■連載一覧
  • 北朝鮮 制裁の現実
  • どう対処 北の脅威 米有識者に聞く
  • 9年ぶり左派政権 文在寅大統領の韓国
  • 施行から70年 憲法改正を問う
  • 疑問の「同性パートナーシップ」
  • 2017/6/26
  • 2017/5/17
  • 2017/5/11
  • 2017/4/26
  • 2017/4/11
  • 2016 世界はどう動く-識者に聞く
  • 戦後70年 識者は語る
  • 2015 世界はどう動く-識者に聞く
  • 2014 世界はどう動く
  • 2016/1/04
  • 2015/8/09
  • 2015/1/07
  • 2014/1/06
  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
  • 2016/1/18
  • 2015/12/26
  • 2015/7/12
  • 2014/11/21
  • 2014/11/14
  • 2014/11/06
  • 2014/7/08
  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
  • 2016/9/21
  • 2016/8/17
  • 2016/7/26
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  • 2016/3/22
  • 2015/11/18
  • 2015/10/14
  • 2015/9/07
  • 2014/3/31
  • 2014/2/14
  • 2013/4/18
  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
  • 2016/1/30
  • 2015/12/11
  • 2015/11/13
  • どうなる「民共協力」 27回共産党大会の焦点
  • 蓮舫民進 疑問の船出
  • 新閣僚に聞く
  • 「立憲主義」について
  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
  • 2017/1/09
  • 2016/9/17
  • 2016/9/02
  • 2016/8/22
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  • 2016/4/04
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  • 2015/8/06
  • 2014/12/16
  • 2014/12/07
  • 2014/9/05
  • 2014/4/26
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
  • 2016/10/31
  • 2016/10/12
  • 2016/1/26
  • 2015/10/01
  • 2013/7/08
  • 弾劾の波紋 漂流する韓国政治
  • 検証・金正恩統治5年
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
  • 2017/3/15
  • 2016/12/27
  • 2016/12/05
  • 2016/8/24
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  • 2015/5/11
  • 2015/2/05
  • 2013/12/10
  • 待ったなし地球温暖化対策
  • 環境先進国フランスの挑戦
  • 迫る気候変動の脅威 どうする大災害への備え
  • 2016/1/02
  • 2015/10/07
  • 2015/9/21
  • 「情報戦争」時代と米国
  • 米軍再建への課題-元上級将校の提言
  • トランプ政権始動
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
  • オバマの対宗教戦争・第1部
  • オバマの対宗教戦争・第2部
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  • 2015/7/06
  • 2013/8/05
  • 2013/9/30
  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • バチカンが「武力行使」を容認

     独福音主義教会(EKD)元議長のマルゴット・ケスマン女史は同国週刊誌シュピーゲル(8月11日号)とのインタビューの中で、「武力で紛争を解決することには賛成できない」と主張し、「正義の戦争は存在しない」という従来の持論を展開させている。それに対し、世界に12億人の信者を有する世界最大キリスト教会、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は18日、訪韓からローマに向かう機内で、「少数宗派を抹殺するイスラム教スン二派過激テロ組織『イスラム国』(IS)に対する国際社会の戦闘は合法的だ」と表明して話題を呼んでいる。バチカン法王庁(ローマ・カトリック教会総本山)は過去、いかなる紛争も対話で解決すべきだという平和路線をとってきた。その意味で、フランシスコ法王の武力行使容認論は非常に画期的だ。

     バチカンは平和路線から決別したのだろうか。それともISへの戦闘容認はあくまでも例外的対応に過ぎないのか。ISがシリア、イラク国内の少数宗派のキリスト教徒やクルド系民族宗教の信者たちを迫害し、虐殺を繰り返していることに、バチカンはこれまで強く批判してきたが、ここにきて「イラク軍・米軍の軍事攻勢」を「ISを阻止する手段として合法的だ」と表明したわけだ。それに先立ち、スンニ派指導者はISの蛮行に明確に距離を置くことを表明している。

     ところで、「正しい戦争」は存在するのだろうか。もし存在するとすれば、誰が「その戦争は正しい」と認知できるのだろうか、といった問題が出てくる。一神教のユダヤ教、イスラム教、キリスト教の歴史では武力行使や戦争は珍しくない。旧約聖書を読めば、神は選民が異教徒を滅ぼすことを求め、攻撃を躊躇すれば、処罰すら下している。旧約時代、神には「正しい戦争」があったわけだ。それは、神側の民族が常に正しく、それに対抗する勢力や民族は敵とみなされ、その敵を下すことが正しいというはっきりととした判断基準があったからだ。

     しかし新約時代を経た今日、いかなる戦争も回避すべきだ、といった風潮が強くなってきた。特に、第1次、第2次の大戦で多くの犠牲を出した世界は平和志向となり、帝国拡大主義、植民地政策は否定され、大国も小国も同じ権利を有するという世界観が広がってきた。特に、第2次世界大戦で敗北を喫した日本は戦後、平和憲法を盾に平和主義の道を走ってきた。ゆえに武力行使を伴う国際危機に対してどのように関与すべきかでいつも議論を呼んできた。

     そこにISが登場してきた。異教者の首をはね、その流血のシーンを世界に流すISの蛮行に対し、世界はショックを受け、初めて「武力でISを阻止すべきだ」という声が高まってきたのだ。これまでなかった現象だ。
     国際紛争の解決を目指すべき国連安保常任理事会は過去、ロシア・中国に対し米英仏の3国が対立する構造を抜け出すことができない状況が続いてきた。だから、国際社会が全員一致で紛争の対応にあたるということは少なかった。それがISに対しては、国際社会は一致してきているのだ。ISは世界を敵に回しているわけだ。もちろん、ISの背後には資金と武器を供給する勢力や一部の国が暗躍しているが、彼らも世界に向かって「ISを支持する」と堂々と宣言はできない状況下にある。

     フランシスコ法王の「ISに対する国際社会の戦いは合法的だ」という見解は、スンニ派指導者の「ISの蛮行は容認できない」という表明とともに、勇気ある発言として評価される。

    (ウィーン在住)

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