■連載一覧
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
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  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
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  • 2015/1/07
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  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
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  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 2014/7/08
  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
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  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
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  • 新閣僚に聞く
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  • 再改造内閣 始動
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  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
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  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • 2013/7/08
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
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  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
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  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
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  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
  • オバマの対宗教戦争・第1部
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  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • なぜハンガリーは難民を拒むか

     ハンガリーの国境警備隊が対セルビア国境沿いでフェンスを越えて入ろうとした難民・移民に対し放水する一方、催涙スプレーを使用するなど厳しい対応に出た。このニュースが流れると、欧州諸国や人権グループからハンガリー政府の対応に非難ごうごうとなった。欧州が直面している難民・移民問題ではこれまで静観してきた国連の潘基文事務総長もハンガリー政府の対応を批判。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は17日 、ハンガリーが難民・移民に関する国際法を違反していると異例の批判を発表している。

     ハンガリーは過去、多くの国民が隣国に亡命した難民体験をしている。ハンガリー動乱(1956年)だ。民主化運動が旧ソ連軍の弾圧で挫折し、多くの国民が隣国オーストリアに亡命していった。その数は25万人にもなるといわれた。ハンガリーからの政治亡命者を隣国オーストリアは暖かく迎え入れた。その後、歴史的に繋がりが深い両国はより一層、友好関係を築いてきた経緯がある。

     しかし、北アフリカ・中東諸国から押し寄せてきた難民・移民問題ではハンガリーの中道右派政権のオルバン首相は難民のドイツ行きを止める一方、突然、難民をオーストリアに送り出すなどジグザグな対応を展開。オーストリアのファイマン首相はハンガリーの難民・移民政策をあからさまに批判し、両国首脳の関係は険悪化した。

     ところで、なぜ、難民生活を体験した国のハンガリーが今回、難民・移民に対し強硬姿勢を続けるのか。もちろん、ハンガリ-だけではなく、チェコ、スロバキア、ポーランドといった東欧諸国は一律、難民の受け入れに消極的であり、ブリュッセルが要求する難民の公平な分担案に対して拒否を続けている。財政負担だけが問題ではないはずだ。

     考えられる理由は2つある。共産政権時代、旧東欧諸国は日本と同様、外国人といわれる存在は皆無だった。ジプシー(ロマ人)など少数派民族はいるが、迫害され、疎外されてきた。東欧諸国の国民には異民族と共存した経験がほとんどない。だから、民族、宗教、文化が全く異なる中東・北アフリカの難民・移民の受け入れに対し極端に不安を覚えるのだ。

     もう一つの理由は歴史的なものだ。難民・移民のほとんどがイスラム教徒だ。ハンガリーは約150年間(1541~1699年)、オスマン帝国の支配下にあった歴史がある。イスラム教徒への潜在的恐れがある。そのイスラム教徒が自国の国境線に迫ってきたのだ。オルバン政権は一種のパニック状況に陥り、有刺鉄線と高さ4mのフェンスを設置していったわけだ。同国の大多数の国民は政府の対応を支持している。

     国際社会から糾弾されるオルバン首相はオーストリア日刊紙「プレッセ」らのインタビューに応じ、「欧州のキリスト社会は弱さを抱えているのだ。少子化であり、家庭は崩壊し、離婚が多い。一方、イスラム教徒は家庭を重視し、子供も多い。人口学的にみて、時間の経過と共にイスラム教徒が社会の過半数を占めることは避けられないだろう。その上、欧州に移住したイスラム教徒にキリスト教社会への統合は期待できないことだ。メルケル独首相自身も『多文化社会は失敗した』と告白しているほどだ」と答え、政府の対応を弁明している。換言すれば、ハンガリーの難民・移民対策は自国のアイデンティティ死守しようとするものだ。

     ハンガリーだけではない。スロバキアも「わが国は難民を受け入れるが、キリスト系難民だけだ」と言い切ったことがある。異国人、特に、イスラム教徒に対して、東欧諸国は強い抵抗感を払しょくできないでいるのだ。

    (ウィーン在住)

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