■連載一覧
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
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  • 戦後70年 識者は語る
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  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
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  • 2015/12/11
  • 2015/11/13
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  • 新閣僚に聞く
  • 「立憲主義」について
  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
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  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
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  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
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  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
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  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
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  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • 国民の支持失うムスリム同胞団

    不発に終わったタハリール広場占拠

     過激なイスラム化政策と経済無策により政権発足後わずか1年で国民の信を失い、今年7月に大統領権限を剥奪されたモルシ前大統領の支持基盤、イスラム根本主義組織「ムスリム同胞団」は、“自分達こそ革命勢力である”と主張したいが故に、11日金曜日に、「革命の聖地」と自他共に認める首都中心部のタハリール広場への“突入と占拠”を計画したが、治安部隊と反同胞団勢力による警戒体制に阻まれ、不発に終わった。
    (カイロ・鈴木眞吉)

    治安悪化で観光業も不振

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    6日、エジプトのカイロで、治安部隊が放った催涙ガスから逃れようとするモルシ前大統領支持派(AFP=時事)

     同胞団による“タハリール広場占拠衝動”は、今までも度々みられ、6日には、第4次中東戦争戦勝記念日を同広場で祝賀中の軍支持・祝祭グループを挑発、広場への突入を試み、同グループや治安部隊と衝突、53人が死亡、271人が負傷、423人が逮捕されるという悲惨な結果を生んだ。

     同広場占拠の動機は、「自分達こそ革命勢力」と主張することによって、長期独裁政権打倒・民主主義確立を目指した「アラブの春」の流れの革命の主導勢力であることを誇示、「革命を継続している」と主張したいことにある。

     しかし、大多数の国民は、「アラブの春」の流れの革命は、同胞団によって盗まれ、求めた民主主義とは正反対のイスラム独裁体制下に押し込められそうだったところを、軍の助けによって辛くも脱し(モルシ・イスラム独裁政権打倒)、軍の支援(治安維持)で第2革命を進行中と考えている。ことに、第1革命を主導した若者グループらにとって、ムスリム同胞団は「革命の略奪者」にすぎず、同広場に一歩も入る資格のない者たちだ。

     タンタ大学のルシディ元教授は「同胞団は、エジプトで1リットル当たり1・1ポンドのガソリンを、密輸トンネルを通ずるなどして(パレスチナ自治区)ガザに大量に運び、14ポンドで売って、その分け前を、(同胞団を生みの親とする、パレスチナのイスラム根本主義過激派組織)ハマスと山分けしていた」と指弾した。預金がほとんどなかったモルシ氏の口座には、大統領職剥奪時までに、数十億ポンド(数百億円)が預金されたという。

     同胞団は今、モルシ政権を葬り去った暫定政権憎しの動機から、「嫌がらせと悪さ、小手先の戦略戦術」を弄し、国民に迷惑をかけることばかりに終始している感がある。(1)予告なしの突発的デモを各地の広場で展開し交通渋滞を招く(2)騒々しく太鼓をたたき、シュプレヒコールを上げて、通りを我が物顔で練り歩く(3)通勤通学時の電車に大量動員して車内混乱を助長する(4)線路上に爆発物を設置する――など、例を挙げれば切りがない。

     同胞団の無差別で突発的、断続的なデモに最も頭を悩ましている業種の一つは観光業。治安改善なくして観光客は戻らないからだ。観光収入が、スエズ運河航行料と出稼ぎによる海外からの送金と共に3大収入の一つであるエジプトでは、観光客激減による経済打撃は深刻。外貨獲得手段も失われる。

     在エジプト日本大使館が、エジプトの危険度を3・5に引き上げたことから、日本人学校の生徒や企業関係者、国際協力機構(JICA)など政府系団体要員も一斉に日本に引き上げたが、つい最近、情勢が少々安定したことを受け3・0にしたことから、生徒や職員らが続々戻ってきた。ただ、旅行客を呼び込むには2・0、JTBなど大手旅行社の募集再開には1・0になる必要がある。

     いずれにせよ、同胞団は、治安悪化と観光業不振の元凶として、国家の“癌”と見なされている。

     ただ、EUのアシュトン外交安全保障上級代表は3日、同胞団幹部の釈放を求め、米国は同月9日、対エジプト軍事援助の一部停止を決定するなど、暫定政府への圧力を加えている。このことは同胞団を勇気付け、デモを継続拡大させ、治安を深刻化させる可能性があり、要注意だ。

     欧米諸国はエジプト国民の目線まで下りて理解を深め、慎重な対応をすべきだ。オバマ政権は、「アラブの春」以降の中東政策の中心に、同胞団とトルコを据えたとされるが、同胞団はもとより、エルドアン政権もイスラム化を強力に推進し、民主化に逆行する傾向を見せていることから、早急に軌道修正しなければ禍根を残しそうだ。暫定政権への圧力強化は、エジプトの欧米離れとロシア接近を促し、対イスラエル関係の悪化を通じ、中東全域の混迷の度は一層増す可能性がある。

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