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  • 一層の学力向上へ取り組みを

     経済協力開発機構(OECD)が2012年に実施した第5回国際学習到達度調査(PISA)で、日本は「読解力」と「科学的応用力」が4位、「数学的応用力」が7位で、前回を順位、平均得点とも全分野において上回った。

     文部科学省が行ってきた「脱ゆとり教育」が成果を上げたと言える。今後も、一層の成績向上に取り組みたい。

    「読解力」は過去最高

     日本の平均得点は、数学が536点で、6位だった03年(534点)と同水準。科学も2位の03年(548点)並みの547点で、読解力は8位の00年(522点)を上回る過去最高の538点だった。

     この調査は00年以降、3年ごとに行われている。今回は、65カ国・地域の15歳約51万人が対象となった。

     第1回で日本は数学的応用力が1位、科学的応用力は2位、読解力は8位だった。しかし、その後順位が下がり、06年にはそれぞれ10位、6位、15位まで落ちた。

     03年の順位急落を受け、文部科学省は「脱ゆとり教育」に方向転換。08年改訂の新学習指導要領では、理数を中心に授業時間を大幅に増やした。

     また、05年には読解力強化の方針を打ち出し、07年にPISAを意識した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を開始するなど、筋道を立てて考え、説明する力の育成を図ってきた。

     前回の09年も改善傾向は見られたが、今回は前回を上回る結果となったのは、こうした取り組みが奏功したものと言える。特に、読解力が順位、平均得点とも過去最高となったのは喜ばしいことだ。

     これは前回のデータだが、小説を月に数回以上読む生徒は、読まない生徒より読解力の平均点が47点高く、新聞を読む生徒も25点高いなど、読書をする習慣が身に付いているほど高得点を得ていた。読解力を身に付ける上で、読書が重要であることが分かる。

     さらに今回中心分野となった数学的応用力では、下位層が11・1%と比較可能な03年以降の4回で最少となる一方、上位層は23・7%を占め、順位が最低だった06年よりも5・4ポイント増加した。

     読解力、科学的応用力も同様の傾向だった。前回課題とされた成績上位層の少なさと下位層の多さも改善した。全体的に学力が向上していることの表れだろう。

     今回は上海やシンガポールなどアジア勢が上位を占めた一方、フィンランドなど北欧諸国の不振が目立った。

     得点上位のアジア各国は国家が教育政策に積極的に関わっている。これに対し、北欧諸国は教育への国家の関与が弱まったことが今回の結果の背景にあるとみられる。

    北欧の事例を教訓に

     国家の関与を弱め、地域と学校の裁量権を拡大した場合、学校間の格差が広がり、成績下位校の学力低下に歯止めがかからなくなる恐れがある。

     日本はこれを教訓とし、一層の学力向上に向けた教育行政を行う必要がある。

    (12月7日付社説)

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