、13年連続で過去最高となり初めて40兆円を突破した。高齢化の進展などで、医療費は今後さらに増大するのは必至。このままでは、医療制度の崩壊にとどまらず、財政破綻を引き起こす懸念も強まり、医療費抑制は喫緊の課題。政府は「高額療養費制度」の見直しなど対策を模索するが、安易に医療に頼る日本人の意識を変えることが必要との声も強い。 (編集委員・森田清策)

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元NHKアナの歪んだ家族観が議論を浅薄にした「プライムニュース」

 議論下手と言われる日本人でも、テーマが「家族」になると、訳知り顔に持説を開陳する人間が少なくない。家族と関わりを持たずに存在する人間は一人もいないのだから、成長過程での体験を基に、それぞれ家族について語るのだが、肉親との絆が心の平安につながっている、と家族に感謝する人、逆に家族関係をうまく築けずに親子でもしょせん他人、と割り切る人とに、大きく分かれるのが常である。

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故永六輔氏のテレビ批判「日本人を恥知らずにした」

 リオ五輪が終わったら、テレビをほとんどつけなくなったという人が多いのではないか。それだけ日本のテレビは見るに値しない番組を垂れ流している。唯一、ワクワクしながら見るのはスポーツ中継ぐらいか。その一方で、つまらないだけでなく、見ていて恥ずかしくなる番組が増えている。

 今年7月に亡くなった放送作家で、作詞家の永六輔は草創期のテレビづくりに関わった一人である。しかし、だいぶ前から活躍の場はラジオ中心で、特定の番組以外のテレビ出演を避けていた。

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原発事故から5年半の現実、深まる福島への差別

 東京電力福島第1原発事故からもうすぐ5年半が経(た)つというのに、福島の住民はいまだに風評被害に苦しんでいる。福島の食材を忌避する消費者は少なくないし、現地でのボランティア活動への誹謗(ひぼう)中傷もある。原発事故についての正確な情報や公平な判断が軽んじられているのだ。その一方で、反原発活動家たちの歪(ゆが)んだ言説が影響力を持っている。これでは、民主主義の機能を健全に保つことはできない。

 月刊誌9月号の中で、社会学者の開沼博の論考「福島をめぐる不毛な議論を乗り越えるために。」(「潮」)と、東京大学医学部附属病院放射線科准教授、中川恵一の「福島復興の壁 低線量被ばくの現実」(「WiLL」)は、正確な知識の啓蒙(けいもう)と、原発事故の政治利用の排除が福島復興のための重要課題であることを改めて示している。

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障害者殺人事件の“狂気”と社会の偏見を考えさせたNHK「日曜討論」

 7月31日放送のNHK「日曜討論」を複雑な思いで見た。テーマは「障害者殺傷事件 深層は」。相模原市の知的障害者施設で起きた大量殺人事件について、精神科医や犯罪研究者ら識者が討論したが、事件の背景にある重度障害者に対する容疑者の“狂気”は、社会の底流にある差別意識とまったく無関係とは言えないかもしれない、と考えさせられたからだ。

 まず、番組冒頭に紹介された視聴者の意見が衝撃的だった。

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相模原事件の再発防止策、退院後の支援強化で防げるか

特報’16

 神奈川県相模原市の障害者施設で起きた殺傷害事件から9日で2週間。元職員植松聖容疑者(26)は犯行前に措置入院になっていたことから、退院後のフォローアップが再発防止策の焦点になっている。しかし、そもそも措置入院や退院を判断する精神保健指定医の判断に疑念を生じさせる事例は少なくなく、そうした精神医療の実態を無視した制度の見直しは「筋違い」と危惧する声が出ている。 (編集委員・森田清策)

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「生殖補助」の進歩 「命の操作」にブレーキ必要

 米国では、大統領選挙になると、毎回、人工妊娠中絶の是非をめぐる論議が活発となる。「プロライフ」(生命尊重派)と「プロチョイス」(女性の選択権派)による長年の論争が4年に1度、さらに精鋭化するのである。

 ワシントン特派員時代、私は中絶クリニックをピケで封鎖するなど、時に実力行使も辞さないプロライフの活動に驚きながらも、中絶の是非がほとんど政治問題化することのないわが国と違い、この問題が大統領選挙の争点になるお国柄を新鮮に感じたものだ。

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皆保険制度の破綻を材料に高齢者の延命治療の意義を問うたNHK「クロ現」

 老老介護で心身共に疲弊したことが理由と思われる殺人事件のニュースが流れるたびに、「長生きも考えものだ」と思っている読者は少なくないのではないか。そういう筆者もその一人だが、13日放送のNHK「クローズアップ現代+」は、さらにその思いを強くさせる内容だった。

