■連載一覧
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  • 弾劾の波紋 漂流する韓国政治
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  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
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  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
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  • 豊洲問題、証人喚問で筋を通した石原氏

     東京都の築地市場の豊洲への移転をめぐる問題で、都議会は調査特別委員会(百条委員会)を設置し、元知事の石原慎太郎氏を証人喚問した。

     都が東京ガスから用地を取得した経緯について自らが決裁した責任を認め、小池百合子知事に早期の移転を求めたことは、豊洲移転を推進した立場で筋を通したと言える。

     「移転しないのは不可解」

     豊洲問題の大きな焦点の一つは土壌汚染だが、市場は土壌をコンクリートなどで覆った上に建てられている。地下空間に貯まった地下水に魚介類が直接触れるわけではない。

     この点について、石原氏は「土壌汚染は解決できるというので決裁した」「地下水で魚を洗うわけではない」「科学者が豊洲は安全だと言うのに、なぜ移転しないのか不可解だ」などと述べた。納得のいく、いかないは議論を二分しようが、移転推進派としての理由は示している。

     百条委では、用地取得をめぐる都と東京ガスとの交渉の経緯も岡田至元市場長の証言などから浮かび上がった。2011年3月の土地売買契約に、東京ガスの土壌汚染処理費の負担を78億円とし、それ以上は求めない「瑕疵(かし)担保責任の放棄」を盛り込んだのは、そうしなければ「永遠に合意できない」と考えたからという。

     このため、都の負担する土壌汚染対策費が858億円に膨れ上がった。法令を上回る地下水対策を求めたことについて、石原氏は「ハードルが高すぎた」とも述べたが、東京ガスへの譲歩で都が背負い込んだ形だ。

     都の専門家会議が08年に土壌汚染処理のために敷地全体に盛り土を行うように提言したにもかかわらず、されていなかったことについて、石原氏は「役人が無断でしなかった」と述べるなど、責任を回避する印象も残った。

     もっとも昨年、小池知事は都の内部調査により担当部局である「中央卸売市場」の部課長会で地下空間を設けることに決めた経緯を公表し、元市場長ら当時の幹部8人の責任を特定している。

     石原氏が述べた「行政というものは司、司が専門性を踏まえて仕事を積み上げ、ピラミッドをつくるようなもの」という言葉は当を得ている。都庁のような大きな行政機構では幹部職員らが部下に一任する内容も多いと言える。

     これらをチェックするのが都議会の役目だ。今回のように百条委を設けて後から追及するのではなく、本来は当時の都議会がしっかりと行政に目を光らせるべきだった。

     ただ、小池知事が就任して明るみになった部分もあり、豊洲問題をめぐる百条委は豊洲市場を建設するに至った経緯の検証の場にもなった。

     今後どうするかが問題

     問題は今後をどうするかだ。築地市場は老朽化しており、一度は着手した再整備も困難と判断して移転する方向になった。ボールは今、小池都政に投げられている。

     代替案を示すこともなく、これ以上の証人喚問を続けることは事実上の都議選キャンペーンと見ざるを得ない。

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