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増 記代司 rss (マスコミ)

ライター一覧

昭和25年(1950年)大阪府生まれ。東京福祉大学(付設社会福祉士養成課程)修了。「都議会新聞」編集長などを経て、1994年から本紙「メディアウォッチ」や論説を執筆。論評が大学入試に出題されるなど高い評価を得ている。社会福祉士としてはホームレス支援や原発避難者を支援。毎週火曜日掲載「メディアウォッチ」欄に携わっている。

根拠薄い朝鮮人犠牲者数を使って小池都知事をヘイト扱いした朝日

 関東大震災での朝鮮人犠牲者追悼式については本欄14日付で書いたばかりだが、朝日は21日付で再度取り上げ、その記事をめぐって26日付に訂正・おわび記事を載せた。それでいささか食傷気味だが、見過ごせなくなった。

 21日付記事はオピニオン面の半ページを割いた特大の記者解説で、「社会部 西村奈緒美/編集委員 北野隆一」の署名と顔写真入りだ。「朝鮮人虐殺 歴史直視を/小池知事の対応 ヘイト支える恐れ」の見出しで、1日の朝鮮人犠牲者追悼式とその反対集会を扱い、追悼文を送らない小池百合子都知事を「負の歴史にふたをする動きの後押し」と痛罵を浴びせている。2日付で既報の内容で、手を替え品を替えての小池批判だ。

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朝日の社論が国民感覚に程遠いことを天下にさらした各紙世論調査

 菅義偉内閣が発足した。報道機関の世論調査で支持率を見ると、日経の74%を筆頭に共同通信66%、朝日65%、毎日64%と軒並み高い。2000年以降では小泉、鳩山内閣に次ぐ高さで、夕刊フジは「“たたき上げ”首相の菅内閣、支持率爆騰!」の見出しを踊らせていた(18日付)。

 日経が飛び抜けて高いのは、調査員が電話で「内閣を支持しますか、しませんか」と質問し、回答が支持か不支持か不明確だった場合には「お気持ちに近いのはどちらですか」と聞くからだそうだ(電子版18日)。つまり国民のお気持ちは圧倒的に菅内閣支持ということだろう。

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北朝鮮の傀儡団体主催の追悼式を「絶対善」とし右派を批判する朝・毎

 毎日4日付夕刊に関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式を扱った特大記事が載った。1面は「『朝鮮人虐殺』否定 今なぜ/慰霊祭近くで集会」の見出しで追悼式に反対する右派団体の集会ルポ、社会面は「否定派の集会/確定しない犠牲者数」の解説風記事。筆者は末尾に「吉井理記」とある。

 記事はこう書き出す。「イヤな取材を思い立った。関東大震災(1923年)から97年になる9月1日。東京都内の公園で、大震災のさなかに軍や日本人の群衆に多数殺害された朝鮮人を追悼する慰霊祭が例年通り開かれたが、近年はその横で『大虐殺はなかった』などと主張する集団が集会を開いている、と聞いたのだ。残暑のせいばかりではない、ゲンナリする現場を見に行った」

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安倍政権の路線を全て否定し読者に騙し絵の罠を仕掛け続けた朝日

 「ルビンの壺(つぼ)」という絵がある。黒地の画面に白地で大型の壺(盃(さかずき))が描かれているが、黒地を図柄で見れば、壺ではなく向き合った2人の顔に見える。「若い女性と老婆」という絵は、若い女性の横顔が老婆の横顔にも見える。いわゆる隠し絵(騙(だま)し絵)だ。見方を切り替えないと、いくら眺めても片方しか見えない。その罠(わな)に嵌(はま)ると、なかなか脱せない(ご存じでない方はネットで「ルビンの壺」を検索し、試してみてください)。

 朝日は安倍政権下でそんな罠を仕掛け続けた。安倍首相の辞任表明を受けた8月29日付社説は「首相在任7年8カ月、『安倍1強』と言われた長期政権の突然の幕切れである。この間、深く傷つけられた日本の民主主義を立て直す一歩としなければならない」と切り出し、安倍路線を全て否定して見せた。

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首相の辞意表明、忘れてはならぬ安倍家と朝日との熾烈な「60年戦争」

