■連載一覧
  • 香港・中国返還20年 「一国二制度」の前途
  • ’17首都決戦
  • 北朝鮮 制裁の現実
  • どう対処 北の脅威 米有識者に聞く
  • 9年ぶり左派政権 文在寅大統領の韓国
  • 2017/7/01
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  • 2017/5/17
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  • 2016 世界はどう動く-識者に聞く
  • 戦後70年 識者は語る
  • 2015 世界はどう動く-識者に聞く
  • 2014 世界はどう動く
  • 2016/1/04
  • 2015/8/09
  • 2015/1/07
  • 2014/1/06
  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
  • 2016/1/18
  • 2015/12/26
  • 2015/7/12
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  • 2014/11/14
  • 2014/11/06
  • 2014/7/08
  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
  • 2016/9/21
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  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
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  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
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  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • 弾劾の波紋 漂流する韓国政治
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  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
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  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
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  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
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    安東 幹
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    古川 光輝
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    細川 珠生
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    井上 政典
    井上 政典
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    伊勢 雅臣
    伊勢 雅臣
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    河添 恵子
    河添 恵子
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    宮本 惇夫
    宮本 惇夫
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    尾関 通允
    尾関 通允
    経済ジャーナリスト
    中村 仁
    中村 仁
    元全国紙経済記者
    高橋 克明
    高橋 克明
    「ニューヨーク BIZ」CEO 兼 発行人

    「砂漠の宗教」とテロリスト

     「月の沙漠」という童謡を聞くと、目頭が次第に熱くなるのを感じる。いつもそうだ。まだ見たこともない砂漠の世界が脳裏に浮かび上ってくる。やり切れないほどの静かさの中、月だけが神々しい光を放つ。

     ウィーンの自宅の仕事場で疲れたら窓から空を見ると、午前中ならウィーン国際空港に向かう旅客機がかなり大きく見える。大好きなコーヒーもその気になれば何杯も飲める。砂漠の反対の世界だ。そして自分は砂漠の世界には生きていけないことを感じる。コーヒーが自由に飲めないからではない。砂漠の世界に生理的に耐えられないと感じるからだ。

     昨年5月、ヨルダンの首都アンマンに取材で出かけた。幸い、砂漠を目にしなかったが、その空気や大地は乾燥していた。アンマンより砂漠に近い場所を訪れたことはない。欧州の国々はほとんど訪問したが、砂漠との出会いをこれまで避けてきた。

     多分、砂漠には神が存在し、そのプレゼンスを感じることができる場所だろう。砂漠では、心を動かされる何もないので、人の思考は自然に天に向かう。そして唯一の神を崇拝する宗教が誕生したわけだ。ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教の唯一神教が砂漠の地で生まれたのも偶然ではないはずだ。唯一神教は“砂漠の宗教”と呼ばれている。

     イスラエル民族の指導者モーセは60万人の民を率いてエジプトを出国し、荒野を流浪した。イスラエルの民が金の子牛をつくり、それを「民を導いた神だ」として崇拝する姿を見たモーセは激怒した。お腹が空いたとしてエジプトを恋い慕う民を見てがっかりする。神はイスラエルの民にマナとウズラを与えた。モーセは40日間断食しながら、神に呼ばれ、あの有名な十戒を神から受け取っている。エジプトから出たイスラエルの民の多くは荒野で死んだ。ヨシュアに率いられて約束の地に入れたのは荒野で生まれた2世たちだった。唯一の神を崇拝することは如何に難しいことだろうか。

     なぜ、神はイスラエル民族を砂漠に導いたのだろうか。もっと楽な道があったが、神はその道を選び、導いた。何の助けも期待できない砂漠でイスラエルの民が自分に救いを見出すことを願っていたのだろうか。なぜならば、神は“妬む神”だからだ。

     当方は音楽の都ウィーンに住んで長くなる。26日、初雪が降った。雪を見ながら、コーヒーを飲み、新聞を読む。多くの人々でにぎわう都会に住む当方が神を見出すことは容易ではない。弁解に聞こえるかもしれないが、実際問題だ。欧州のキリスト教社会で神は次第にその姿を隠し、教会も内外の問題を抱え、生きのびていくのに苦慮している。

     「都会の砂漠」という言葉がある。多くの物質に取り囲まれ、一見、恵まれているが、心の世界は砂漠のように乾燥している都会人が少なくない。そのような都市社会の真っ只中、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が襲ってきた。カリフの世界、イスラム国の建設を訴え、異教徒を襲撃する彼らの姿は異様であり、どこか砂漠から来た群れのような雰囲気を与える。

     「イスラム国」メンバーの多くは砂漠の世界を知っているのだろう。「都会の砂漠」(ホームグロウン・テロリスト)から、ある者は「中東の砂漠」から来たテロリストたちが、獰猛な野獣のように襲いかかっている。砂漠は神に出会う場所かもしれないが、同時に、悪魔の声も聞こえてくるのではないか。

    (ウィーン在住)

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