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片上 晴彦 rss (マスコミ)

ライター一覧
片上 晴彦

昭和27年(1952年)4月20日、愛媛県西条市生まれ。早稲田大学理工学部電気工学科卒。社会部、サンデー部記者、サンデー編集長を経て、現在、編集委員。著書に「拡材―ある“新聞拡張団”体験記」(共著、泰流社)。

「安楽死問題」について結論を出せないで、両論併記に終わった新潮

 全身の筋肉が動かなくなる神経難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性が、薬物投与による「安楽死」を遂げ、医者2人が嘱託殺人罪で逮捕される事件が起こった。

 週刊新潮8月27日号の連載「医の中の蛙」で、医師の里見清一氏は「この医者二人には尋常でないところがあり、マスメディアはその『異常さ』を糾弾するのだが、本題の安楽死についてはまともに触れていない」とし、「『そんな医者』に頼ってまで死にたかったこの女性の希望は叶えられるべきなのか」と問うている。当然の疑問だろう。

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医療現場の不具合はコロナ禍前の態勢に問題ありとする現代・文春

 コロナ禍の中、医療関係者のふんばりについては評価されているが、ここにきて医療現場から不協和音が聞こえてくる。週刊現代7月25日「コロナ患者受け入れで病院崩壊/女子医大の看護師400人はこうして大量退職した」がすさまじい。同病院勤務の看護師らが続々と退職している。

 そのきっかけは、コロナによる患者数減などで大幅に収支が悪化したとして、経営陣が持ち出した夏のボーナスゼロの提案。これに対し、看護師らの加入する組合には悲痛な声が寄せられた。<ボーナスは1円も支給なし。説明も紙切れ一枚。到底納得できない><どこまで頑張る職員を侮辱し痛めつければ気が済むのですか?>。

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アフターコロナ「地方へ移住希望相次ぐ」との週刊朝日の記事は本当か

 週刊朝日7月3日号に「見直そう!アフターコロナの人生計画 お金や仕事より大切なもの 地方への移住希望相次ぐ」という記事が出ている。

 都内の大学講師で50歳女性の趣味はいわゆる爆買い。それがコロナ禍で、必需品を買い足す以外、自宅にこもる生活が続いた。従来の生活を振り返り「今思えば、仕事のストレスを全てお金で紛らわせていました。お金があることで、かえって理性のタガが外れた状態になっていたのかなと思います」

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若手大学人の研究環境の悪化を語り、「海外雄飛」を勧める鹿島茂氏

 フランス文学者で明治大学国際日本学部教授だった鹿島茂氏が週刊文春6月4日号「私の読書日記 海外雄飛のすすめ」で、若手大学教員や研究者の苦況について書いている。

 今年3月31日をもって42年続けた大学教員生活に終止符を打った鹿島氏。「つくづく思うのは日本アカデミズムに未来はないということ。若い研究者はほんとうに可哀想だ。いっそ、海外で就職することを真剣に考えた方がいい」と。

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日本人の営為や習慣が感染死亡者数を抑えていると指摘する週刊現代

 連休期間と連休後の週刊誌は盛りだくさん、思い付くまま挙げてみたい。アエラ5月18日号「BCGとコロナ 高まる相関性」で阪大免疫学フロンティア研究センター招聘(しょうへい)教授の宮坂昌之さんが「結核の予防接種BCGが、新型コロナに対する抵抗力を高めている」と力説。

 宮坂教授の調査によると、5月7日現在、人口100万人当たりの死者数は、BCGの集団接種を行わない米国が227人、イタリアが490人。過去に接種していたフランスは396人、スペインは553人。一方、接種している中国は3・2人、韓国が5・0人、日本は4・4人、台湾は0・3人。

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遺伝子操作の是非を問う執筆・報道姿勢が常に必要な科学関連記事

 人々の科学技術への関心が高まり、新聞に科学・科学技術の記事が欠かせなくなった。読売や日経は毎日曜日、全面を使って(下4段広告)、競うように最新の話題を載せている。読売19日付サイエンスReportには「DNA解析 絶滅人類復元」の見出しで、絶滅した人類「デニソワ人」が発見された経緯が出ている。

 2000年代初め、ロシアのシベリア地区で見つかった小さな指先の骨と数個の臼歯(きゅうし)が、地球上には存在しないデニソワ人の化石の全て。独マックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ教授らは、これを手掛かりに、「デニソワ人の核DNAの塩基配列を約30回も繰り返し読んで調べた」。そして12年に公開したそのゲノム情報を分析し「現生人類の祖先とデニソワ人が分岐した年代を81・2万~79・3万年前」と特定したという。