 安倍晋三首相が辞意を表明した。持病の潰瘍性大腸炎が悪化し「病気と治療を抱え、体力が万全でない苦痛の中、大切な政治判断を誤ることがあってはならない」というのが理由だという。大腸炎の発症は10代からというから、実に50年以上も病と闘ってきたことになる。よくぞ7年8カ月、総理の職を全うされてきたと感じ入る。

 忘れてならないのは、安倍首相にはもう一つの闘いがあったことだ。朝日との闘いである。安倍首相は記者会見で「(北朝鮮の日本人拉致)問題をこの手で解決できなかったのは痛恨の極み」と述べたが、それにも朝日が少なからず関わっている。

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戦後、教育勅語の廃止を執拗に要求したソ連に今なお追従する東京

 戦後75年の夏が過ぎていく。振り返ってみると、「特攻」を扱わない新聞はなかった。先週紹介した読売の連載「戦後75年 終わらぬ夏」では児童文学作家の富安陽子さんの伯父が米空母エンタープライズに体当たりした特攻隊員だった(8日付)。改めて特攻の重みが伝わってくる。

 ジョン・F・ケネディ元米大統領の甥(おい)、マクスウェル・テイラー・ケネディ氏は『特攻 空母バンカーヒルと2人のカミカゼ』(ハート出版)で、バンカーヒルと同艦を大破させた特攻隊員をその生い立ちから丁寧に描く。特攻だけでなく空母でも艦を守るために多くの米兵が身を捧(ささ)げた。

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戦後75年、事実辿ることに比重置く読売と歴史修正主義の色濃い朝日

 「戦禍 次代へ語り継ぐ」。戦没者追悼式を伝える読売16日付の1面トップ見出しである。終戦75年、節目の年。コロナ対策の自粛が続く異例の「追悼の夏」となった。

 語り継ぐ。その読売の意気を感じさせたのが8月1日付から始めた「戦後75年 終わらぬ夏」と題するシリーズだ。「終戦から75年の時が経(た)った。戦争体験を聞くことが難しくなった今こそ、あらためて記憶を語り残してもらい、語り継がねばならない。『戦争を考える夏』はこれからも続く。終わることはない」と前文で言う。

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中国の核軍拡は容認し自由陣営に廃絶迫る朝日の「ヒバクシャの思想」

 広島で6日、長崎で9日に75回目の「原爆の日」を迎えた。時は過ぎゆき、コロナ禍の中での鎮魂の祈り。語り尽くせぬ被爆体験を後世にどう遺(のこ)すのか、各紙はそろって力の入った特集を組んでいた。

 でも不思議に思ったことがある。原爆、核攻撃からどう身を守るのか、そんな記事がどこにも見当たらなかった。欧米のみならず、海外では少なからず自国民にこんな教育をしているというのに。

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ドイツでの中国のスパイ活動に警告を発した報告書を報じない各紙

 米国ではスパイ活動の拠点だったヒューストン中国総領事館閉鎖、オーストラリアでは「目に見えぬ侵略」が暴かれるなど、中国のスパイ事件は後を絶たない。

 ドイツも例外ではない。中国は先端技術分野で独自技術を有する中小企業を買収する一方、さまざまな手段で先端技術に関わる科学者、学者をオルグしている(「千人計画」)。同国の諜報(ちょほう)機関、独連邦憲法擁護庁(BfV)が先月9日に公表した2019年版「連邦憲法擁護報告書」はそう指摘し、中国のスパイ活動に異例の強い警告を発している(本紙7月21日付)。

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米国務長官の歴史的演説を中国当局者に否定させる朝日の異様な紙面作り

 「ポンぺオ演説」。これは歴史的演説として後世に残るだろう。ポンぺオ米国務長官が「共産主義の中国と自由世界の未来」と題して行った対中政策演説のことだ。ニクソン時代(1970年代)からの米国の対中政策を全面転換させる内容だった。

 ポンぺオ氏は中国の習近平国家主席を「破綻した全体主義的イデオロギーの信奉者」だと名指しで批判し、「自由世界はこの新たな暴政に打ち勝たなくてはならない」と述べ、民主主義国が連携して中国の脅威に対抗するよう呼び掛けた(本紙25日付)。

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かつての捨て台詞ジャーナリズムを想起させる朝日の防衛白書報道

