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  • 山口組抗争、市民守るため封じ込め急げ

     全国最大の指定暴力団山口組(神戸市)と離脱派新組織「神戸山口組」(兵庫県淡路市)との間で発砲事件などが続発し、凶悪化している。

     警察庁は両団体が「対立抗争」状態にあると認定し、同庁に組織犯罪対策部長をトップとする集中取締本部を設置した。市民を守るため、総力を挙げて抗争の封じ込めを急ぐべきだ。

     発砲などが各地で続発

     山口組では昨年8月、直系組長13人が離脱して神戸山口組を結成した。山口組の篠田建市(通称司忍)組長の出身母体・弘道会の一強支配に反発したものとみられており、トップに山健組の井上邦雄組長が就任した。

     分裂以降、組事務所などへの発砲、火炎瓶投げ込み、車両突入が全国各地で発生し、特に先月末ごろから頻発している。昨日早朝にも大阪府門真市と守口市で、双方の傘下団体事務所ビルにトラックが突っ込んだ。

     事務所近くの学校で登下校中の見守りや通学路変更を行うなど、市民生活への影響が出ている地域もある。1980年代に山口組と分裂した一和会との間で生じた「山一抗争」では、暴力団関係者25人が死亡したほか市民を含む70人が負傷した。

     暴力団の抗争で市民が脅かされることは理不尽極まりないことだ。警察は市民の巻き添えを何としても防ぐとともに、両組織の弱体化を急がなければならない。

     まず求められるのは、神戸山口組を暴力団対策法に基づいて指定暴力団とすることだ。指定暴力団同士の抗争であれば、事務所の使用制限を命令できる。

     指定の要件として、ピラミッド型の組織となっていることが挙げられる。今月1日時点で、山口組は直系組長が56人で構成員数は約5700人、勢力範囲は44都道府県にわたる。一方、神戸山口組は絶縁処分を受けていた幹部を復帰させ直系組長23人に増やし、構成員数が約2700人、36都道府県に勢力を持っている。

     警察当局は6月、山口組の指定を更新し、神戸山口組についても新たに指定する方針だが、前倒しも検討している。ぜひ実現してほしい。

     抗争がさらに激化した場合、警戒区域に立ち入った組員を中止命令なしで逮捕できる「特定抗争指定暴力団」への指定も視野に入る。あらゆる手段で抗争を封じ込めるべきだ。

     2011年10月までに全国で暴力団排除条例が施行された影響もあり、双方を合わせた構成員数は10年末時点と比べほぼ半減している。警察が市民と連携した行ってきた暴力団排除活動の成果だ。構成員の高齢化も進んでおり、分裂を機に社会復帰を望む離脱者も出ている。

     暴力団の弱体化進めよ

     14都府県の警察などは先月、暴力団を離脱した元構成員らの就職支援に連携して取り組む協定を結んだ。報復に遭いにくい環境で再出発できるよう、所属組織から遠い地での就労先をあっせんする仕組みを構築するという。

     福岡県警では全国初の専門組織「社会復帰対策係」を新設した。暴力団の弱体化を進めていくため、こうした動きを全国に広げたい。

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