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市原 幸彦 rss

ライター一覧

仙台支局

山形県庄内地域、若者定着・回帰促進へ奮闘

 若者の地元定着や回帰は地方自治体の大きな課題の一つだ。山形県内で最も若者の定着率が低い県北西部の庄内地域(鶴岡市、酒田市が中心)では、各界関係者が地域を挙げた対応策を探ろうと、産学官による「庄内若者定着促進会議」(座長・高橋正美県庄内総合支庁長)が平成30年7月に設立され、庄内ならではのユニークな取り組みを展開している。(市原幸彦)

 庄内の今年3月の新規高卒者のうち、県内就職者(定着率)は71・3%。前年比7・9ポイントも上昇した。コロナ禍で首都圏より地元が選択されたと推察されている。それでも県平均81・2%を下回った。一方、求人倍率は高い。高校生が就職先に地元を選ばない傾向が強いということは、企業の期待に応えてもらえない、という地元産業界の悩みが解決できていないことを意味する。

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夏ボラ体験は生徒・高校・NPOも3者に利益

 宮城県を中心としたボランティアおよびNPO活動に関わる情報の収集および提供を行っているNPO法人「杜(もり)の伝言板ゆるる」(仙台市)は平成15年以降、高校生が夏休みにボランティアを体験する「NPOで高校生の夏ボラ体験」(実行委員会主催)を実施。これまで参加した高校生(OBも含む)と送り出した高校、受け入れたNPOの声をまとめ、このほど報告書を作成。3者にとって「Win―Win―Winのプログラムだった」としている。(市原幸彦)

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命を守る東日本大震災の教訓を次世代・全国に

 宮城県松島町に、東日本大震災の記憶と教訓を企業・組織の防災・減災および安全対策に生かすための情報発信・研修等を行う一般社団法人「健太いのちの教室」がある。田村孝行さん(61)と妻の弘美さん(59)が、同県女川町を襲った津波で、長男の健太さん=当時25歳=を失ったことをきっかけに、命を守る教訓を次世代に全国に伝えたいという思いから、令和元年11月に設立した。(市原幸彦)

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山形県最上地域、若者定着の成果を全国の見本に

 全国の地方都市の若者の流出が止まらない中、山形県最上地域は高校生が輝いている地元の大人と出会い、一緒に地域課題の解決策を考える「新庄・最上ジモト大学」を平成29年度に始めた。若者定着・人材確保の取り組みであるこの事業は成果が出始め、日本各地でもこれをモデルケースとする動きが出てきている。(市原幸彦)

 「上京してもいい。でもいつか大人になった時に、この地域を未来に引き継いで欲しい」。「ジモト大学」の今年度のパンフレットの表紙に記されている言葉だ。地域内の高校、8市町村、県最上総合支庁、東北芸術工科大などが推進コンソーシアムを組織。最上地域全体をキャンパスに見立てた学びの場とし、行政や企業、市民グループに大学生といった多様な団体が講座を設けている。

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世界の水と食糧の問題研究で国内外から高評価

 農業のグローバル化に対応し海外のコンテストに参加、海外の学校と提携、交流したりする農業高校が増えている。そんな中、青森県立名久井農業高等学校(浅利成就校長)の環境研究班は、世界の水と食糧の問題に取り組み、国内外のコンテストで研究成果を発表して高評価を得ている。(市原幸彦)

 名久井農業高等学校は持続可能な開発目標(SDGs)が国連で2015年に採択される以前から、持続可能な地域づくりに打ち込んできた。これまでの生徒たちの取り組みが、改めてスポットライトを浴びている。環境研究班を担当する木村亨非常勤講師は「行政や農家、まちの人たちから協力を得られ、連携もスムーズ。自然に恵まれ、人と人の結び付きが強い地方はSDGsの達成へ大きな可能性を秘めていると感じている。活動を通し、生徒たちの心にSDGsの種をまいていきたい」と語る。

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震災の記憶と記録を残して、大槌町を元気に

 平成23年3月11日に起きた東日本大震災で多大な被害を受けた岩手県大槌(おおつち)町の復興に、高校生の自分たちにもできることはないか――。そんな思いから発足したのが岩手県立大槌高等学校(継枝斉校長、生徒数153人)の「復興研究会」だ。平成25年に発足し、さまざまな取り組みで町に元気を与えている。(市原幸彦)