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新型コロナは中国の進出著しいアフリカで爆発すると楡周平さん警告

 新型コロナウイルス感染拡大関連で、興味ある3本の記事を取り上げておきたい。一つは作家・楡周平さんの「『東京五輪』は来年も開催できない!」(週刊新潮4月9日号)という寄稿記事。「(今後)感染が広がると見られているのが、アフリカ、東南アジア、中東、南米など、いわゆる『途上国』」で、「とりわけ注視すべきはアフリカ」と楡さんは見る。

 「中国はアフリカの資源に目を付け、莫大な資金を投下し、人もたくさん散らばらせている。それを考えれば、新型コロナが爆発しないワケがない。今後、広がっていくであろう感染が、果たしてわずか『1年』で終息しているのか。また、終息したとして、オリンピックに選手を送り出せるほどの国情に回復しているのか。考えれば考えるほど、『完全な形での五輪』は困難に思える」と。

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米民主党の「オバマ伝説づくり」の努力放棄を指摘するNW日本版

 「レーガンやブッシュとは大違い 人気のある大統領だったのに出身地ハワイにはオバマの名を冠した学校や通りがない」

 ニューズウィーク日本版3月10日号「オバマ命名運動が振るわない理由」のタイトルで、その実情を記している。日本に居ては見えてこない米社会の動きだ。

 米国には「命名運動」というムーブメントが存在していて、レーガン空港の命名はこのキャンペーンの成果だ。

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国会論戦やサイバー攻撃記事で論点ずらしの週刊朝日、サンデー毎日

 週刊朝日(2月14日号)の「ワイド特集 緊急事態」で、新型コロナウイルスをめぐる国会論戦を取り上げている。タイトルは「新型コロナウイルスは騒ぎすぎ? 得するのはあの人だけかも」。

 1月29日の国会で、立憲民主党の蓮舫議員が感染症関連の質問をしなかったことに対し、自民党の世耕弘成参院幹事長が、ツイッターに「野党の質問が始まって40分経過しましたが、先刻武漢からの飛行機が到着し、目の前に総理や厚労大臣等が列席している。このシチュエーションで感染症について質問をしない感覚に驚いています」と書き込んだ。

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「アイデアを無断使用」と「寅さん」の監督を告発、独占取材のポスト

 週刊文春のスクープは“文春砲”と呼ばれもてはやされているが、必ずしも部数増や週刊誌の人気回復につながっていないようだ。月刊「THEMIS」1月号で文藝春秋関係者は「19年10月、『週刊文春』は菅原一秀経産相と河井克行法務相の公選法違反疑惑スクープで、立て続けに辞任に追い込んだ。記事は各方面で話題になり、編集部も大いに気勢を上げたが、部数はなんと前年割れ。ラグビー日本代表の快進撃を特集した『Number』で収支をカバーする始末だった。返品率も50㌫前後と、完全に危険水域を超えた」という。

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「巨大地震の予兆」という言葉が独り歩きしそうなAERA災害記事

 今月上旬、茨城県や栃木県で、マグニチュード(M)4、最大震度4クラスの中規模地震が計6回発生した。

 M4台の地震は日本で年間200回以上起こっているという。今回の一連の地震について、気象庁は既に5日に「これらの地震に関連性は見られない」と発表している。これに対し、AERA12月23日号は「関東北部の群発地震は巨大地震の予兆か/来るものと思い備えを」と題し、あえて専門家2人に聞いている。

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AERAで「条件付き記述式問題は自由な発想せばめる」と日大教授

 大学入試改革の目玉の一つ国語・数学の記述式問題(2021年1月開始の「共通テスト」)の導入についても、反対や批判の声が出ている。

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神戸東須磨小教員間のいじめを「学校崩壊」の危機と警鐘鳴らすポスト

 神戸市の市立東須磨小学校の教員らの同僚に対する度を超えた嫌がらせを地元新聞が報じ、各週刊誌が後追いしている。

 40代ベテランの女教師Aが30代・中堅の男性教師3人を引き連れて、20代半ばの男性教師Xに職員室内外で執拗(しつよう)にいじめを繰り返していた。AがXに激辛カレーを無理やり食べさせ大笑いしている動画が流出して、教育委員会など地元の教育機関が無視できず実態調査を始めた。

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新札モデルの子孫対談で渋沢、北里の足跡たどった週刊朝日の好企画

