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    仏メディアにあふれた「カミカゼ」

    山田寛
     テロに明け暮れた今年。IS(イスラム国)の特大テロに襲われたフランスの報道を追っていて、心に刃物が突き刺さった。kamikazeという語がいっぱいだったからである。

     英語その他にも「カミカゼ」は入っている。2001年の米同時多発テロも、「カミカゼ・アタック」と形容された。だが、仏語にはより深く浸透し、形容詞的用法だけでなく、決死テロ実行犯が皆「カミカゼ」と呼ばれる。

     カミカゼ2人が射殺され、3人目の女カミカゼは自爆し…などなど。この語はもう完全に定着してしまったと実感し、後悔した。「私たちは無頓着で怠慢だった」。

     日本の神風特攻隊は非道な作戦だったが、大戦の中、敵軍艦だけを目標にした。平時に市民を大量惨殺するテロとは大違いだ。特攻隊員の遺書には、「天皇陛下万歳」と別に、父母、妻子など愛する人々、同胞を護(まも)るため生命を捧(ささ)げようという人間愛や、将来の平和への願いも滲(にじ)む。現代の過激派テロは、そのかけらもない。女性も子供も自爆テロ犯に使い捨てる。

     仏語で「カミカゼ」がテロ関連の普通名詞として初登場したのは、1960年代半ばだ。66年7月のルモンド紙に、アルジェリア独立反対のテロ組織、OAS(秘密軍事組織)に関するこんな記事があった。

     「彼らから、命がけでドゴール大統領を傷つけようとする『カミカゼ』は出なかった。大和魂不足だった」。

     70~80年代、フランス、欧州は、極左や中東からのテロに見舞われ、「カミカゼ」も少しずつ仏語に浸透した。自爆テロはまだ少なかったから、浸透も少しずつだった。

     80年代後半、日仏貿易不均衡が拡大し、仏政府もメディアも「日本はルールを守らない敵だ」「殺し屋だ」などと、激しい対日経済批判を展開した。日米と比べ日仏間は遠く、日本は不可解な異形の国とされ、批判記事には「サムライ」「カミカゼ」「ハラキリ」などの語が、異形を示す装飾語として用いられた。

     そんな土台があり、2000年代に世界と欧米に自爆テロが広がって、「カミカゼ」は一層普及する。閣僚から一般市民まで普通に使う言葉になった。

     そして、先月の仏国内初の大自爆テロで、「カミカゼ」使用も最高潮に達したわけだった。

     それに対し、日本で、“ネトウヨ”ブログなどで反発の声が多少上がった。だが、その反発に反発する左派の書き込みもあった。

     日本にももちろん「特攻=テロ」論者はいる。10年余り前、2人の花形テレビ・キャスターもそう論じた。テロと別だが、半世紀も前、乱暴運転タクシーを世間は「神風タクシー」などと呼んで、揶揄(やゆ)した。

     私たちは、祖父母や父母の世代の名誉を守ることに、無頓着すぎたのではないか。

     「無頓着と怠慢」を後悔したというのも、仏メディアに「カミカゼ」表記が少しずつ広がりだした段階で、在仏日本人などがそれに異を唱えればよかった、と思ったからだ。当時、私もパリ駐在だった。その時点ならまだ、そう記した新聞などに「特攻隊員はテロリストじゃない」と訴える投書キャンペーンぐらいできたはずだった。仏語に完全定着してしまった今、そんなモグラたたき的対応も何も通用しまい。

     因(ちな)みに、中韓との歴史問題でも、根拠のない文言や数字が用いられたら、それが完全定着する前に、その都度明確に反論し対応しなければだめだ。ゆがんだ文言を放置する無頓着は、父祖を傷つける。将来の近隣との真の友好関係のインフラもゆがめてしまう。

    (元嘉悦大学教授)

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