 かなり以前の話だが、捨て台詞(ぜりふ)ジャーナリズムというのがあった。

 テレビのワイドショーでのことだが、コメンテーターが一通り意見を述べた後、画面がCMに切り替わる直前に司会者が「これはひどい、自民党は許せないですね」などと発言する。その途端にCM。だから誰も反論できず、トゲトゲしい反政府感情だけが視聴者の余韻に残った。

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「中国の軍拡反対」の“羊頭”を掲げながら「無防備」の“狗肉”を売る朝日

 「羊頭(ようとう)を懸(かか)げて狗肉(くにく)を売る」。店先に良い品を見せておいて悪い品を売る、ごまかしの喩(たと)えだ。中国・後漢の光武帝(紀元1世紀)が下した詔(みことのり)の中に見える語で、続けて「盗跖(とうせき)、孔子語を行う」とある(『中国故事物語』河出書房新書)。

 盗跖とは春秋時代の大泥棒。強盗に押し入るとき、先に入るのは「勇」で、最後に出るのは「義」だなどと大言壮語し、孔子の言葉を悪用した。まさに「看板に偽りあり」。最近、日本共産党は威勢よく中国を批判しているが、これも羊頭狗肉ではないか。

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長期戦のコロナ対策、情報機関の必要性指摘した毎日の真意はどこに?

 新型コロナ禍をめぐる新聞記事で気になっていながら取り上げる機会がなかったのを今回、紹介したい。

 それは毎日6月2日付の大治朋子・専門記者の署名コラム「火論」。「長期戦で独走 官邸の愚」と題し、安倍政権の一連のコロナ対策を「『お友達サークル』ですべてを決めないと安心できない独尊体質のように映る」と批判していた。

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「緊急事態条項」を語らず改憲論議を自ら封印した読売の「緊急提言」

 新型コロナウイルス禍を受けて読売が7項目の緊急提言を発表した(22日付)。編集局や調査研究本部、論説委員会の専門記者が検討を重ね、有識者へのインタビューを踏まえ策定したという。

 内容は「PCR検査能力を1日10万件に」「資本注入ためらわず大胆に」「国による手厚い財政支援」など、これまで指摘されてきた対策の「総まとめ」といった趣だ。それだけにパンチ力に乏しい。

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大胆な社説と全国世論調査、低調な都知事選報道で独り気を吐く毎日

 東京都知事選挙が告示されると、毎日は早々と“人気投票”をやった(毎日・社会調査研究センター=20日実施、全国世論調査=21日付)。

 それによると、「都知事にふさわしいと思う人」は小池百合子氏51%、宇都宮健児氏10%、山本太郎氏8%、小野泰輔氏7%、立花孝志氏2%。女性に限れば、小池氏は60%と圧倒的だ。ただし「あくまで全国調査の結果であり、都知事選の情勢には直結しない。ただ、『関心がない』が14%にとどまり注目度は高い」としている。

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横田滋さん死去、スパイ防止法整備に沈黙するメディアは今も死んでいる

 横田滋さんが87歳で召天された。愛娘のめぐみさん(当時、13歳)が中学校からの帰宅途中に行方不明となって43年、人生の半分を離別の苦しみと闘ってこられた。北朝鮮による拉致と判明した1997年以降、日本人拉致被害者の家族を代表して妻の早紀江さんと全国行脚され、救出署名は98年春に100万人を超えた。滋さんと握手を交わした人は幾万人に上るだろうか。

 「メディアは死んでいた」。めぐみさんの拉致を初報した元産経記者、阿部雅美氏の著作のタイトルだ。副題に「検証 北朝鮮拉致報道」とある(産経出版刊、2018年)。阿部氏は1980年1月7日付のサンケイ(当時)1面トップに「アベック3組ナゾの蒸発 外国情報機関が関与? 戸籍入手が目的か」とスクープした。78年夏の蓮池薫さんらの拉致事件のことだった。

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「9月入学」見送りに至る一連の経緯を歪曲し安倍首相を批判する朝日

 全国紙の電子新聞(デジタル版)は沖縄を除く全ての地方版を読めるので重宝している。朝日の福島版(6日付)にこんな記事を見つけた。

 安倍内閣の支持や安倍首相の好感度を尋ねると、会津若松市は福島県下の他の主要都市よりも低い結果が出た、という。比較したのは福島市、郡山市、いわき市、会津若松市の4市。自民党支持率はいずれも46~47%台。安倍内閣の支持率は県全体で41・1%だったが、会津は29・0%と極端に低かった。