 今週、心に残ったのは週刊朝日(10月4日号)の「新札モデルの子孫対談」。2024年に発行される新1万円札モデルとなった渋沢栄一の曽孫・渋沢雅英氏(渋沢記念財団理事長=94)と、新千円札の北里柴三郎の孫・北里一郎氏(学校法人北里研究所顧問=87)が座談している。

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高齢ドライバーの免許証「自主返納」を促す主張を変えた週刊朝日

 今、車―と言えば、あおり運転問題が前面に出ているが、もう一つ、高齢者運転の是非の問題がある。4月19日に東京・豊島区で87歳男性の乗用車が暴走し、自転車の母子2人がはねられ死亡、10人が負傷する事故が起きた。法定速度の2倍近い時速90㌔台後半が出ていた。

 これを機にマスコミが一斉に高齢者運転の事故問題を取り上げたが、週刊朝日は6月21日号で「高齢者運転 乗っていい人ダメな人」と題し扱った。

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日本のソフトパワーのすごさを語った週刊プレイボーイの「追悼記事」

 放火殺人事件で35人が死亡した京都市伏見区のアニメ制作会社・京都アニメーション第1スタジオの焼け跡の前には、追悼のため海外のファンも多く訪れ、その献花台には英語の寄せ書きなどが供えられているという。日本のアニメ文化の影響力を改めて知らされる。今の50代以上の世代には信じられないようなことが起きている。

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川崎殺傷事件で、トリアージの成果や誤った報道を取り上げた各誌

 19人が被害に遭った川崎市の殺傷事件から1週間以上経(た)った。各誌とも突発事への対処の仕方について力を注いでいる。

 女性セブン6月13日号の記事「51才殺人鬼―」の中では「救急隊が到着すると、最初に行われたのがトリアージだった」と現場の救済場面が描写されている。

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科学の暴走を暗に戒めるスリリングな内容の週刊朝日・池谷氏コラム

 脳研究者・池谷裕二氏の人間の能力をしのぐAI(人工知能)の威力について書いたコラムが面白い。

 AIは確かに人間の強敵だが、囲碁の興趣は、勝ち負けだけにあるのではない。盤上における人間の対局者同士の駆け引きにある―というのが、多くの見巧者の見解であるように思われるが、池谷氏はそんなことはたわ言だと言わんばかりなのだ。

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現役医師が「医療費高すぎ国家を危うくする」と警鐘鳴らす新潮連載

 週刊新潮に連載の『医の中の蛙』86回(4月11日号)で、執筆者の医師・里見清一氏が「医療費が高すぎて国家を危うくする」という趣旨の持論を展開している。年金や医療費などの社会保障費の増大が続いているが、最近、メディアから以前ほど、なぜか、国家財政への過度の負担を危惧する声が聞こえてこない。そんな中、現場の医師が、「高額薬は国家を破綻させる」「75歳以上は延命治療でなく緩和医療を」と訴えている。

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“01思考”の小泉純一郎元首相の原発ゼロ論を持ち上げるアエラ

 アエラ3月18日号は小泉純一郎元首相へインタビューし、「『原発ゼロ』は次の首相」というタイトルでまとめている。現政権では無理だが、安倍晋三首相の次の首相時に、原発ゼロを実現できる、という内容。

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アエラが主張する児童相談所の役割を軸とした児童虐待防止策には限界

 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛さんが死亡して、両親が傷害容疑で逮捕された事件について、アエラ2月18日号は「救えるチャンス」と題し扱っている。「児童相談所も、市役所も、学校も、虐待する父親の言いなりになった。どうすれば子どもを救えるのか。児童相談所のあり方が問われている」というリード文。

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地震予知で読者をいたずらに煽る見出しは禁物!ポストの予測記事

 週刊ポスト1月18・25日号で<本誌でしか読めない最新版>と銘打ち、1月3日熊本「震度6」も的中!/村井俊治・東大名誉教授はこう分析した「この揺れは“引き金”に過ぎない―」/MEGA地震予測が緊急警戒宣言!、という見出しを枕に、「南関東大激震に繋がるこれだけの理由」というタイトルで、大地震の予知に言及している。

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温暖化の悪影響に追い打ち

国立研究開発法人海洋研究開発機構特任参事 国際海洋環境情報センター長 白山義久氏に聞く

海洋の酸性化の影響は。

 サンゴ礁の危機は温暖化現象の影響が大きいが、それに酸性化というものが追い打ちを掛けている。2090~2100年つまり今世紀の最後の方には日本の周辺から造礁サンゴが生育するのに適切な場所がなくなってしまう可能性がある。

サンゴ以外の生物に対してはどうか。

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