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    高橋 富代
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    吉本 秀一
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    ピーターパン作戦

    マイアミの風

     数年前キューバ人の集まりでキューバ系米国人、フェルナンド氏と出会った。そこで「僕はね、ピーターパン作戦で米国に来たんだよね」と。それが私がピーターパン作戦を聞いた初めだった。

     この作戦はキューバの子供たち(5歳から18歳)を米国に脱出させるという前代未聞の試みだった。

     当時のキューバは米国主導のバティスタ政権が崩壊し、1959年1月にカストロを中心とする革命軍が政権を握り社会主義国を宣言していた。革命軍はバティスタ政権の高官など550名を即時処刑し、農地改革、産業の国有化、教育改革など社会主義政策を次々に実行していった。この時点で中、上流階級者はすぐに米国に亡命している。

     60年に入ると、社会主義体制は強化され、私立校の経営にあたっていたカトリック教会は私立校の行く末に不安を抱くことになる。私立校の生徒の父兄もまたほとんどが中流家庭でカトリック教徒だったので、不安は同じだった。革命政府は子供たちをソ連に送り、強制労働に従事させるというデマも飛び交っていたので、父兄たちの不安をさらにかきたてていた。

     実際、61年に革命政府は学生1000名を首都のハバナからソ連に送りだしているから全くのデマではなかったようだ。私立校の中心だった人物はひそかにマイアミのカトリック教会およびCIA(米中央情報局)と連絡をとり、早急な子供たちの移住計画を立てる。

     革命後も米国はキューバ奪還をあきらめず、反革命側のキューバ人による侵攻(ピッグス湾)を決行たりしたがことごとく失敗し、キューバ封鎖で外交関係は決裂し、米国はキューバとの国交を失ってしまう。これによりマイアミ―ハバナ間の航空路線は中止となり、「ピ-ターパン作戦」も終了してしまうのである。

     かくして60年の12月26日に始まった作戦は、62年に終了することになる。その間脱出した子供の総数は1万4千人におよんだ。この数が明白なのは米国側から急いでWAIVERS VISAが渡航者全員に発行されたからであった。当時子供たちを送り出した親たちは自分たちもすぐに米国に出国して子供たちとマイアミで生活できると考えていたし、子供たちも同様であった。

     だがマイアミ―ハバナ間の空路が中止になると、出国が困難になり永遠の別れとなった家族もあった。

     子供たちがマイアミに着くと、そのうちの50%には家族や友人の出迎えがあり、あとの半分はカトリック教会の福祉課が対応している。受け入れのため、マイアミでは収容施設が準備された。

     だが、親と子供の再会が実現するのは65年の終わり、ハバナとマイアミの航空路線が再開してからで、66年の6月までにやっと90%の子供の再会が実現した。親と子の双方にとってどれほど長い期間であったことだろう。その期間にマイアミだけでは対応できなくなり、他の35州以上の100を超える都市に子供たちは分散されてしまう。多くは米国家庭の養子となっていった。

     その後の彼らの人生が近年ドキュメンタリーで少しずつ明らかになっている。再会したものの親に情が開かなかったり、養家での性的虐待など心痛い経験者も多い。

     上記のフェルナンド氏は弟と一緒であり、教会の施設ですごし、比較的早く親が出国できて再会が早かったそうで恵まれたほうだったかもしれない。

     だが、いきなりの親との別れはどの子供たちにも大きな痛みを与えたことだろう。後年、作戦の実施者のカトリック関係者は、ひどい作戦だったと後悔の言葉を残している。

    (マイアミ在住)

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