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    豊田 剛
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    宮城 能彦
    宮城 能彦
    沖縄大学教授

    翁長知事の国連スピーチ “独立宣言”相手にされず

    《 沖 縄 時 評 》

    2女性の反論で見事粉砕

    翁長沖縄県知事の“独立宣言”、相手にされず

    国連人権理事会から帰国後の記者会見を行った我那覇真子さん(左から2人目)と砥板芳行石垣市議(右から2人目)=9月25日、東京の日本記者クラブ(提供・砥板芳行石垣市議)

     翁長雄志知事が9月21日、スイス・ジュネーブの国連人権理事会で演説をして「沖縄の米軍基地は人権侵害」と訴えた。

     演説は知事が常日頃繰り返す常套(じょうとう)句の羅列であり、特に目新しいものはなかった。沖縄メディアの誇大な前宣伝で知事の熱弁を期待していた県民も、「これでは、インスタントラーメンがゆであがる間もない」と落胆するほど、実にあっけない「2分間」であった。

     知事に同行取材した沖縄タイムスは「知事訴え 世界に届く」(23日付)などの誇大な大見出しが紙面を飾った。

     知事演説は、続いて行われた在ジュネーブ日本政府代表の嘉治美佐子大使により「基地問題は人権理事会になじまない」と反論され、すっかり色褪せ、さらに沖縄生まれで若干26歳の我那覇真子さんの、「カウンタースピーチ」でトドメを刺されることになる。

     日本の一地域の首長にすぎない翁長知事が、国連という「外交の場」で、「米軍基地」など国の専権事項である外交・安全保障問題について、国の頭越しに「外交」をすることの違法性は以前から指摘されていた。

     翁長知事が繰り返す「自己決定権」は、少なくとも「辺野古移設」のような外交・安全保障問題に限れば知事の権限外である。

     今回知事に同行し知事のアドバイザーと見られる島袋純琉球大学教授は、知事が国連で訴える意義をこう語った。

     「1879年以前は琉球王国を持っていたので、客観的条件としてわかりやすい。我々は少数民族、先住民族であるという自己規定です。国連演説に関しては、自己決定権を持つ集団と自己規定をされるのが一番のポイントになるんじゃないかと思います」(QABテレビ)

     自民党沖縄県連は知事の出発直前、翁長知事に「(国連で)「『琉球人・先住民』という言葉を使用することに違和感がある」と述べ、「先住民」の文言を使用しないように求めた。

    ◆独立示す民族自決

     結局、知事は国連演説で「先住民族」については触れなかったが、それ以上に重要な意味を持つ「自己決定権」という言葉を使った。「私は、沖縄の自己決定権がないがしろにされている辺野古の現状を、世界の方々にお伝えするために参りました」というフレーズだ。

     スピーチで知事は「自己決定権」を、「right to self-determination」と英訳しているが、これを和訳すると「民族自決」となる。「民族自決」は国際的に言えば国の独立に連動して用いられる文言だ。翁長知事が国連の場で「先住民族」の代わりに、公然と「right to self-determination」、つまり「民族自決」と発言したのだ。

     この言葉の持つ意味は大きい。米軍統治下の沖縄で、祖国復帰を願う住民が「民族自決」の文言をよく使用した。この場合、異民族であるアメリカ人の統治に反発し、潜在主権で日本人である沖縄住民が「民族自決」を叫ぶのは理屈に合う。

     だが、現在日本の一部である沖縄県の知事として翁長氏が「民族自決権」と発言したら、おのずと意味が異なってくる。国連という国際的な場で知事が、「民族自決権」を唱えた意味は、「先住民の民族自決権」を主張したことになる。知事の常套句の「沖縄のことは沖縄が決める」と言う発言と見事に符合する。知事は国連の場で、事実上の「独立宣言」をしたことになる。

     「民族自決」という用語は、スペインからの独立で話題になっているカタルーニャ自治州問題やトルコ、イラクから独立を主張するクルド人問題などで使われている。したがって、翁長知事の「2分間スピーチ」は沖縄県民が独立を志向する意味として人権理事会の記録に残り、将来に大きな禍根を残す恐れもあった。

