■連載一覧
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • 2016/11/11
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  • 2016 世界はどう動く-識者に聞く
  • 戦後70年 識者は語る
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  • 2015/1/07
  • 2014/1/06
  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 2014/11/06
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  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
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  • 2015/12/11
  • 2015/11/13
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  • 新閣僚に聞く
  • 「立憲主義」について
  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
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  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • 2013/7/08
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  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
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    伊勢 雅臣
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    河添 恵子
    河添 恵子
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    宮本 惇夫
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    尾関 通允
    尾関 通允
    経済ジャーナリスト
    中村 仁
    中村 仁
    元全国紙経済記者
    高橋 克明
    高橋 克明
    「ニューヨーク BIZ」CEO 兼 発行人

    ラマダンにテロ事件が起こる理由

     米南部フロリダ州オーランドで12日未明、29歳の男が同性愛者が集まるナイトクラブ内で自動小銃を乱射し、50人を殺し、53人に重軽傷を負わせる大惨事が起きた。オバマ大統領は同日、ホワイトハウスから国民向け緊急表明を発表し、「テロ行為であり、米国史上最悪の銃撃事件だ」と述べている。

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    12日、銃撃事件が起きた米フロリダ州オーランドのナイトクラブ前に展開する警察車両(AFP=時事)

     米特別部隊に射殺された犯人の犯罪動機については解明中だが、イスラム過激派テロ組織「イスラム国」(IS)は同日、「われらの戦闘員が同性愛者のナイトクラブを襲撃した」と述べ、間接的ながら犯行声明を明らかにしている。

     犯人の両親はアフガニスタン出身だが、本人はニューヨーク生まれで米国籍を持つ。テロ組織との関係は不明だが、ISは「ラマダン(断食の月)期間、欧米社会へテロを実行するように」と呼び掛けてきた経緯がある。

     欧米のテロ問題専門家は、「ラマダン期間にイスラム過激派組織がテロを行う危険性が高い」と警戒を呼び掛けてきた。オーランドの犯人の場合、詳細は不明だが、明らかな点は、ラマダン期間にテロ事件が発生してきたという事実だ。中東紛争で“ラマダン停戦”、“ラマダン和平”という表現が飛び出すことがあるが、それはイスラム教の世界を知らない欧米外交官が考える世界だ。ラマダンこそイスラム過激派にとって絶好の戦闘期間というのだ。

     それでは、なぜラマダン期間にテロが多発するかを少し考えてみたい。ラマダンはイスラム教徒が行わなければならない「五行」の一つだ。この期間、太陽が昇った時から日没の間、食事を断ち、この世の快楽を慎む。太陽が沈むと断食明けの食事(イフタール)を家庭で、そして寺院でとる。

     ラマダン期間はイスラム教徒が普段より寺院に集まる機会が多い。彼らは食事をしながら、説教者の話を聞く。そこで説教者が欧米社会の腐敗を糾弾し、信者の憎悪を駆り立てることも少なくない。すなわち、ラマダン期間にテロ事件が発生する背景には、①イスラム教徒が寺院に集まる機会が多いこと、②説教者から欧米文化への憎悪を聞く機会が増えること、といった状況があるからだ。

     中東テロ問題の専門家アミール・ベアティ氏(イラク出身)は、「イスラム教寺院では久しく憎悪説教をする指導者がいる。彼らの多くは正式なアカデミックな教育を受けたイスラム教専門家ではない。西側社会の価値観を受け入れず、聖戦を呼びかけている指導者だ」と証言している。「パリ同時テロ」後、フランスとベルギー両国は国内のイスラム寺院の監視強化を進めてきている。

     ちなみに、パレスチナのイスラム原理組織「ハマス」はラマダン期間、信者たちから集まった献金を活動資金にしている。ベアティ氏は、「ハマスはラマダン明けのイフタールを悪用し、信者たちが捧げた物品や資金を獲得している」と指摘、ハマスのイフタールの政治的利用を指摘しているほどだ。

     もちろん、ラマダンの宗教的側面も無視できない。この世の快楽を断ち、祈祷を捧げる修道者には一種の宗教的オーラが漂う。宗教的高揚心ともいうべき現象だ。断食は、肉欲を断ち、霊性を目覚めさせる修業でもあるからだ。当方の友人のイスラム教徒は、「ラマダン期間は心が清まる。他者に何か施したいという欲求が高まる期間だ」と信仰告白をしていた。

     まとめる。ラマダンはイスラム教徒にとって宗教的にも政治的にも高揚する機会である。それゆえに、というべきか、イスラム過激テロ組織がそのラマダンを自身の野望実現のために悪用する危険性があるわけだ。

    (ウィーン在住)

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