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    韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

     古代と中世の皇帝や王族、貴族にとって動物は権力と富の象徴だった。王宮や私有地に展示する動物の種類と数は権力、金力と比例した。ローマ帝国のトラヤヌス帝はトラ、ゾウなど1万1000頭の動物を捕獲していたが、ダキア征服・領属を記念して123日間狩猟競技を行い全て殺戮(さつりく)した。

     近代の動物園の始まりは1752年、オーストリアのウィーンに設立されたシェーンブルン動物園だ。神聖ローマ帝国の皇帝フランツ1世が妻のマリア・テレジアのために造ったこの動物園は1765年、ヨーゼフ2世によって大衆に公開された。キリン、シマウマ、ゾウなど異国的な動物が多く、直ちに名所となった。

     動物だけが動物園の見せ物になったのではなかった。1870年代にドイツのハーゲンベック動物園は観覧客が減ると、スーダン、エスキモー、オーストラリアの原住民を捕まえてきて“人間ショー”を行った。帝国主義時代の白人の有色人種に対する偏見の一端がうかがえる内容だ。

     北朝鮮の平壌中央動物園は「世界で最も悲しい動物園」の一つに挙げられる。2011年、アメリカの環境ニュースサイト『マザー・ネイチャー・ネットワーク(MNN)』はこの動物園の猛獣が飢えた状態で随時、死ぬまで戦うショーに追いやられると指摘し、このように選定した。

     先月24日、ソウル大公園の動物園の檻(おり)から逃走したトラが飼育係にかみついて重体に陥れた。昨年8月にも絶滅危惧種のシロサイのオスが檻から逃走して暴れたため、放水砲で撃たれ心臓麻痺(まひ)で死んだ。猛獣管理の盲点を補完する安全対策が切実に求められる。動物はひどいストレスを受けると突発的な異常行動に出る。チーターは一日中同じ区間をぐるぐる回る。キリンはペイントが剥げ落ちるぐらい休まずに壁を舐(な)め続ける。アフリカの草原に住んでいたのが捕まえられて草一本もないコンクリートの檻に閉じ込められるのだから、どれくらいもどかしいかは言うまでもない。

     野生を放棄させられた動物たちにとって動物園は夢とロマンの園ではない。動物園を映画『オールドボーイ』の独房や終身刑の監獄に例えたりもする。猛獣の相次ぐ脱走劇は人間のための動物園でなく、動物のための動物園を造ってほしいという絶叫かもしれない。動物らしく生きたいというその叫びを心に刻みつけない限り、このような事故は繰り返されるだろう。

    (12月3日付)

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