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コロナ対策で読むに値する読売の「教訓」、政府の足引っ張り続けた朝日

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が全面解除された。途端に第2波の襲来か、東京や北九州市で感染者が増加している。コロナ対策は道半ばだが、各紙はひとまず政府の対応を総括している。

 朝日は「教訓くみとり『次』に備えよ」と言う(26日付社説)。その教訓とは「アベノマスク」「現金給付策」「唐突に打ち出したイベント自粛や全国一斉の休校要請」などを批判し、「国民の心に響く首相の発信も乏しかった」「『肉声』はほとんど聞かれなかった」「(専門家に)責任を丸投げするかのような説明が目立つ」等々、罵声に近い安倍攻撃で、「政府のコロナ対策を厳しく点検する場として、国会は当面、開き続けるべき」だと野党をけしかけている。こういう主観的な「教訓」はコロナ対策の屁(へ)の突っ張りにもなるまい。

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マージャン相手は記者ではないと言い張り報道と無関係を装う朝日

 作家、司馬遼太郎は新聞記者についてこう語っている。

 「私のなかにある新聞記者としての理想像はむかしの記者の多くがそうであったように、職業的な出世をのぞまず、自分の仕事に異常に情熱をかけ、しかもその功名は決してむくいられる所はない。…無償の功名主義こそ新聞記者という職業人の理想」(随筆『わが小説―梟(ふくろう)の城』)

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スターリンと安倍首相を同列に置く水島氏用い検察定年延長批判する毎日

 「文明とは正義の普(あまね)く行われていること」。明治維新の元勲、西郷隆盛の言である。果たして戦後日本はより文明的になっただろうか。元検事の佐藤欣子さんはそう問うた。

 正義を体現する検察官のバッジ「秋霜(しゅうそう)烈日(れつじつ)」は、秋に降りる霜と夏の厳しい日差しを刑罰や志操の厳しさに例えられている。正義の実現には、まず真実を発見せねばならない。これは容易でない。さまざまな制約の中で、裁判の基礎を絶対的な客観的事実に近づけようとする。それが検察の真実主義だ。それには犯人の自白も軽視できない。

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戦前・戦中は戦争を煽り、今は反安倍を煽る朝日の変わらぬ煽り体質

 社会学者で僧侶の故・大村英昭氏がこうおっしゃったことがある。

 「現代人は、欲望や情念を煽り追い立てる『煽(あお)りの文化』にとらわれています。それに対し、日本人古来の文化は『鎮(しず)めの文化』でした。時代の曲がり角ごとには心鎮まって反省するような時間が必要なのではありますまいか」(NHK人間大学『鎮めの文化 ~欲望社会と日本人の心』1995年7月)

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国民の生存権を守るための権限を国に与えず義務は果たせと言う朝日

 新型コロナウイルス禍を制する緊急事態宣言が5月末まで延長された。国民は引き続き外出自粛や休業を求められる。さて、どう踏ん張るか、思案顔の読者も多かろう。気を緩めれば元も子もない。ここは工夫を凝らし、生き抜いていくほかない。

 ところが、働く権利、遊ぶ権利、移動する権利、生存の権利等々、権利を叫ぶ声が漏れ聞こえる。パチンコ店の中には営業を強行し、大繁盛している所もあった。志村けん氏が健在なら「カラスの勝手でしょ」とは決して言うまい。生きる権利を守るには「勝手」では済まされず、時にはその権利が制限される。

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現行憲法無謬論の「護憲信者」にすぎぬ左派紙の名ばかりの立憲主義

 新型コロナ禍をめぐる安倍政権の対応はどう評価されているのか。朝日の世論調査を見ると、「評価しない」53%、「指導力を発揮していない」57%、「緊急事態宣言を出すタイミングが遅すぎた」77%と手厳しい(21日付)。それでも内閣支持率は横ばい。他紙もほぼ同じ傾向だ。

 だからといって野党第1党の立憲民主党が評価されているわけではない。産経の調査では、同党の支持率は2月8・6%、3月7・7%、4月3・7%と、半減どころか約6割減の激落ちだ。これに対して日本維新の会は3・8%から5・2%へと大幅に増やし、初めて立憲を追い抜いた(14日付)。

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