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森田 清策 rss

ライター一覧

昭和31年(1956年)宮城県生まれ。成蹊大学法学部卒業後、1982年入社。1991年から97年まで、ワシントン特派員。その後、政治部次長を経て、現在社会部長。

“終息”しない少子化 「男女」の価値見直されるか

 厚生労働省の人口動態統計によると、死亡数から出生数を引いた人口自然減は昨年、51万5864人で、初めて50万人を超えた。1人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す「合計特殊出生率」は1・36で、4年連続で低下している。わが国で「少子化」が国家の重要課題だ、と叫ばれ始めてから久しいが、いまだに解決の糸口さえつかめていない。

 前出の論考の中で、日本が新型コロナの被害を最小限に抑えたのは「直系家族」の影響を指摘したエマニュエル・トッドは、次のように語って日本の少子化に警鐘を鳴らしている。

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コロナ後の世界 「直系家族」の再評価

 「ロックダウン」(都市封鎖)のできない日本が、新型コロナウイルスによる被害をこれまでのところ最小限に抑え込んでいるのは、世界から見れば「奇跡」なのだという。なぜそうなっているのか。

 総力特集「コロナ後の世界」を組んだ「文藝春秋」7月号で、作家・数学者の藤原正彦は「日本の新型コロナ対策はことごとく見当違いに見えるが、結果的には世界で最も死亡率を低く抑えた国の一つである。奇妙な成功」という米外交誌フォーリン・ポリシーの分析を紹介。

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核ミサイルよりブースターに拘泥する愚かさ指摘した「プライムニュース」

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画が突然停止となったのは、迎撃ミサイルのブースター(補助推進装置)の落下を制御するのが難しく、民家に落ちて犠牲が出る危険があるからだという。

 だが、待てよ。それでなぜ配備停止になるのか。日本を攻撃するミサイルを迎撃できなかった場合の被害と、ブースター落下による犠牲とどちらが大きいかなど比べるまでもないはず。しかも、北朝鮮などによるミサイルの脅威は高まっている中での配備停止だ。まったく腑(ふ)に落ちない。

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感染症と「夜の街」 第2波を左右する「欲望」

《 記 者 の 視 点 》

 東京都庁のライトアップが11日夜、赤から虹色に変わった。新型コロナウイルス感染への警戒を呼び掛ける「東京アラート」が解除され、12日から休業要請緩和のロードマップは「ステップ3」に移行した。

 これに伴い漫画喫茶、パチンコ店など接待を伴わない施設の営業が再開。19日からは接待を伴う施設への休業要請も終了する。

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免疫力を強める 「前向きな心」で活性化

 月刊誌6月号の新型コロナウイルス特集で、科学者の視点からの論考も多かった。その中で、新型コロナとの戦いが長期化する中で、重要になってくると思われるのが「免疫」についての知識だ。

 「最後は『集団免疫』しかない」と題した論考(「文藝春秋」)の冒頭で、「新型コロナウイルスとの戦いで、人類は苦戦を強いられていますが、最初に宣言しましょう。この戦いは必ず人類が勝利します。これは間違いありません」と断言するのは順天堂大学医学部免疫学特任教授の奥村康。

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コロナの長期化 「人間らしさ」問われる

 新型コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言」下に、ノーベル文学賞受賞者カミュの小説「ペスト」を読んだ。熱病の蔓延(まんえん)で封鎖された街で、多くの人が亡くなっていくという「不条理」の中で、どう「人間らしく」生きるか、そんな問い掛けを感じなら熟読した。

 月刊誌は当然のことながら、どれも新型コロナをテーマにした論考で埋め尽くされている。その中で、「ペスト」と同じような視点を持った論考が何本かあった。京都大学名誉教授・佐伯啓思の「グローバリズムの『復讐』が始まった」(「文藝春秋」5月号)と、作家・瀬名秀明の「私たちは『人間らしさ』を問われている」(「Voice」6月号)が特に印象的だった。

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コロナ禍で葬儀も行えない「異常さ」を伝えたBS1スペシャル

 たまたま見た番組で、二つの重い問い掛けに遭遇した。一つは、NHKBS1のBS1スペシャル「コロナ新時代への提言~変容する人間・社会・倫理~」(23日放送)の中で、哲学者・國分功一郎が紹介したジョルジョ・アガンベン(イタリアの哲学者)の「死者の権利」を認めず「生存以外のいかなる価値も認めない社会というのは一体何なんだろうか」という問い掛けだ。

 新型コロナウイルスによる死者が3万人以上のイタリアと800人超の日本とでは事情が違うだろうが、感染して亡くなると、葬儀も行われずに埋葬される。また、親族でさえ遺体に会うことさえできない。そんな状況をアガンベンは「死者が葬儀の権利を持たない」と表現し、「死者に敬意を払わなくなったとき、社会はどうなってしまうのか」と疑問を呈したのだ。

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コロナ感染と差別 「正しく恐れる」難しさ

《 記 者 の 視 点 》

 私の故郷は、新型コロナウイルス感染が比較的少ない東北・宮城県だ。同県の感染者数は、88人目が報告された先月28日以来、「ゼロ」の日が続いている。当然、緊急事態宣言は14日に解除された。同県出身者としては、感染がストップしていることを嬉(うれ)しく思っているが、逆に感染者が少ないことによる懸念もある。

