■連載一覧
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
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  • 2016/10/12
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  • 2016 世界はどう動く-識者に聞く
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  • 2015 世界はどう動く-識者に聞く
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  • 2015/8/09
  • 2015/1/07
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  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 2014/11/06
  • 2014/7/08
  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • 2013/4/18
  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
  • 2016/1/30
  • 2015/12/11
  • 2015/11/13
  • 蓮舫民進 疑問の船出
  • 新閣僚に聞く
  • 「立憲主義」について
  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
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  • 2014/4/26
  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
  • 2016/1/26
  • 2015/10/01
  • 2013/7/08
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
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  • 待ったなし地球温暖化対策
  • 環境先進国フランスの挑戦
  • 迫る気候変動の脅威 どうする大災害への備え
  • 2016/1/02
  • 2015/10/07
  • 2015/9/21
  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
  • オバマの対宗教戦争・第1部
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  • 2013/9/30
  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • 和平の「祈り」がもたらした不協和音

     「信仰の祖」アブラハムから派生したユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教の3宗派代表が8日、ローマ法王フランシスコの招きでバチカン法王庁に結集し、中東の和平実現のために祈祷会を開催した。世界に12億人以上の信者を有するローマ・カトリック教会の最高指導者ローマ法王フランシスコ、ユダヤ教代表のイスラエルのペレス大統領、そしてイスラム教代表のパレスチナ自治政府アッバス議長の3人がバチカン内の庭園に集まった。

     予定ではフランシスコ法王が宿泊に利用しているゲストハウスのサンタ・マルタ内の祈祷室で行うことになっていたが、突然、バチカン庭園の野外祈祷会となった。その背景について、バチカン関係者によると、ゲストハウス内にあるイエスの十字架がユダヤ教代表団の心情に不快感を与えるかもしれないからだという(ユダヤ民族がイエスを十字架に処刑したことを受け、キリスト教会では「ユダヤ民族のメシア殺人論」が聞かれる)。

     祈りは先ず、ぺレス大統領が最初にユダヤ教の祈りを捧げた後、フランシスコ法王、そしてアッバス議長と祈った。ところで、同議長がイスラム教の祈りを終えた直後、イスラム教学者の一人がコーランの個所をアラブ語で朗誦した。予定には入っていなかったが、祈祷会に集まった関係者はその朗誦に傾聴した。ところが、イスラム教学者が朗誦した個所で平和を祈る祈祷会に相応しくない部分があった、ということから、後日、関係者の間で不協和音が生じている。

     イスラム教学者が朗誦した個所は、コーランの2スーレ(編)の最後の3節、「アラーよ、許し、憐れみたまえ。あなたは我々の守りだ。不信仰な民から助けたまえ」というところだ。問題は「不信仰な者たちから助けたまえ」である。「不信仰な者たち」とは、ユダヤ教徒、キリスト教徒を意味していると受け取れるからだ。パレスチナ人とユダヤ人の中東和平実現のための集った祈祷会で「不信仰な者から助けたまえ」とは何事かという声だ。

     それに対し、イスラム教専門家でバチカンのグレゴリア大学で教鞭をとるフェリックス・ケルナー神父は「コーランのこの個所はイスラム教が少数グループに過ぎなかった初期の時代に書かれたものだ。イスラム教徒たちは当時、多神教の異教徒たちから迫害されていた。だから、彼らは異教徒たちから助けてほしいと神に祈ったのだ。神を信じるユダヤ教とやキリスト信者たちを意味しているのではない」と説明する。

     同神父によると、神への祈りでも3宗派の間で相違があるという。具体的には、「イスラム教徒が神に委ねるのは、神が全能だからだ。ユダヤ教徒の場合、神がユダヤ人を選民と選ばれたからであり、キリスト教徒の場合、神がキリストを送って下さったからだ」という。

     前法王ベネディクト16世が2006年9月、訪問先のドイツのレーゲンスブルク大学での講演で、イスラム教に対し「モハメットがもたらしたものは邪悪と残酷だけだ」と批判したビザンチン帝国皇帝の言葉を引用したことを契機に、世界のイスラム教徒から激しい反発が起きたことがあった。全体の文章の流れとは無関係に引用されると安易に誤解が生じる。今回の場合もコーランの「不信仰の民から助けたまえ」という個所だけを取り上げると誤解される危険性が出てくるわけだ。

     ユダヤ教徒はダビデの歌、詩篇第25篇の「どうか、わたしをはずかしめず、わたしの敵を勝ち誇らせないでください」と祈る。これも誤解されやすい。また、ユダヤ教徒の祈りには「我々のエルサレムは……」という個所がある。パレスチナとイスラエルはエルサレムの最終地位問題で久しく対立してきた。だから、この個所も問題になってしまう、といった具合だ。

     フランシスコ法王は祈祷会の最後に「憎悪と暴力の悪循環を突破するためには“兄弟”という言葉がある。頭を天に向け、われわれの共通の父親を見つけることができれば、われわれは兄弟だと分かるのではないか」と述べている。

    (ウィーン在住)

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