■連載一覧
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
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  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
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  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
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  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
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  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
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  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
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  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
  • オバマの対宗教戦争・第1部
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  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • なぜ、君は死を急ぐのか

     ドイツでは毎年、約600人の25歳未満の青年たちが自殺する。10歳から24歳までの青年たちの死亡原因で自殺は第2位だ。ちなみに、同国では毎年、約1万人が自殺する。この数字は交通事故死、麻薬中毒死、そしてHIVによる死者数を合わせたより多い。バチカン放送独語電子版が先月21日、報じた。
     
     当方の周辺でも若者の自殺を聞く。初春の時だったと思う。地下鉄シュテファン大聖堂駅からスウェ―デン広場を歩き、同広場駅に着いた時だ。駅周辺の様子がいつもと違う。若者が走ってきた地下鉄に飛び込んだという。警察、医者、地下鉄関係者が駅構内を閉鎖し、事故を調査中という。

     また、数年前、ウィーンに住む邦人が自殺したことを知った時、ショックを受けたことを覚えている。オーストリアに住みながらその日本人は何をしていたのだろうか。音楽を学んでいたのだろうか。それともどこかの会社に勤めていたのだろうか。ウィーンは小さな都市だ。ひょっとしたら、その青年とどこかで会っていたかもしれない、と考えると心が痛くなった。冬が過ぎ、春が到来したが、彼はそれを持つことができなかったのだ。

     音楽の都ウィーン市も自殺者が多いことで知られている。ベートーヴェン研究家としても有名なロマン・ロランはその著書「ベートーヴェンの生涯」の中で、「ウィーンは軽佻な街だ」と評している。観光都市として常にイベントを開き、イベントで暮れる。そのような都市の片隅で自殺者が絶えないのだ。オーストリアでは自殺を Volkskrankheit(国民病)と呼ぶ。

     経済協力開発機構(OECD)によれば、2012年の韓国の自殺死亡率は29.1人でOECD加盟国のうち最も高いことをこのコラム欄で紹介したばかりだ。急速に経済国に発展した韓国の社会で自殺が疫病のように拡大してきているのだ。大統領職経験者から著名な俳優・女優たちも自殺する。著名人の自殺が報じられるたびに、「なぜ」という言葉が呟かれるが、誰も満足のいくような返答をする者はいない。

     米ハーバード大学社会学者、ニコラス・クリスタキス教授は米国の自殺の名所といわれるカルフォルニアのゴールデンブリッジから飛び降り自殺した人間を調査する一方、飛び降りたが、死なずに生きた人間を詳細に検証している。
     それによると、1937年から今日まで約1200人がゴールデンブリッジから飛び降りたが、そのうち26人が助かった。その助かった人たちの多くは自殺しようと飛び降りた瞬間、「全ての過去の問題は本来解決できたのだと分かる一方、飛び降りて自殺しようした行為だけはもはや取り返しがつかないと後悔した」と証言している。幸い、死なずに生きのびた人間は橋の上から水面まで約220フィート(約67メートル)の落下中に全く同じ経験をしているのだ。非常に興味深い研究だ。

     どのような苦しい問題も解決できる。物の見方、生き方をチェンジすれば、全く別の視野が開かれる。失望するのに急ぐことはない……米大学教授の研究成果はそのようなことをわれわれに語り掛けている。若者たちよ、死を急ぐべきではない。

    (ウィーン在住)

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