 平成23年の大震災発生当時、大槌高校の体育館が約5カ月間避難所となる中、職員・生徒は、避難所の運営に約1カ月にわたって携わった。「さまざまな経験を集約し、後世に記憶と記録を残すために復興研究会を発足させた。希望生徒が参加する形を取り、当初は約7割の生徒が参加しました」と復興教育担当主任の木村有里教諭。

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宮城県気仙沼市が「アクション宣言」を策定

 近年、海洋プラスチックごみの増加が世界的な問題となっている中、宮城県気仙沼市はその削減の取り組みを本格化させている自治体の一つだ。令和元年9月に「海洋プラスチックごみ対策アクション宣言」を策定。東京海洋大学やWWF(世界自然保護基金)ジャパンなど各団体と連携し、漁業者、小中高の学校の教職員、児童生徒への啓蒙(けいもう)を進めている。(市原幸彦)

 気仙沼市によるアクションプランでは「漁具等のプラスチックごみの適正回収」「適正な漁具の使用と適正管理」「海中ごみ・漂着ごみの徹底回収」「使い捨てプラスチックの使用抑制」「消費者のライフスタイルの変革」「海洋教育・環境教育を含むESD(持続可能な開発のための教育)の推進」などから成る包括的な施策を示した。市内全校がESDの推進拠点となるユネスコスクールに登録され、小学校就学前の幼稚園段階から「海洋教育」に取り組んでいる。

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福島県立岩瀬農高、「GGAP」認証で高校日本一に

 福島県鏡石町の県立岩瀬農業高校は昨年12月、農産物18品で生産管理工程の国際認証制度「グローバルGAP(ギャップ)」(以下GGAP)の認証を受け、品目数で高校単独日本一に輝いた。生徒は「先輩から受け継いだ種が実を結んだ」と喜ぶ。また、東京電力福島第1原発事故に伴う風評の払拭(ふっしょく)を図る地元関係者らにとっても朗報となった。(市原幸彦)

 GGAPはドイツの民間団体が運営し、食品安全、環境保全、労働安全に配慮しながら作物を作る生産者らに与えられる認証。欧州ではGGAP取得を食材調達の判断基準にするレストランが増えている。

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福島県小野町で町民こぞって読書の習慣を

 福島県田村郡小野町では平成27年に「図書・新聞に親しむ条例」を制定し、成果を挙げている。平成31年から小野町地域おこし協力隊によるユニークな「ビブリオバトル」も始まり、来年3月には新型コロナ感染を避けたオンラインのバトルを計画するなど、町民の読書環境充実を積極的に進めている。(市原幸彦)

 同条例は、読書や新聞の閲覧は、町民が豊かな人生を送る上で大切なものであり、地域社会の活性化にも役立つことであると強調。家庭や学校、幼児教育施設、地域での総合的な施策を進めている。新聞を対象に含めた条例は県内では珍しいという。

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宮城県石巻市でICT活用し次世代農業を推進

 若者の就農へのハードルを下げようと、宮城県石巻市北上町の一般社団法人「イシノマキ・ファーム」は、情報通信技術(ICT)などを使った次世代型農業の新規就農者を育てるプロジェクト「農家ジャパン」を始めた。ベテラン農家の知見も加えた「デジタルとアナログを融合させた農業」を目指す。(市原幸彦)

 イシノマキ・ファームは、平成29年から主に農業体験や研修を通して希望に応じた就農先や移住先を紹介するなどの多角的な支援を展開。自然農法と有機農法の手法を取り入れ、多くの農作物を生産している。

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「住みたくなるまち日本一」目指して 宮城県富谷市長 若生裕俊氏

 明治22年に富谷村が誕生してから130年間、一度も合併せずに村から町、市へと発展してきた宮城県富谷市。60年連続で人口が増え、現在は町となった昭和38年当時の約10倍だ。国内外のビジネス経験を生かして「住みたくなるまち日本一~100年間人が増え続けるまち」を目指す初代市長、若生裕俊氏にその取り組みを聞いた。(聞き手=市原幸彦)

全国的な人口減少の中で人口増を続ける要因は。

富谷市概要

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福島県大熊町教委、本の出版体験授業を展開へ

 福島県双葉郡大熊町教委は、令和5年4月の開校を目指す幼保・小中一貫の教育施設で、本の出版を体験する授業を展開する。子供たちの創造性を育むとともに、古里の文化や歴史、暮らしを記録し、全国に知ってもらうことが狙いだ。作家、芸術家、研究者ら専門家でつくる「おおくまの教育応援団」が編集を支える。(市原幸彦)

