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  • 衆院選違憲状態、選挙制度改革は改憲を念頭に

     「1票の格差」が最大2・13倍だった昨年12月の衆院選について、最高裁は「違憲状態」と判断し、国会に選挙制度の速やかな抜本改革を求めた。これで衆院選の違憲状態判決は3回連続となる。

     最高裁判決は3回連続

     裁判では、2009年衆院選に関し、各都道府県にまず1議席を割り振る「1人別枠方式」を格差の要因とした11年の最高裁判決を受け、国会が別枠方式を規定から削除し、小選挙区数を「0増5減」した法改正をどう評価するかが焦点だった。今年3~4月の17件の高裁判決は「違憲状態」が12件、「合憲」が4件、「違憲・選挙有効」が1件だった。

     最大2・13倍の格差は1994年の小選挙区制導入以降で最小だった。最高裁は2005年衆院選の最大格差2・17倍を合憲と判断したこともある。

     しかし今回の判決は、法改正はされたが定数配分が要因となって「格差が2倍以上の選挙区が13生じた」と批判。「投票価値の平等に反する状態にあった」と指摘した。「違憲状態」は14人の裁判官のうち9人の多数意見で、他2人が「合憲」とする意見、3人が「違憲」とする反対意見を述べ、うち2人は「選挙は無効」とした。

     もっとも判決は、選挙が改正法施行による区割り改定から約1年5カ月後に行われた点や、衆院に設けられた有識者による選挙制度調査会が格差是正などを検討している点を考慮。「国会の取り組みはこれまでの判決の趣旨に沿った方向で進められている」として、是正に必要な合理的期間は経過していないと結論付けた。

     調査会は、格差是正に向けた小選挙区の定数配分方式について、人口比がより反映される「アダムズ方式」の導入を検討している。「9増9減」を行うことで、都道府県間の最大格差は1・598倍に縮小し、選挙区間の最大格差も2倍未満に抑えられる。最高裁判決に対応する意味では有力な案と言えよう。

     しかし、こうした機械的な格差是正策には疑問も残る。人口だけを基準に定数を比例配分すれば、人口減少の続く地方選出の議員も減って「地方の声」が届きにくくなる恐れがある。都道府県間の最大格差は現在でも1・78倍であり、定数減となる県からは「9増9減」に対する不満が出てくるだろう。

     米国の場合、上院議員は人口にかかわらず各州から2人ずつ選出されるため、「1票の格差」は問題にされない。下院議員は人口に比例して配分されるが、それでも各州は最低1人を選出することが憲法で定められている。日本でも抜本的な選挙制度改革が必要だというのであれば、衆参両院の役割分担を含め、憲法改正を念頭に置いて考えるべきだ。

     「1票の格差」の拡大が進んだのは、地方から人口が流出したことも一因だ。地方創生による活性化も求められる。

     定数増減で終わらせるな

     最高裁によって格差是正の必要性が示された以上、国会はきちんと対応する必要がある。しかし、選挙制度改革を選挙区の定数の増減に終わらせてはなるまい。

    (11月28日付社説)

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