
1950年ニューヨーク生まれ。80年の大統領選ではモンデール副大統領のスピーチ・ライターを務めた。97年には「最も影響力のあるジャーナリスト50人」の一人に選ばれた。
暴走続けるトランプ大統領
アメリカ保守論壇 チャールズ・クラウトハマー
将来、歴史トリビアとして記憶に残ることになるだろう。アンソニー・スカラムチ報道部長が10日間で更迭され、世間を驚かせた。これは、トランプ政権という連続リアリティー番組の中で、最も面白いエピソードと言っていいだろう。自信たっぷりのごますりによる壮大なショーが話題をさらっていた一方で、それほど目立たないが、重要なことが起きていた。

トランプ氏、自身の恩赦模索
アメリカ保守論壇 チャールズ・クラウトハマー
透明性、汝の名はトランプ、ドナルド・トランプなり。衝動が、フィルターも、統治者も、編集者も経ることなく公的活動となる。ツイート、それが、トランプ氏がトランプ氏たるゆえんだ。
ロナルド・レーガン氏は、自己完結型で、人を寄せ付けなかった。公認伝記作家はレーガン氏を理解しようと気も狂わんばかりだった。トランプ氏はどんなときも分かりやすい。

選挙めぐりロシア側と面会
アメリカ保守論壇 チャールズ・クラウトハマー
ロシア疑惑は新たな段階に入った。後戻りすることはない。
米政府は半年間、トランプ陣営とロシアが昨年の大統領選介入で共謀したという疑惑は、当てこすりに過ぎないと主張してきた。共謀を裏付ける具体的な証拠は提示されていない。

情勢一変させた北朝鮮ICBM
アメリカ保守論壇 チャールズ・クラウトハマー
米国は25年間、5代の政権にわたって北朝鮮が正しい道を進むよう圧力をかけてきた。だが、手に負えなくなっている。
北朝鮮は7月4日、米国を攻撃できるとみられる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射を行った。今のところアラスカだけだが、すぐに米国全域を射程に収めるようになる。

人はなぜスポーツをするのか
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
数学では、永遠の真理を確信しながら、それを証明できないとき、もったいつけて頭文字を大文字にして仮説として発表し、正しいか間違っているかの証明をほかの人に、必要なら後の世代に、託すことになる。賞金が付いてくることもよくある。

ポスト「イスラム国」狙うシーア派
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
米国はシリアの戦闘爆撃機を撃墜し、イランはシリア東部にミサイルを撃ち、ロシアはユーフラテス川の西を飛行する有志連合の航空機を攻撃すると威嚇した。何が起きているのか。

止まらぬ大統領のツイート
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
10年以上前に「ブッシュ錯乱症候群」を命名したことを考えれば、今回の問題にも加わる資格はあると思う。トランプ錯乱症候群を際立たせているのは、この問題に関して広範囲に見られるヒステリーだけでなく、通常見られる政策の違いと精神的な病理との間の区別がなされていないことだ。

NATO軽視するトランプ氏、集団防衛の再確認を拒否
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
どうしたものだろう。トランプ大統領は先週の北大西洋条約機構(NATO)での演説で、一加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃とみなす第5条をはっきりと再確認しなかった。
これは、大変なことだ。トランプ氏は、NATO訪問中にNATOへの関与を確認しなかった。すでに、副大統領、国務長官、国防長官を送って、第5条の順守を確約したのではなかったのか。

サウジから始まる中東和平
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
「神々がアラブ・イスラエル紛争を最初に解決しようすれば、破壊することになる」-アービング・クリストル
米国は中東和平を追求し続けているが、何ともこっけいだ。失敗し続けているが、どの政権も取りつかれたように、中東和平に取り組む。トランプ政権も例外ではない。

トランプ氏への監視強化を、共和党内に広がる混乱
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
愉快な驚きの就任100日は終わった。ばたばたと忙しく、熱を帯び、混乱もあった。しかし、どれも通常の範囲内だった。政策(例えば医療保険)は徹底的に討議され、最高裁判事は承認され、外交政策の課題(例えば北朝鮮)には対応した。

政府の説明は作り話
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
信じがたいことに、連邦捜査局(FBI)のコミー長官が、2016年7月にしたことが原因で17年5月に解任された。その理由は、ロッド・ローゼンスタイン司法副長官が作成した覚書の中で説明されている。

依然危ういトランプ大統領
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
私の反トランプの友人はほぼ全員が、安心したと言っている。もっと状況が悪くなることもあり得た。友人らはもっと悪くなるだろうと思っていた。不安はまだ消えてはいない。しかし、国際秩序は保たれている。国は依然立っている。「民衆の敵」はまだ誰も逮捕されていない。

失速するポピュリズム
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
これまで、ポピュリストが反旗を翻して西側を席巻し、体制を根底から揺さぶっていると言われてきた。欧州連合(EU)でも、西側諸国の同盟でもそうであり、自由民主主義そのものが脅威にさらされている。
しかし、フランス大統領選の第1回投票が終わった今、ポピュリストの波は最高潮に達したものの、すぐに弱まるという見方が支配的だ。

判事指名めぐる戦い、ゴーサッチ氏の指名承認へ
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
あいまいな物言い、隠蔽(いんぺい)、露骨なごまかし、最高裁判事指名承認、議事進行妨害をめぐる共和党内のどたばたほど面白いものはない。議事進行妨害に反対であれ、支持であれ、これは、両党ともすでによく分かっていることだ。両党はこの問題について、熱意と確信をもって議論するが、候補者のイデオロギーによって、どちらを支持するかを臆面もなく変えてきた。

開かれた国民皆保険への道
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
オバマケアの廃止、見直しはまだ死んではいない。宣言されたが、それは、今のところ大統領が手を引き、下院共和党が意見の違いを埋められないという段階にある。
だが、このどちらも、いつまでも続くものではない。共和党内の各派間に考え方の違いはある。しかし、この行き詰まりを生んだ原因は、手順であることを見逃してはいけない。手順は容易に変えられる。

米国民主主義いまだ健在
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
黒い灰色の雲の下、広がる闇の中から差す一条の光。うれしい驚きの2カ月だった。民主主義制度が衰退するのではないかと心配されていたが、杞憂(きゆう)であったことが明らかになった。民主主義制度は生きている。

共和はオバマケア見直しを
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
「主は与え、主は奪う」というが、政府にとってはそれほどたやすくはない。例えば2000万人に医療保険が与えられれば、国民はそれを受け取るが、自己負担だ。これは政府からの補助のどれにも当てはまる。特に医療保険にはぴったり当てはまる。いったん整えた全国的な医療保険制度を廃止する西側民主主義国家がないのはそのためだ。

反乱を起こした州司法長官
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
オバマ前大統領が意図せずに残した遺産の一つに、ほとんどの人が気付いていないものがある。大統領権限に抵抗する新たな方法ができたことだ。大統領のさまざまな権限掌握に対抗する必要から生まれたある種のチェック・アンド・バランスだ。
それは、州司法長官らの反乱だ。結束して大統領令に反対する訴訟を起こし、阻止した。オバマ政権が終わっても、これは続いている。

フリン氏、隠蔽が命取りに
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
隠蔽(いんぺい)で罪はさらに重くなる―ウォーターゲート事件の際によく言われた言葉だ。フリン補佐官辞任問題は、犯罪の伴わない隠蔽の初めての例だ。