 同町の熊町、大野両小と大熊中の児童生徒は、東京電力福島第1原発事故により、避難先の会津若松市で合同で勉強しているが、令和4年4月に小中一貫教育を同市で開始し、翌5年に大熊町に新設する幼小中一貫の教育施設に移転する。読書活動に長く取り組んできた伝統を土台に、新たに「本が生まれる学校」を教育理念に掲げる。

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世界農業遺産生かし地域発展を 宮城県大崎市長 伊藤康志氏

 東北・北海道で初めて世界農業遺産に認定された宮城県大崎地域。水田稲作地帯としては世界で初めてだ。涌谷町、加美町を含めた地域の中心地となる大崎市の伊藤康志市長に世界遺産認定を生かした地域活性化の取り組みを聞いた。(聞き手=市原幸彦)

「持続可能な水田農業を支える『大崎耕土』の伝統的水管理システム」が2017年12月に世界農業遺産に認定された。大崎耕土の特徴はどのようなものか。

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ICT教育での成果が認められた福島県新地町

 福島県新地町が全国でいち早く、平成23年度から小中学校で進めてきたICT(情報通信技術)活用の成果が認められ、8月、今年度の日本ICT教育アワード賞を受けた。最新の機器を使いこなすための研鑽(けんさん)や教職員の連携など、町ぐるみの取り組みはICT教育を推進する市町村の手本になると期待されている。(市原幸彦)

 同アワードは、全国ICT教育首長協議会が主催するもので、首長らが主体的にICT教育の環境整備に取り組み、優れた事例を顕彰するものだ。

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古仏の表情に見る究極の美

ポーランド人禅僧 如玄ノバクさん、エバ・ハディドンさん夫妻に聞く

 仙台市に住むポーランド人の禅僧・如玄ノバクさんと妻のエバ・ハディドンさん。共に坐禅修行を積みながら、それぞれ禅画と密画を描き続けている。共にポーランド芸術家協会会員。質素な日本家屋に住む二人を訪ね、仏教美術に対する思いなどを聞いてみた。 (聞き手=市原幸彦)

禅画を描こうと思ったきっかけは。

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障害者と健常者が共生を目指すスポーツ振興

 青森県弘前市で共生社会を目指し、障害者も健常者も共にスポーツに親しめる拠点づくりが進められている。平成28年度から、スポーツ庁の「Special プロジェクト2020」事業を受託したもので、弘前大学教育学部や同学部附属特別支援学校が中心となって地域のスポーツ団体などと連携。取り組みは「弘前大学モデル」として注目を集めている。今年度は9月から新たに幼児のための取り組みも始める。(市原幸彦)

 事業の大きな柱は、特別支援学校や各校の支援学級に通う児童・生徒が参加する「わいわいスポーツクラブ」の運営だ。サッカーやバスケット、フライングディスクなどを、土曜日や長期休暇中に行っている。昨年度から障害者も健常者も一緒になって活動するインクルーシブをテーマに進めている。

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岩手県立山田高で震災復興・防災学習に取り組む

 岩手県立山田高校(宮学校長、生徒110人、山田町)では、津波の石碑と東日本大震災の教訓を追う復興・防災学習に取り組んでいる。「総合的な探究の時間」の単元「碑の記憶」として展開するもので、先人が残した津波の教訓を石碑、地域住民から学び、次の世代へ命の大切さを語り継ぐ「語り部」を目指す。昨年9月から始まった同校の取り組みを紹介する。(市原幸彦)

 県内には、明治29年の明治三陸津波や昭和8年の昭和三陸津波の事実や教訓を刻んだ石碑は200基を超え、東日本大震災の教訓を伝える碑も新たに建てられている。また、過去の津波で流れてきたとされる津波石、被災した建築物などの遺構も存在し、自然の脅威を今に伝えている。

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高校で唯一、遠野高校がNITS大賞優秀賞を受賞

 岩手県立遠野高等学校(三浦立校長、生徒数353人、遠野市)は、地域や企業、団体の人々と協働し、「地域で活躍する人材としての生徒」を育成する「新しい『遠野物語』を創るプロジェクト」を進めている。同プロジェクトは2月末、独立行政法人教職員支援機構(NITS・ニッツ)が主催する第3回NITS大賞優秀賞を受賞した。高校で唯一だった。(市原幸彦)