 同県内に住む知人と電話で話した時、彼はこんなことを言っていた。

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コロナ禍で「死生観」「言葉」の重要性を指摘した「プライムニュース」

 新型コロナウイルス感染防止と経済活動のせめぎ合いの中で、「緊急事態宣言」が延長されることになった。直接的な理由は、感染者数が宣言発出で期待されたほど減らず、医療現場の逼迫(ひっぱく)状況が続いているからだが、その背景には国民の「行動変容」が不十分なことがある。

 宣言の延長は、1カ月程度の見通しだ。しかし、ウイルスが世界中に拡散してしまった現実を考えれば、これから日本の感染者をゼロにするのは難しい。だから、専門家会議の尾身茂副座長は「長丁場に備え、感染拡大を予防する新しい生活様式」への移行を訴えた。たとえ感染状況が改善し、外出自粛が解除になっても、今後はコロナとの「共存」を前提に、生活と行動の在り方を考えなければならない。

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リーダーの情報発信

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相が「緊急事態宣言」を行ってから、2週間がたった。しかし、週末になると、東京の都心部はともかく、住宅地域近くの商店街は賑(にぎ)わいを見せており、宣言が目標とする外出の「8割減」にはほど遠い状況だ。  外国と違い、宣言の強制力が弱く、国民の自主的な協力が前提となっていることが、その主な要因であることは間違いない。そうだとすれば、その自主性を喚起する指導者の発信力が問われる。その観点から、明治大学政治経済学部教授の海野素央が鋭い指摘を行っている(「世界のリーダーはどう危機を発信したか?」=「Wedge」5月号)。

 国民にコロナ禍の危険度を伝える際、マクロン仏大統領はテレビ演説で、「戦争状態にある」と訴えた。トランプ米大統領は自らを「戦時下の大統領」として描き、コロナという「見えざる敵」との戦いを強調。そして「死者数が10万人から最大24万人以上になる」と、大勢の死者が出ることを国民に知らせた。コロナに感染し入院したジョンソン英首相も医療崩壊すれば「死者が増える」と語って、警鐘を鳴らした。

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コロナ対応、台湾に学ぶ 防疫を安保と捉える

 新型コロナウイルス感染の収束後、国際社会における対立軸となるのは、一党独裁の全体主義国家中国との関係の在り方だ。“中国リスク”の捉え方次第で、コロナ禍後の世界は大きく変わってこよう。

 月刊誌5月号の中で、中国リスクを最も厳しく見る論考は、米大統領元首席戦略官兼上級顧問のスティーブ・バノンの公開インタビューをまとめた「中国共産党は人類にとって危険だ」(「Hanada」)だ。

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「緊急事態宣言」の効果 国難モードに切り替わったか

《 記 者 の 視 点 》

 「茹(ゆ)でガエル理論」というのがある。カエルを熱湯に入れると、驚いて直(す)ぐに飛び跳ね逃げるが、冷たい水に入れて徐々に水温を上げていくと、カエルは熱湯になるのに気付かず、茹でガエルになってしまうという寓話(ぐうわ)があるが、これをビジネス業界などで、環境の変化に対応することの重要性を強調するために使われる警句になっている。

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自然の摂理に反する“パパ2人家族”を紹介する「ハートネットTV」

 新型コロナウイルス禍が深刻化する中、NHKが3月19日に放送したBS1スペシャル「ウイルスVS人類~未知なる敵と闘う」で、昆虫学者(国立環境研究所)の五箇公一の次の言葉が印象に残った。

 「要は、われわれは手を出してはいけないところまで自然に対して浸食を果たしてしまったがために……ウイルスなどの問題が人間社会にリスクとして降ってくる。この悪循環を断つためには、『自然の摂理』に準じた自然共生とは何かといった議論を今から始めないと、持続性が保てない。このままいくと、人間社会は崩壊しか道筋がなくなってしまう」

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「武漢ウイルス」呼称 発生源と責任の明確化

 WHOが決めた新型コロナウイルスの正式名称は「COVID―19」だ。ウイルスによる感染症は、「香港風邪」「スペイン風邪」など、発生源の地名を入れて呼ばれることがある。近年でも、コロナウイルス感染症の「中東呼吸器症候群」(MERS)があったが、中東諸国から反発があり、それ以降、地名が感染症の名称に使われることはなくなった。

 それでも、新型コロナも「武漢ウイルス」にした方がその発生源とパンデミックの元凶が明確になるという効果があるのだから、そうすべきだという意見がある。実際、米国政府関係者は武漢ウイルスと呼んでいる。25日に行われた先進国7カ国(G7)外相会合でも武漢ウイルスと呼ぶように主張した。

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新型コロナ禍後の世界 中国の権力構造崩れるか

 東京五輪が来年に延期になるとともに「首都封鎖」が現実味を帯びるなど、新型コロナウイルス禍が深刻度を増す一方だが、この今の段階から沈静化した後の世界のあるべき姿を模索するのは論壇の役割だ。

