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    豊田 剛
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    宮城 能彦
    宮城 能彦
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    オスプレイ搭乗レポート(上)

    日本作家クラブ会員 学校法人SOLA沖縄学園役員 松谷 秀夫

    飛行安定性の高さ認識
     米軍のオスプレイの搭乗と洋上訓練の体験がこのほど許可された。オスプレイの飛行状況や沖縄県東シナ海に展開する米海兵隊の緊迫した最前線をリポートする。

    搭乗したオスプレイ=沖縄県普天間基地(野中正信氏写真提供)

    搭乗したオスプレイ=沖縄県普天間基地
    (野中正信氏写真提供)

     去る2月16日午前11時30分、基地内のゲストルームに到着した。そこには普天間基地司令官ピーター・リー大佐が出迎えていた。普天間基地執行責任者ロバート・スウェギニス中佐を紹介され搭乗手続にサイン。救命胴衣の使用方法や酸素タンクのバルブ操作などの説明を受け、普天間基地司令官と共に待機中のオスプレイ(第265飛行中隊チームドラゴン所属機)に後部ハッチ(昇降口)から搭乗した。

     向かう先は不問とのことだった。ヘルメット、救命胴衣、イヤーパットを装着。乗員は正副操縦士、後部ハッチ要員、前方ドア要員その他機内に2名ほどが配置されていた。

     このオスプレイは最大上昇高度2万4000フィートだが今日は訓練高度で飛行するとの事だった。もとより高度一万フィート以上では酸素マスクが必要で機内の担当士官もそのような説明をしていた。おそらく索敵レーダーの探知しにくい低空飛行訓練であろうと推定したのでかなりの揺れを覚悟した。

     この日の天候は曇り、北風10メートル前後、ときおり強い横風が吹いた。同50分、タキシング(地上走行)する間もなく離陸上昇し、さらに速度が次第に速くなった。約1500フィートで水平飛行に。かなり低空であるのにもかかわらず意外に揺れない。垂直離陸のモーメント(物体を回転させる力)を水平にして使用するため、かなりの空気量を主翼に送り込めるので揚力が得やすいのでは、と推察した。

     機内は軍用機特有のパイプ類や配線の束で覆われ、それが独特の緊張感を醸しだし布製の折りたたみ式パイプ椅子に妙にマッチしていた。さらに意外にもエンジン音はそれほど大きくなくイヤーパッドを外してみたが十分に会話も交わせる状態だった。

     機内はCH46E(前任機)と比べ意外に広い。エンジン部が機内に無い構造のためだろう。普天間を離陸しておよそ40分。オスプレイは大きく右に旋廻。眼下に航空機を搭載した大型艦船が見えてきた。

     間もなく操縦席後方右側乗員用乗降ドアが開き、安全ベルトを機体の金具にフックした誘導係りとみられる兵員が下方を確認、右手で合図の動作をし、ヘッドセットで操縦席と何やらやり取りをしていた。

     やがて握りこぶしで親指を立てた。どうやら着艦位置を確認した様子だった。次第に速度を落とし、やがて降下態勢に入り垂直に着艦した。振動やバウンドなどは全くない見事な着艦だった。

     着艦したのは沖縄本島東南約50キロの太平洋上訓練海域だと思われる。艦名は訓練行動中の排水量4万500トンのワスプ級強襲揚陸艦ボノム・リシャールだった。後で分かったのだが着艦時、ボノムは10ノットの航行中だった。わずかなスペースのマーキングされた位置に正確に着艦できる誘導技術は高性能コンピュター、GPSを駆使しているのだろうが、やはり操縦士の優れた技能、機上艦上の誘導員の卓越した連携作業などのなせる業で、久々にプロフェッショナルな仕事に接した瞬間だった。

     オスプレイの歴史は意外に古い。ヘリコプターが実用化した第二次大戦中からヘリと飛行機の機能を備える考えはあったが技術的に困難で、研究の末、1955年8月ベルエアクラフト社のXV―3という実験機が初飛行に成功。その後多くの実験機が製造された。海兵隊はMV―22B、空軍はCV―22B、海軍はHV―22Bをそれぞれ採用、陸軍では未定(UV―22B)となっている。末尾のBとは垂直離着陸の意味である。

     それにしてもオスプレイの離着陸を含めた飛行安定性の高さを改めて認識したフライトだった。

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