■連載一覧
  • 第3次改造内閣 信頼回復へ始動
  • 南シナ海 強まる中国支配 安保専門家に聞く
  • 香港・中国返還20年 「一国二制度」の前途
  • ’17首都決戦
  • 北朝鮮 制裁の現実
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  • 2017/6/27
  • 2017/6/26
  • 2016 世界はどう動く-識者に聞く
  • 戦後70年 識者は語る
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  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 2014/7/08
  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • 2013/4/18
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  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
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  • 2015/12/11
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  • 新閣僚に聞く
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  • 再改造内閣 始動
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  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
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  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • どう対処 北の脅威 米有識者に聞く
  • 9年ぶり左派政権 文在寅大統領の韓国
  • 弾劾の波紋 漂流する韓国政治
  • 検証・金正恩統治5年
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
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  • 米軍再建への課題-元上級将校の提言
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  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
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    安東 幹
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    坂東 忠信
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    古川 光輝
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    細川 珠生
    細川 珠生
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    井上 政典
    井上 政典
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    伊勢 雅臣
    伊勢 雅臣
    「国際派日本人養成講座」編集長
    河添 恵子
    河添 恵子
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    宮本 惇夫
    宮本 惇夫
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    中村 仁
    元全国紙経済記者
    石平
    石平
    評論家
    高橋 克明
    高橋 克明
    「ニューヨーク BIZ」CEO 兼 発行人

    金正恩氏の「パラノイア説」

     音楽の都ウィーンは精神分析学の創設者ジークムンド・フロイト(1856~1939年)、「個人心理学」のアルフレッド・アドラー(1870~1937年)、そしてロゴ療法を提案したヴィクトール・フランクル(1905~1997年)など多数の著名な精神分析学者を生み出した都市だ。……というわけではないが、知人の外交官は「きみ、北朝鮮の金正恩氏はパラノイア(Paranoia)だね」と、北の独裁者の精神状況に対して診断を下したのだ。

     ウィーンではなく、平壌でこのよう診断を下したならば、知人は政治収容所に即連行されるか、その場で処刑されるだろう、という思いを感じながら、当方は知人外交官の診断に苦笑した。

     知人外交官とは日本レストランで会った。彼は当方から北の最新情報を知りたがっていた。そこでマレーシアのクアラルンプール国際空港で起きた「金正男暗殺事件」(2月13日)の経緯とその背景について説明した。その中で「金正恩氏のパラノイア説」が飛び出してきたわけだ。

     国連安全保障理事会は8日、緊急会合を開き、北朝鮮のミサイル発射を受けた対応策を協議したが、その後の記者会見でヘイリー米国連大使は金正恩氏について「理性のある人物ではない。驚くほど無責任で傲慢だ」と批判したという。

     金正恩氏が無責任である点は議論の余地はないし、常識から判断すれば、「理性がない人間」と評価されたとしても致し方がないだろう。大多数の国民が飢え苦しんでいる中、巨額の資金を核兵器、ミサイル開発に投資する独裁者は、どう見ても理性的とはいえないからだ。

     ただし、知人外交官が診断した「パラノイア」は、内因性の精神病で、特徴は妄想が伴うが、その思考論理は一貫しており、行動や思考の乱れはあまりないのだ。だから、外観からでは普通の人間と余り変わらないが、その言動を慎重にフォローしていくと、妄想など偏執病の症状が見られる。

     当方は「金正恩氏は頭は悪くない」と見ている。突発的で、暴力的言動が見られるが、基本的にはその言動に一貫性があるからだ。もちろん、外部からみれば、彼は独裁者以外の何者でもないし、その言動には狂暴性が見立つ。しかし、少なくとも馬鹿ではないのだ。

     核兵器開発に執着し、その放棄は考えていない。核兵器保有こそ、金政権の生存を保証する唯一の選択であることを知っているからだ。大陸間弾道ミサイルの開発も同じ思考の延長線だ。正恩氏の軍事的思考には揺れが見られない。

     ところで、金正恩氏の実母が在日出身の高英姫夫人だったという事実が異母兄、金正男氏への負い目となり、強いライバル意識があったという解釈がある。叔父の張成沢氏が金正男氏を支持し、正恩氏を政権から追放するのではないか、という妄想を払拭できずに苦しんできた。金正恩氏には“出自”への負い目が予想以上に強いというのだ。

     パラノイア気質が強い人間は、負い目を甘受せず、その是正に乗り出そうとする。金正恩氏は負い目を感じてきた正男氏を暗殺し、それに先立ち、正男氏を支援してきた叔父を処刑した。正恩氏の言動にはある意味で一貫性がある。ミサイルを発射する一方、その数日後、マレーシアで金正男氏暗殺を指令しているのだ。

     上述した外交官は、「独裁者はパラノイアが多い。その意味で金正恩氏も例外ではない。自身の権力を失うのではないかと恐れている。そして誰かが自分を裏切らないかと常に懐疑心に憑りつかれている。だから、側近を処刑する。パラノイアは独裁者の職業病だ。パラノイアではない独裁者を見つけるのは難しい」と指摘した。

    (ウィーン在住)

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