     だが、沖縄県名護市在住の我那覇真子さんの絶妙なカウンタースピーチで、知事の野望は粉々に砕け散った。

     我那覇さんは、知事の「人権侵害」発言は「真実ではない。プロパガンダ(政治宣伝)を信じないでください」と呼びかけ、「沖縄が先住民の土地だと主張することで沖縄を独立に導こうとする人たち、それを支持する中国こそが地域の平和と安定を脅かし、人権への脅威だ」と訴えた。さらに我那覇さんは「沖縄は紛れもない日本の一部であり、『先住民』ではない」と主張し、知事の「独立宣言」を虚構だと切り捨てた。

    ◆言語道断の翁長氏

     翁長知事は現在、普天間飛行場の辺野古移設に反対して、国と全面対決の状況だ。そもそも翁長氏のような一介の県知事が国の安全保障に関わる辺野古移設で、国と対決する権限はないはずだが、それにもまして知事の今回の国連での「独立宣言」は一県民とし決して看過できるものではない。

     沖縄県民は昨年の県知事選で一度たりとも「沖縄独立の民意」を問われた覚えはない。「沖縄独立」を県民から委任されていない翁長知事が、国連という国際的な場所で、勝手に県民の民意を無視して「県民は民族独立権がある」などと事実上の「独立宣言」をすることは言語道断である。

     知事の国連演説のあと、辺野古移設問題は、国対県という対立構造から一転、「支配民族たる国」と「先住民族たる県」との対立になり得るということになる。沖縄県民はこんな独断的な男を県知事として選んだ覚えはないはずだ。

     知事演説にカウンターパンチを見舞った我那覇さんに対し、一部に「過大評価すべきではない」と冷静な見方をする向きもある。だが、翁長知事は「知事」の肩書で国連に招待されて演説したわけではない。

     知事の発言も我那覇さんの発言も国連で発言枠を持つNGOから2分間の発言権を譲り受けたという点ではまったく同じ重みである。

     いや、同じ重みというより両者が同じ「2分間スピーチ」を終えた後の聴衆の反応を見ると、翁長知事に対して無反応だったことに対し、我那覇さんには振り返ってウインクをしたり賛同のサインを送ったりしていた。明らかに翁長知事に「言葉の重み」で勝っていた、と国連で同行取材した八重山日報の仲新城編集長が証言している。

     仲新城記者によると、「国連での演説」という華やかなイメージとは異なり、演説者は慌ただしく交代し、「演説席を次の順番の者に譲る流れ作業」とのこと。

     さらに「流れ作業」を仲新城氏はこう説明している。

     「人権理事会で、NGO関係者らの演説者は1日に100人近くに及ぶ。持ち時間は全員が2分間。演説を開始すると前方の大型スクリーンに演説者の姿が映し出され、画面右上で時計表示が1秒ずつ時を刻む。タイムアウトになるとマイクの音声が落ちる仕組みだ」

     沖縄2紙は「国連での知事演説を日本の知事として初であり、前代未聞」と過大評価するが、国連職員によると流れ作業の「2分間スピーチ」に約30人のカメラマン、記者らを引き連れ大名行列のように会場入りしたことが前代未聞であり、翁長知事に関しては奇異の目で見られていた、というのが実態であった。

     人権理事会では翁長氏は知事、我那覇さんは一般県民という立場だが、国連のシステム上、両者の発言に軽重の差はないというのが「国連演説」の実態である。

    ◆県議会が発言追及

     翁長知事は、国連演説後初めての県議会で、知事が「沖縄県民は先住民」と主張するNGOの手配で人権理事会に出席したことを問われ、「沖縄独立論」を、明確に否定してほしいと迫られた。

     知事は「独立するより切り離される心配がある」と述べ、明確な否定をしなかった。また具志孝助氏の「沖縄県民は先住民か」との質問に対しては「琉球王朝時代をどのように考えるか。検証されないと判断が難しい」と言葉を濁している。

     知事の国連の場での事実上の「独立宣言」を「カウンターパンチ」で一撃のもとに葬り去った沖縄生まれの若き女性、我那覇真子さんの勇気ある行動力に一県民、いや国民の1人として喝采したい。これを天晴(あっぱ)れと言わずになんと言おうか。

     なお、わが国の先住民に対する公式見解は、2008年6月6日の衆参両院本会議で前回一意で可決された事実の基づき、「アイヌ人は先住民族」と認めているが、勿論沖縄県民は先住民族と認めていない。

    (コラムニスト・江崎 孝)

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