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来年度から使用の高校家庭科に「LGBT」初めて登場

 今年春に検定結果が公表された新しい高校教科書は、来年度から使用される。その採択作業が8月までの決定に向け進む。土教育の充実を求めた国の指針を受け、尖閣諸島や竹島などに関する記述量が増えて、近代史に関わる内容では偏向是正がみられるが、対照的なのは家庭科。初めて「LGBT」という言葉が登場するなど、伝統的な家族観を否定的に扱うなど偏向度を強めている。(森田清策)

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朝日新聞の「押し紙」、「経営の根本粉飾する」

 「Hanada」における長谷川煕と永栄潔の対談では、朝日新聞の「押し紙」問題も話題になった。押し紙とは、新聞社が発行部数を多く見せるために、販売店に買い取らせる新聞のことで、読者に配られることなく、古紙回収などに回される新聞のことで、日本の新聞業界の“闇”と言われている。

 朝日の記者が今年2月、公正取引委員会委員長の会見で、押し紙問題について質問し、それが週刊誌に取り上げられて話題となっている。質問した記者に取材した長谷川によると、2014年8月の慰安婦虚報の検証記事掲載以降、朝日は部数減が続くが、販売店を悩ませているのは、部数減よりも押し紙の方で、「毎日届く新聞のうち二、三割が押し紙だという」。

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テレビの政治報道 国民冷めて影響力失う!?

 参院選が公示された。「自公」VS「民共」という対決構造が明確なこともあって、メディアの選挙報道がいつになく熱を帯びているが、選挙報道が過熱すればするほど、その公正性をどう保つのかという課題はメディアの重要なテーマである。

 選挙におけるテレビの偏向報道の例として記憶に残るものに「椿事件」がある。1993年7月に行われた第40回衆院総選挙のあとに浮上したテレビ朝日の選挙報道をめぐる事件だ。

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LGBT概念広めたNHK、今度はその「枠を超えて」とマッチポンプ

 5月20日放送のNHKの特報首都圏のテーマは「あなたの中の“男と女”-LGBTの枠を超えてー」だった。「性的少数者」の意味で使われるLGBTは、今では頻繁にメディアに登場するようになったが、それを牽引(けんいん)してきたのはNHKである。その公共放送が今度は「その枠を超えて」とはいったいどういうことか。

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医療不信時代のがん対策、「食生活の改善」に説得力

 国民2人に1人が罹患(りかん)し、3人に1人の死因になるがんは、まさに「国民病」である。目覚ましい医療技術の進歩、豊富な新薬の開発で、検査・治療の選択肢が、かなり広がっているのに、患者は増え、闘病むなしく亡くなる人が減らない。

 しかも、年間40兆円を突破した国の医療費は2025年に50兆円を超えると予想されている。医療費の上昇は高齢化の影響が大きいが、現状を見れば、もしかしたら日本のがん治療は間違っているのではないか、と少なからぬ人が疑問を抱いているだろう。

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支援の“負”に目を向けて、懸念される過剰診断・投薬

市民の人権擁護の会 日本支部 代表世話役 米田倫康さんに聞く

 注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症、アスペルガー症候群などの発達障害者支援法の施行(2005年)から11年が経過した。今国会では、地域の支援体制強化など、支援拡充のための改正法が成立する見通しだ。しかし、同法については過剰診断、過剰投薬などの問題も指摘される。精神医療による人権侵害の監視活動を行う「市民の人権擁護の会(CCHR)日本支部」代表世話役の米田倫康さんに、同法の問題点などについて聞いた。(聞き手=森田清策)

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「LGBT差別禁止」の大義名分の危うさ考えさせたプライムニュース

 人権意識が高まった今日、「差別禁止」の大義名分に対して真っ向から反対する人はいないだろう。しかし、差別解消の具体論になると単純には結論は出ない。その典型は、いわゆる「LGBT」(性的少数者)問題だ。

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新たな自主ルールに制裁措置、検定中教科書の外部閲覧・謝礼問題

 教科書会社が検定中の教科書を教師らに見せて意見を聞き、謝礼を渡していた問題で、業界団体が再発防止のため、新たな自主ルール案をまとめ、文部科学省に提出した。現行ルールを厳しくし違反した会社への制裁措置も定めたが、競争が激化する中、現行ルールを形骸化させて失った信頼を回復するには、法令・規則遵守(じゅんしゅ)の徹底が必須だ。(森田清策)

