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  • 2015/12/24
  • オウム裁判、全容の解明につなげたい

     1995年2月に起きたオウム真理教による仮谷清志さん拉致事件で、逮捕監禁罪に問われるなどした元幹部平田信被告の裁判員裁判が行われている。3人の確定死刑囚が証言することで注目を集めているが、いまだに一連の事件をめぐる謎は残されている。この裁判を全容の解明につなげたい。

     死刑囚が法廷で証言

     オウム真理教はポアの教義で殺人を正当化し、地下鉄サリン事件など多くの事件を引き起こした。一連の事件による死者は29人、負傷者は6000人以上に上る。特に地下鉄サリン事件は猛毒を用いた無差別テロであり、極めて異常で凶悪なものだった。

     オウム裁判は2011年にいったん終結し、元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚ら13人の死刑判決と5人の無期懲役判決が確定した。しかし、この年の終わりに平田被告が警察に出頭して逮捕され、再開されることとなった。

     一連の事件は解明されていない部分も大きい。仮谷さんの長男実さんは「どうして、父が死んだのか。事件の真相を究明したい。麻酔薬を大量投与されて死亡したとされているが、遺族としては納得できていない」と訴えた。平田被告は、こうした疑問に答える必要がある。

     この裁判では確定死刑囚である元幹部が法廷で証言するが、極めて異例のことだ。心情安定のため、ついたてで傍聴席から姿が見えない状態にして尋問される。

     先月に検察側証人として出廷した中川智正死刑囚は、平田被告の事件への関与について曖昧な発言に終始した。

     一方、今月出廷した井上嘉浩死刑囚は、平田被告は仮谷さんを拉致することを事前にはっきりと伝えられていたと証言している。

     きょうは林泰男死刑囚の証人尋問が行われる。真相解明に向け、全面的に協力しなければならない。

     オウム真理教をめぐって懸念されるのは、信者数が徐々に増えていることだ。公安調査庁によれば、主流派「アレフ」と反主流派「ひかりの輪」を合わせた信徒は、13年6月末時点で約1650人に上る。

     11年11月末から約150人増えた。一連の事件を知らない若者を勧誘の主なターゲットにしている。

     同庁は団体規制法に基づく観察対象としている。しかし、あれだけの凶悪な事件を起こした以上、本来であれば破壊活動防止法を適用して教団を解散させ、活動を完全に封じ込めなければならないはずだ。事件を風化させないための取り組みも求められよう。

     平田被告の出頭は松本死刑囚の刑執行を遅らせる狙いではないか、との見方もある。共犯者が公判中の場合は今回のように証人として出廷する場合があるので、刑を執行しないケースが多いためだ。

     裁判員に十分なケアを

     一連の事件では初の裁判員裁判でもある。裁判員の精神的な負担は重いはずだ。裁判所には裁判員に分かりやすい審理ともに、裁判員に対する十分なケアを求めたい。

    (2月5付社説)

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