■連載一覧
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
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  • 戦後70年 識者は語る
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  • 2015/8/09
  • 2015/1/07
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  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 2014/11/06
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  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
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  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
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  • 2015/11/13
  • 蓮舫民進 疑問の船出
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  • 「立憲主義」について
  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
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  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • 2013/7/08
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
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  • 2015/10/07
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  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
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  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • マフィアの「神様」

     イタリアのマフィアは神を愛し、聖母マリアを崇拝しているから、教会から破門されることを恐れているという。組織犯罪グループで、人を殺害することを躊躇しないマフィア関係者が神を信じ、教会から破門されないかとかなり深刻に悩んでいるというのだ。

     独週刊誌シュピーゲル(8月4日号)の記者はイタリア南部のマフィアの拠点を訪れ、マフィア関係者とインタビューしている。それによると、「マフィア関係者は宗教的だ。人を殺し、麻薬と武器を密売することと聖母マリアの地を年に一度巡礼することはマフィア関係者にとっては何も矛盾していないのだ」という。

     マフィア組織はキリスト教会と似ている点が多い。両者とも式典、規約、ルールなどに基づて運営されている。マフィアに入るためには一定のハードルを越えなければならない。洗礼を受けなければ、カトリック教徒になれないのと同じだ。マフィア関係者が組織から追放された場合、それは命の危険があるように、教会から破門されることは、一切のサクラメントを受けることができず、信者にとって死刑宣告を意味すると受け取られている。

     マフィア関係者が教会から破門されるのではないか、と危機感を抱きだした直接の契機は、ローマ法王フランシスコが6月21日、イタリア南部のカラブリア地方を訪問し、そこで開かれたミサの中で「マフィアは絶対に許されない。全てマフィア関係者は破門されるべきだ」と宣言したことにある。

     マフィア関係者は法王の発言にショックを受けた。なぜなら、マフィアと教会はこれまでも決して関係がなかったわけではないからだ。マフィアがバチカン銀行を不法な資金の洗浄に利用していたことは良く知られていることだ。高位聖職者と密接な関係を持つマフィア関係者も少なくない。

     法王の破門宣言に対し、マフィア関係者の中には「聖職者の中にかなりの小児性愛者がいるが、彼らは教会から破門されていない」(シュピーゲル誌)と強く反発する者もいる。マフィアは強迫するだけではない。昨年夏、パレルモの検察官関係者が爆弾で殺された。イタリアのマフィアと戦っていたシチリアの神父もシチリアのマフィアに殺害されている。マフィア関係者は教会から破門宣言を受けないために、聖職者へ無言の圧力を強めてきている。

     フランシスコ法王は3月21日、イタリアで過去、マフィア、Camorraによって殺害された1万5000人の犠牲者を慰霊する集会で「悔い改めるなら まだその時間は残されている」とマフィア関係者に呼びかけ、犠牲者の遺族関係者と共に祈ったという。フランシスコ法王が昨年5月、説教の中でマフィアに対して挑戦を宣言して以来、シチリア系マフィアは法王を脅威と受け取ってきた。特に、法王がバチカン銀行の刷新に乗り出してからは、「われわれの領域に侵入する者」として敵意を抱いている。

     一方、マフィアへの戦いをする神父たちはフランシスコ法王の「教会から破門せよ」という発言に勇気づけられ、これまで以上にマフィアとの戦いを積極的に進めてきている。マフィア関係者の中には、神父邸に「黙っていろ。さもなければ殺す」といった脅迫状を送っている者もいるという。

     イタリアでは、ヌドランゲタ(Ndrangheta)、カモーラ、コサノストラなどの大マフィア組織が幅を利かしている。彼らは地域に密着している。マフィアグループが年間稼ぐ収益はイタリアの国民経済でもかなりの割合を占めるほどだ。その巨大な経済力を誇るマフィアとの戦いはフランシスコ法王にとって決して容易ではないだろう。マフィア側によるフランシスコ法王殺害の噂がここにきて頻繁に流れてきているのも偶然のことではない。

    (ウィーン在住)

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