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  • 遠藤 哲也
    遠藤 哲也
    元日朝国交正常化交渉日本政府代表
    岩崎 哲
    岩崎 哲
    韓国北朝鮮問題
    高永喆
    高永喆
    拓殖大学客員研究員
    宮塚 利雄
    宮塚 利雄
    北朝鮮専門家
    宋大晟
    宋大晟
    元世宗研究所所長

    金第1書記「フジモトは政治家みたい」

    検証 元料理人 藤本氏の再訪朝(上)

    妹・与正氏を「宣伝扇動部副部長」と自ら紹介

     北朝鮮の金正日総書記の元専属料理人だった藤本健二氏(仮名)が今月12日から23日まで3年8カ月ぶりに訪朝した。日本人拉致問題の解決に向け糸口を探ろうとしている中、藤本氏訪朝はどんな意味を持つのか。本人や関係者の証言から探る。(編集委員・上田勇実)

     藤本氏の署名が入った1通のFAXが朝鮮労働党書記室に入った。「また平壌へ行って食堂をやりたい」。それから間もない4月1日、仲介人を通して北朝鮮から返答があり、藤本氏は正式に北朝鮮に招待された。期限切れになっていたパスポートを大急ぎで申請し、発給された11日に北京に飛び、すでに準備されていた北朝鮮の入国ビザで翌12日平壌国際空港(別名・順安空港)に降り立った。

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    訪朝期間中、平壌の高層街を訪れた藤本氏(中央)と妻のオム・ジョンニョさん(右)、娘のジョンミさん(提供=藤本氏訪朝関係者)

     最初に案内された招待所で今回の訪問に日本の警察やマスコミが関係しているかなど尋問が行われた。その後、指示された通り平壌市内の高麗ホテルの玄関先で待機していると、黒塗りのベンツが入ってきた。助手席から降りてきたのは4年前の訪朝時に藤本氏を案内した金チャンソン書記室室長。ドアを開けた瞬間、ハンドルを握っている最高指導者・金正恩第1書記の姿が見え驚いた。

     藤本氏の体調に異常がみられないことを確認し、ホテルでシャワーを済ませた後、金チャンソン氏が運転する車で金第1書記の官邸に近い「72号招待所」と呼ばれる施設に案内された。

     午後4時半、同招待所で金第1書記を囲んだ宴会が始まった。「手を差し出すと最高司令官同志(金第1書記)は力強く私の手を握り抱擁してくれた。その感じではそれほど太っているという印象は受けなかった」(藤本氏)という。

     金第1書記は「フジモトが何回も手紙(FAX)を送ってくれたので、名節(4月15日の太陽節=金日成主席の誕生日)もあるから一緒に過ごしたかった」と藤本氏に語り掛けた。北朝鮮は今年に入り核実験、長距離弾道ミサイルや潜水艦ミサイルの発射など強硬一辺倒だった。なぜこのタイミングで藤本氏を呼んだのか。

     しばし忘れていた藤本氏からのFAXが金第1書記の目に留まり、ただ単に会ってみたくなったのではないか――。関係者や専門家の間では実はこんな見方が出ている。

     宴会で金第1書記は妹・与正氏を「宣伝扇動部副部長」と自ら紹介した。最側近の一人である崔竜海・国家体育指導委員会委員長もいたが、「どこかかしこまっていた様子」(藤本氏)だった。

     4年前の訪朝時、金第1書記の義理の叔父で事実上の後見人だった張成沢・党行政部長(当時、2013年12月銃殺)や今なお権力中枢にいると目される金総書記の4番目の妻、金オク氏などが同席したことに比べると「重量級幹部」が少なく、見劣りする感は否めない。極度の恐怖政治が影響しているのだろうか。

    平壌出店を承諾、来月また訪朝か

     今回、藤本氏は日本政府の親書を手渡すことも、金第1書記からメッセージを託されることもなかったと話している。

    600

     4年前のように拉致問題で日本の立場を説明することもなかった。しかし、宴席で金第1書記が発言した内容として藤本氏が書き残したメモにはこう記されている。

     「わが国と米国の関係はすこぶる悪く、ロケットを飛ばしたりしているが、わが国は戦争をしたいなどとは全く思っていない」

     「フジモトは政治家になったみたいだな。でもフジモトとは外交はしない(少しすねたような言い方で)」

     宴会の間中、藤本氏は金第1書記の真意を推し量ろうとしたが、藤本氏が何かはっきり悟ったのかメモでは定かでない。

     3時間後、宴会が終わり会場を出ようとした所で金第1書記は握手を求めながらこう言ってきた。「困ったことがあったら言いなさい」

     東京で気に入ったラーメン屋の味を覚え、高麗ホテルに店を出したいと申し出たところ、金第1書記は「あそこのホテルは古いから、新しい街に出せばいい」と承諾したという。

     日本政府の中には藤本氏が一民間人でありながら日朝の間を往来する特殊なメッセンジャーとして動くことをそれほど重視しない人もいる。

     今回の訪朝で再会を果たした北朝鮮に残す妻子は「人質」にすぎず、しょせん、藤本氏は北朝鮮の思惑の中で動くのではないかと不信する向きもある。

     だが、一昨年5月、拉致被害者の再調査で合意したはずのストックホルム合意は事実上北朝鮮に反故(ほご)にされたまま、仕切り直しのきっかけすらつかめずにいる。

     藤本氏は来月半ばをメドに再度の訪朝を検討している。

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