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    中村 仁
    元全国紙経済記者
    高橋 克明
    高橋 克明
    「ニューヨーク BIZ」CEO 兼 発行人

    知識人よ、時代の奉仕人となれ

     米大統領選もいよいよ終盤に入り、共和党ドナルド・トランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン女史の両候補者の舌戦も激しさを増してきた。大統領選はパフォーマンス、それにショー的要素が強いが、今回の大統領選を欧州からフォローしつつ、感じてきたことをまとめてみた。

     クリントン氏もトランプ氏も予備選で勝利した候補者だ。ということは、党内、党代表内で最も多くの支持を獲得した候補者ということになる。当然、正式の候補者が決まった段階で党は全面的に候補者を支援するのがこれまでのパターンだった。それが今回、様相が違う。特に、トランプ氏の場合、党内の激しい批判の声に直面している。もちろん、それなりの理由はある。しかし、党予備選で勝利したということは、繰り返すが、トランプ氏が当選に必要な支持を獲得した結果だ。

     当方はトランプ氏の政治姿勢、発言を全て支持する立場ではないが、この段階でトランプ批判を高めている共和党幹部たちは、民主的プロセスで実施された選挙結果を忘れている、と批判されても仕方がないだろう。

     民主党内にはクリントン嫌いが結構多いが、多くの党員は選挙結果を甘受している。だが、対抗候補者だったバーニー・サンダース支持派にはクリントン批判の声が依然聞かれる。しかし、クリントン氏は党予備選で勝利したのだ。民主党内の過半数はクリントン氏を応援した結果と受け取るべきだろう。しかし、ここでも不思議なことだが、民主党内ではクリントン氏を支え、いよいよ決勝戦だといった高揚した熱気は余り感じられないことだ。

     トランプ氏の場合、「なぜこの人物を当選させたのか」といった自問が共和党関係者の中で執拗に聞かれる。そこで今回のコラムのテーマに入る。当方は“知識人の怠慢”がトランプ氏の当選を可能にしたと考えている。当選が決定後、トランプ氏の資質や能力、その政策を批判しても遅すぎる。選挙戦でトランプ氏のどこが問題かを有権者に分かりやすく説明できなかった結果、トランプ氏はプロパガンダを駆使して突っ走って来たのだ。

     知識人の役割を考える場合、6月23日の英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の結果を思い出す。離脱決定後、英国民の多くは「われわれは離脱したくない」と嘆いているのだ。それでは、なぜ、投票前にEU離脱が国にとって良くないかを有権者に説明できる知識人が出てこなかったのか。責任の第一は政治家だが、EU問題を理解している知識人の責任が問われる。それも投票前だ。投票後、いくら辛辣な分析、論評をしたとしても、投票結果を覆すことはできないからだ。

     英国のEU離脱を問う国民投票では、離脱派から多くの偽情報が流れ、国民をEU批判に誤導したと言われている。その時、EUの実態を知る知識人が率先して国民に、EUについて、EU離脱の意味などについて、冷静に論議を重ね、国民に伝えるべきだった。

     ちなみに、離脱派だったマイケル・ゴーヴ司法相(当時)は、「国民はいわゆる専門家と言われる人々に飽き飽きしている」と述べている。知識人、専門家の予測は当たらないからだ。

     多くの国民は身近な体験、不満、怒りから投票する。朝早くから仕事に出かける多くの労働者が不満、怒りから投票するのはある意味で避けられない。彼らが間違った決定に傾いたならば、知識人は彼らを納得させる説得力が求められる。知識は自己満足の手段でも出世の武器でもない。

     英国のEU離脱を問う国民投票も米大統領選の現状も、知識人の説明能力が決定的に欠如し、偽情報が独り歩きし、間違ったイメージ、判断が先行した結果、といわれても仕方がないだろう。米大統領選は今日、最高の候補者選びの選挙ではなく、最悪を回避する消却法的選択を強いる選挙の様相を深めている。

     蛇足だが、知識人という称号は、エリート意識の自負を満足させるためにあるのではない。様々な理由から知識を学ぶことができなかった人々へ、知識を伝播する責任が知識人にあるのだ。知識人は時代の奉仕人となるべきだ。

    (ウィーン在住)

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