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  • 拉致監禁、強制棄教問題 日本当局の対応は「評価ゼロ」 国境なき人権代表 ウィリー・フォートレ氏に聞く

     新興宗教信者らに対する拉致監禁問題について、海外から批判の声が高まっている。12年以上監禁された後藤徹氏が民事裁判で勝訴したものの、いまだに加害者で逮捕、起訴された人はいない。独自の事実調査に基づいた報告書「日本:棄教を目的とした拉致と拘束」を2011年12月に発表した世界的に著名な人権団体「国境なき人権(HRWF)」代表の人権活動家・ウィリー・フォートレ氏に、拉致監禁問題に対する日本政府の対応の評価を聞いた。
    (聞き手=社会部次長・岩城喜之)

    市民社会へは大きな力学働く/問題解決に向け政府は行動を

    12年の自由が剥奪された代償/後藤裁判賠償額は余りに低い

    400 ――日本で棄教を目的とした拉致監禁、ディプログラミングがいまだに続いていると初めて知ったのはいつか。また、それを知った時にどう感じたか。

     5年ほど前に、日本で行われている少数派宗教信者に対する拉致監禁問題を知った。初めて聞いたときは、日本のような経済大国で、そのようなことが大規模に行われていることに大変驚いた。だが、資料を読んだ結果、こうした悪しき状況にあると信じざるを得なかった。

     私はその時、こうした(拉致監禁の)問題とどう戦っていけばいいのか分からなかった。そこで、実際に日本に行って事実調査することを決意した。なぜなら、起こっている現象を理解するためには、実際に当事者たちに会って、彼らがどのように感じているのか聞くしか方法がないからだ。

     私自身は宗教的回心を体験している。私は以前、無神論者だったが、福音派のキリスト教に回心した。私が回心する場合は自由にできたが、家族からの圧力や政府からの圧力など様々な障害があった時には、その回心は難しいということを知っている。

     私はイランにおけるイスラム教徒などに関心を持っているが、イスラムの世界において改宗することは死刑に値し、家族や様々な共同体メンバーから脅迫を受けるということもある。

     危険な環境で信教の自由を守ることは、非常に大変なことだと理解している。

     ――一般的に、身体が拘束された状態で強制的に信仰を奪われたり、改宗を強要されることはどういう影響があると考えるか。

     強制改宗を受けた人は自分の信念を奪われるわけだから、自分が何者であるかということに対するアイデンティティーを奪われることになる。しかも家族との関係、共にいた人々との関係を破壊されるために、精神的に非常に大きなダメージを受け、大変難しい状況に陥るだろう。

     ――国境なき人権が2011年12月に発表した、日本における拉致監禁のリポート最後のまとめに、日本政府や国際社会などへの勧告が記されている。発表から2年たったが、この勧告はそれぞれ、どのくらい達成されたか。

     日本当局の拉致監禁への対応についてはゼロだ。市民社会については、ゆっくりではあるが、大きな力学が働いている。特に12年以上の監禁の被害に遭った後藤さんの(民事訴訟)勝訴を受けて、変化が起こり始めていると感じている。

     ――日本の人権団体は、なぜこの問題について行動を起こさないのか。

     二つ理由があると思う。一つ目の理由としては、日本の人権団体は、統一教会の考えと違う左翼的な考えの人が多いということがある。二つ目は、拉致監禁問題はエホバの証人の信者に対する事例もあるが、多くは統一教会信者に対する被害であり、統一教会に対するよくないイメージが作られているため、人権団体が動こうとしないのだろう。

     ――後藤氏に対する不当な拘束と棄教強要を認定し、職業的脱会屋の宮村峻氏や後藤氏の兄夫妻、妹らに賠償支払い命令を出した東京地裁の判決をどう評価するか。

     不当な拘束が認められたことは肯定的に評価したい。しかし、被告側全員の責任が認められなかったのは残念だし、損害賠償の金額が非常に少なかったのも残念だ。

     ――後藤裁判の判決は483万9110円の賠償支払い命令だったが、例えば米国で1995年に下された民事訴訟の判決では、ディプログラマーや、CAN(Cult Awareness Network=カルト警戒網)などに対する支払い命令は計487万㌦と莫大な金額だった。そして、この判決が米国でのディプログラミング根絶に大きな役割を果たした。後藤裁判の賠償額は国際的な基準と比較してどうか。

     12年の自由が奪われた代償としてはあまりにも低い。ただ後藤氏のケースで一番否定的な面は、刑事事件化されなかったことだ。

     それと私が特に話したいことの一つは、福音派の牧師の役割についてだ。拉致監禁を実行した両親は牧師らの被害者であると言える。なぜなら、牧師の教育を受けて拉致監禁を実行したことで家族関係が厳しくなり、癒えることのない傷が家族の中に残るからだ。

     こうした牧師が所属している教派に対して、拉致監禁という犯罪行為を行わないように指導するようメッセージを送りたい。

     ――国連の自由権規約人権委員会に国境なき人権のリポートも影響を与えている。

     自由権規約人権委員会というのは人権問題のエキスパート集団で、国際人権規約の中でも「市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)」で定められていることについて、各国が規約を順守しているか、あるいは違反しているかを細かく審査する委員会だ。国連の人権規約を批准している国が6年から8年に一度、この委員会の審査を受けることになっている。今年7月に開かれる委員会では、日本の人権状況の審査がある。

     また自由権規約人権委員会にはNGO(非政府組織)が報告書を提出できる。国境なき人権が提出した拉致監禁問題に関する報告書には、自由権規約の何条に違反しているか具体的に記してある。「思想・良心の自由、信教の自由」については18条に該当する。「身体の自由及び安全についての権利」の条項は9条で、「婚姻の権利」は23条だ。

     拉致監禁はこれらに違反していることになる。

     国連の自由権規約人権委員会が正式に出した日本政府に対する質問リストの中に、「国家によって捜査され、起訴されていない拉致、強制改宗および強制棄教の事例に関する報告に対してコメントしてください」という項目がある。これが日本政府に対する拉致監禁についての質問だ。

     この質問は公式化されていて、国連がこの問題(日本における拉致監禁)について、正式に認識した初のケースだろう。

     この質問リストに対する回答を7月の委員会までに準備して、委員会のセッションで日本政府の立場を表明する必要がある。

     セッションが終わった後、委員会は報告書を作成し、勧告する。ここで拉致監禁問題が追及されたら日本が当惑するような事態になるだろう。

     だから今が、この問題を解決するために日本政府が行動するいいタイミングだと思っている。日本が拉致監禁の問題を解決するために動き、7月の委員会セッションで「我々は新しいステップを取った」と回答することを期待している。

     ベルギーの人権専門家で「国境なき人権」の創設者、代表。人身売買の問題、信教の自由、言語的少数派の権利の問題に詳しい。1989年に創設された「国境なき人権」はベルギーのブリュッセルに本部があり、中国、米国、ネパールに支部を置く。97年に国際ヘルシンキ人権連合に加盟。アルメニア、ブルガリア、グルジア、イラク、日本、ロシア、韓国の人権団体と協力して活動を行っている。中国の法輪功に対する弾圧、北朝鮮の脱北者の支援、エホバの証人の信者が良心的兵役拒否の権利を侵害されている問題への取り組みなどで評価されている。
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