 遠野高校独自のこのプロジェクトは平成29年度からスタート。「地域のプロである外部の人々に、大学でのゼミのような形で通年でお願いしています。この貴重な経験や知見を、教員は教育のプロとして組織的・計画的に取り組み、学びに落とし込む。それぞれの強みを生かした連携・協働が特徴です」と鈴木徹副校長。

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福島県、森林を守り育てる担い手を数多く養成

 全国的に戦後植栽された人工林が生長し、森林資源が充実する中、福島県は新年度から、林業の人材を育成するための研修拠点を新設する。郡山市の県林業研究センターの敷地内に研修棟などの整備を開始し、令和4年8月の完成を目指す。県は、これを契機として森林を守り、育てていく担い手を数多く養成していく。(市原幸彦)

 同県は、県土面積の7割が森林に覆われている全国4位の「森林県」だ。しかし、東日本大震災と原発事故の影響で、森林整備や林業活動が停滞。また、新規林業就業者が減少し、森林の荒廃が懸念されている。「このままでは、将来的に土砂災害や地球温暖化の防止、水源のかん養といった森林が持つ大切な役割も損なわれかねず、林業従事者の育成が喫緊の課題となっている」と県農林水産部林業振興課。

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福島3市町村と市川市が学校給食で食文化交流

 東京電力福島第1原発事故による風評被害が依然として残る中、千葉県市川市の全ての公立小中学校の給食で、福島県の喜多方市、西会津町、北塩原村の3市町村産のコメの提供が昨年4月から続けられている。福島県産米の品質と安全性が評価され、千葉県市川市産のナシを提供してもらい、食の相互交流を通して、安心して喜んで食べてもらう“輪”が広がっている。(市原幸彦)

 市川市と福島県の3市町村は、災害支援をはじめ多分野において相互に連携・交流を図るため、平成30年9月に相互交流協定を締結している。その中の学校給食食育交流事業は、3市町村と市川市の食育を通した交流の一環で、市川市は、公立小中学校55校で3市町村産のコメを給食に取り入れている。

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福島県内で広がる「農福連携」の取り組み

 高齢化で人手不足が深刻化する農業と、障害者の就労支援を進める福祉のニーズが一致し、障害者を農業の現場に派遣する「農福連携」の取り組みが福島県内で広がっている。障害者の生きがいにもつながると注目され全国で広がりを見せているが、今月、全農福島県本部が窓口を開設した。県授産事業振興会が協力し、広域的な推進体制を整える。(市原幸彦)

 須賀川市で農福連携に取り組んでいる(株)(おぬき)農匠(のうしょう)園(小抜吉平代表)では、「障害者と実際に関わってみなければ分からない」と平成29年6月から受け入れを始めた。3人の障害者が週4日、午前10時から午後3時まで働いている。稲刈り、キュウリ畑の設備設置・解体、タマネギやナガネギの種まき・収穫などさまざまな作業を行っている。

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台湾でのリンゴ加工品で流通を学ぶ海外研修

 青森県平川市の県立柏木農業高等学校(髙野浩輝校長、生徒380人)では、平成27年度から台湾でのリンゴとリンゴ加工品の流通等を学ぶ目的で海外研修を行っている。その中で同30年から、同校の生徒たちが加工したジャムが、台湾の日本食販売会社で取り扱われるようになった。生徒自らが現地の業者と直接交渉し、取り扱いを実現したもので、全国的にもユニークな取り組みとして注目されている。(市原幸彦)

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一般社団法人「ReRoots」の新たな挑戦

 東日本大震災による津波で、農業とコミュニティーが壊滅的な被害を受けた仙台市若林区を拠点に、一般社団法人ReRoots(リルーツ、代表理事=広瀬剛史)が大学生たちを中心に農園の運営、農産物の移動販売、マルシェ(公開市場)出店、農業体験を軸としたツーリズム事業など、多岐にわたる活動を行い、新たな形の復興に挑戦している。(市原幸彦)

 ReRootsは、震災後、広瀬さん(45歳)によって組織された市内に住む学生のボランティア団体が母体になっている。平成24年から一般社団法人として活動している。メンバーは約80人。「道路や家屋、農地などの復旧は進んだが、復興には、まだまだ課題があります。農業後継者の不足、農村文化やコミュニティーの衰退、過疎・高齢化です」と広瀬さん。

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