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下重暁子 vs 金美齢 すべての家族断罪する独善

 NHKの人気アナウンサーだった下重暁子の「家族という病」が60万部を突破するベストセラーになったが、最近、書店をのぞいたら、「家族という病2」が積んであった。その少し前には、評論家の金美齢の「家族という名のクスリ」が発売された。同じ家族をテーマにしながら、「病」と「クスリ」という正反対の見方をする両人の人間性の違いはどこにあるのかと考えざるをえなかった。

 その金が「WiLL」6月号に、下重を一喝する論考を寄せている(「『家族という病』だなんて、下重さん、あなたはエライのね!」)。その中で、金は下重の家族観について「自分の家族に問題があったということだけです」とした上で、「しかし、自分が辛いからといって、他の家族のことまで『病』だと決めつけるのはどうでしょう」と書いている。

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TBS vs「視聴者の会」、「朝日」も加わるも劣勢の局

 保守系の月刊誌「WiLL」の花田紀凱編集長をはじめとした編集部がそれまでのワック出版からそっくり飛鳥新社に移籍して創刊した「Hanada」を手にして驚いた。赤を基調にした表紙のデザインが「WiLL」とそっくりで、引き継いだ連載も多かったからだ。同じ人間が編集するとなれば、大きな変化は期待できないが、保守系論壇が活性化するためには、どちらかが独自路線に挑戦することが必要だろう。両誌が今後どのような展開を見せるのか、注目したい。

 さて、今回は創刊を祝してというわけではないが、「Hanada」6月号に掲載されている文藝評論家・社団法人日本平和学研究所理事長、小川榮太郎の論考「TBSが犯した『重大犯罪』」を取り上げたい。と言っても、「WiLL」2月号の論考「テレビは新聞社のプロパガンダ機関か」(筆者は米カリフォルニア州弁護士ケント・ギルバート)の続報のようなものである。

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精子提供で出産するレズビアンの倫理無視に「NO!」と言わない日経

 同性カップルを「結婚に相当する関係」と認めて証明書を発行する、東京都渋谷区のパートナーシップ条例を施行してから4月で1年になる。これに合わせて、過去1カ月間は、いわゆる「LGBT」(性的少数者)に関する記事が目立った。その多くは、彼らの権利拡大を促す論調の記事だが、その中で、特に気になった記事がある。日経新聞17日付「かれんとスコープ」だ。

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放射線の低線量被曝、健康被害なく除染ムダ

 東日本大震災からまる5年を迎える時期と重なったことから、月刊誌4月号は「3・11」特集企画が多かった。「被災地が映し出す日本の歪み」(「中央公論」)、「東日本大震災 日本人の底力」(「文藝春秋」)などだ。

 だが、筆者には大きな不満がある。東京電力福島第一原子力発電所の事故後、月刊誌だけでなく、新聞、テレビが放射線の影響を誇張して伝えるなど、あれだけ大騒ぎしたのに、健康被害が顕在化していいはずのこの時期に、健康被害やそれについての報道姿勢を冷静に検証する記事が少なかったからだ。

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レズビアンがどう妊娠したのか説明を避けたNHKのLGBT特集

 最近のNHKを見ていると、「同性婚」の法制化に前のめりになっていると強く感じるが、その印象をますます強める番組があった。今月4日放送の「ニュース シブ5時」だ。

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婚姻制度の意義

 特集「家族の『逆襲』」を組んだ月刊「正論」3月号に、麗澤大学教授の八木秀次の「家族解体政策の流れを断ち切る『夫婦別姓・再婚禁止期間』最高裁判決」と、長崎大学准教授の池谷和子の「個人の自由を尊重するのもいいですが、子供のことを忘れないで」の二つの論考が載っている。

 共通するのは、夫婦同姓を「合憲」とした最高裁の判断が出たことを契機に、次世代を担う子供の幸福の観点から家族一体の重要性を説いている点だ。家族問題では最近、新聞・テレビの論調が夫婦別姓ばかりか「同性婚」まで容認するなど、個人の自由に偏った風潮を強める中、当人の幸福だけに目を奪われることなく、子供の幸福の実現と社会の発展にまで視野を広げた優れた論考である。

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元記者の朝日検証、思潮は「マルクス主義」

 朝日新聞社がいわゆる慰安婦に関する吉田清治(故人)の虚偽証言を報じ続けた問題を検証した第三者委員会が2014年12月、報告書を発表した。その報告書には、過剰なキャンペーン体質や運動体と一緒になる傾向が同社にある、とする複数の識者の指摘があった。

 要するに、朝日には左翼運動の一環で取材活動をする記者がかなり存在し、反体制・反国家勢力の機関紙に近い紙面作りをする体質が染みついていることを指摘したのだ。そんな報道機関では当然、事実は軽視されてしまうから、掲載した証言が虚偽だったと分かっても、それを反省する謙虚な姿勢は生まれてこない。

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