■連載一覧
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
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  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
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  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
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  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
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  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • 2013/7/08
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
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  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
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  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
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  • 再考 オバマの世界観
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  • 2013/9/30
  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • 難民・避難民と神の「約束の地」

     20日は「世界難民の日」」(World Refugee Day)だ。ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は17日、一般謁見の場で武力紛争地からの難民の保護と共に、難民が生まれる原因の解明とその対策を訴えた。ローマ法王は、「故郷を追われ、新しい住む地を探す兄弟姉妹が不安なく生活できますように祈ろう」と呼び掛けている。

    ジュネーブに本部を置く国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は9日、今年に入って地中海を超えて欧州諸国に渡った難民数は同日現在10万3000人に達したと発表した。そのうち、イタリアが最も多く、5万4000人、そしてギリシャの4万8000人という。UNHCRによると、昨年末の時点で難民、避難民の総数が5950万人だったという。

     欧州諸国は、海路や陸路を通じて欧州の地に殺到する難民の収容に腐心し、難民の公平な受け入れ枠を検討しているが、積極的に難民を受け入れる国はないのが現実だ。

     以下、2、3の欧州の難民事情を紹介する。

     先ず、オーストリアでは各州の難民収容所は既に超満員。そこで収容所内の空地にテントを設置して難民たちを収容しているほどだ。冷戦時代、旧ソ連・東邦諸国からの難民収容所だったニーダーエステライヒ州のトライスキルヒェン難民収容所では、収容しきれない400人以上の難民がテント生活を強いられている。

     「難民がテント生活」というニュースが流れると、野党「緑の党」から「難民の人権を傷つける。早急にテントを回収し、収容所に移すべきだ」という声が飛び出した。ローマ・カトリック教会の慈善組織「カリタス」関係者も、「雨が降ればテント生活では濡れてしまう」と指摘、早急に収容所を探すべきだと主張。それに対し、ヨハナ・ミクルライトナー内相は、「緊急処置だ。難民が収容できる場所が見つかればテントは回収する」と説明。国防省は4カ所の兵舎を新たに難民収容所に提供する意向だ。

     隣国ハンガリーではセルビア経由で殺到する難民対策のため対セルビア国境線に高さ4メートルの塀を作る計画が進行中だ。同国ではシリア、イラク、アフガニスタンなどの紛争地から多数の難民がセルビア経由でハンガリー入りし、これまで4万5000人が難民申請をしたという。ちなみに、ハンガリーでは昨年4万3000人の難民がハンガリー入りした。2012年はその数は約2000人に過ぎなかった。

     2011年のシリア内戦勃発以来、ブルガリアでは陸続きで欧州入りを目指す難民たちがトルコ経由で殺到している。それを防ぐため、ブルガリア政府は13年、トルコ国境線沿いに30キロメートルの鉄条網を建設したが、それでは十分でないとして、ハンガリーと同様に、鉄条網をトルコ国境線全160キロに拡大する計画という(「21世紀の“招かれざる客”と『壁』」2015年5月9日参考)。

     難民の中には欧州でよりよい生活を夢見る経済難民も多く、人身売買グループに大金を払ってきた難民もいる。一方、欧州諸国も金融危機以来、国内経済は低迷、失業者は増加し、その対策に追われている。だから、難民への人道的支援と具体的な収容能力の間で苦悩する国が少なくないわけだ。ここにきて、「経済難民と判明すれば、即送還すべきだ」という声が高まってきている。

     エジプトから出国したユダヤ民族は、“乳と密の流れる神の約束の地カナン”を目指して荒野の流浪の日々を過ごした。そして民族が待ち望んできた救世主イエス・キリストが2000年前降臨したが、彼を十字架にかけてしまった。その後、ユダヤ民族は再びディアスポラ(離散)となって世界に散らばっていった。一方、中東・北アフリカの紛争から逃れ、避難する21世紀の難民たちは、より安全で、より豊かな欧州の地を目指す。迎える側の欧州の国民は、「われわれのボートはもはやいっぱいだ」と叫ぶが、難民の耳には届かず、彼らは欧州の地が安全で豊かだと信じている。欧州の地が彼らの“神の約束の地”ではない、と分かっていてもだ。

    (ウィーン在住)

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