 その観点から、新型コロナ特集を展開する各月刊誌4月号に目を通した中で、「中央公論」の鼎談(ていだん)「AI社会が直面する見えざる脅威 疫病という『世界史の逆襲』」は感染症による「時代の転換」を予感させ興味深かった。論者は東京大学名誉教授の山内昌之、東京大学名誉教授の本村凌二、作家の佐藤優。

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薬物依存リハビリ施設 残留物排出し新たな人生を

ナルコノンジャパン総代表 神野 正啓氏

 覚醒剤の押収量が昨年、過去最高になるなど、違法薬物問題が深刻化している。また、芸能人による乱用・再犯事件が続き、薬物依存からの回復方法に注目が集まっている。そんな中、米国で生まれた薬物リハビリテーション施設「ナルコノン」が今年秋、日本で開設する予定だ。ナルコノンジャパン総代表、神野正啓さんに、施設のリハビリプログラムについて聞いた。 (聞き手・森田清策)

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新型コロナとの闘い 「日常」見詰め直す契機に

《 記 者 の 視 点 》

 「今度ほど、ひとの心遣いがありがたいと思ったことはない」

 東日本大震災から1カ月半経った大型連休。宮城県の被災地を訪ねた筆者に、被災した姉の言葉だ。姉家族は、自宅と家族で経営する水産加工場が津波の被害を受け、中学校の体育館での避難生活を余儀なくされていた。

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新型肺炎という「有事」に日本の“欠陥”を指摘した「プライムニュース」

 中国共産党の情報隠蔽(いんぺい)が新型コロナウイルスの世界蔓延(まんえん)につながったことは明らかなことから、日本のメディアでは隠蔽体質をはじめとした中国共産党の一党独裁体制の「病弊」に焦点を当てた報道が目立った。しかし、新型コロナがあぶり出したものはそれだけではない。憲法から個人の生活まで「有事」を想定することを避けるというわが国の“欠陥”もその一つであろう。

 BSフジの報道・討論番組「プライムニュース」は4、5の両日、「日本の危機管理」がテーマだった。国家の危機管理レベルは「初動」に現れると言われる。新型コロナ対策で、いち早く中国全土からの入国禁止措置を取った米国などと違い、わが国は「初動対応が甘い」「泥縄対策」などと批判が出ているが、なぜそうなったのか。

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新型肺炎で露呈したもの 中共独裁の隠蔽体質

 新型コロナウイルスのニュースであふれ返り、パニックのような状況が起きる中で、この欄で新型肺炎以外のどんなテーマを取り上げたとしても、読者の関心は引かないなと迷っていたら、26日発売の保守系の「Hanada」と「WiLL」の4月号がこのテーマで大特集を組んだ。

 それぞれ「新型肺炎の猛威と習近平独裁」「習近平よ、世界に向けて詫びの一つも言ってみろ!」と銘打っている。日ごろから中国を厳しく批判する両誌だけに当然のことではあるが、新型肺炎で世界中が混乱するこの時ぞとばかりに、共産党一党独裁体制の宿痾(しゅくあ)をあぶり出している。

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「3歳児神話」の罠に嵌まり母親の役割軽視イデオロギーに偏った産経

 久しぶりに「3歳児神話」というイデオロギー(フェミニズム)色の強い言葉を新聞で目にした。しかも記事だけでなく「3歳児神話を『正しく』崩す」と、見出しにも使われていた。「産経新聞」が現在、続ける連載「どうする福祉―縮む日本の処方箋」第1部「就労×年金」の中で、未婚の母に対する福祉制度の在り方を探った13日付のことだ。

 「3歳まで手元に置いておいたらええやんか。子供がかわいそうや」

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精神科医の患者への性暴力 法改正による被害の根絶を

《 記 者 の 視 点 》

 鹿児島県内の精神科クリニックに通院中、自殺した女性の遺族らが精神科医と患者の性的関係を禁じるための法改正などを求めていることを紹介する記事を掲載した(昨年12月10日付「教育 家庭」面)。

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保守系の産経でも「異性婚」の言葉を使う記者の危うい結婚観

 神奈川県横浜市が昨年12月から、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認定する「パートナーシップ宣誓制度」をスタートさせた。これに関して、川崎市内に住む筆者は産経新聞1月28日付神奈川版トップ記事を見て首を傾げた。

 記事は「根強い異論はあるものの」としながらも、「同性カップルの間に喜びが広がっている」と制度導入を評価するとともに、「制度が始まったことは、ゴールではなくスタート。ゴールとしては、日本でも結婚の平等を認めてもらい」と、「同性婚」の法制化を求める当事者の声を紹介したのだ。

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スマホによる脳破壊 毒性は「麻薬」レベル

 スマートフォン(スマホ)が普及し生活必需品となるに伴い、その過剰な使用の弊害がさまざまな場面で表れている。

 例えば、自動車の「ながら運転」。この問題への対応は、罰則が強化された上、一定の速度が出ると、スマホが使えなくなるアプリも登場するなど、一応進んでいる。

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