■連載一覧
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  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
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  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
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  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
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  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
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  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
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  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
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    井上 政典
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    伊勢 雅臣
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    宮塚 利雄
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    中村 仁
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    中澤 孝之
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    太田 正利
    太田 正利
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    ウィーン在住
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    山田 寛
    山田 寛
    元読売新聞アメリカ総局長
    高橋 克明
    高橋 克明
    「ニューヨーク BIZ」CEO 兼 発行人

    スノーデンとアサンジとプーチン大統領とトランプ政権

     昨年の米大統領選挙の最中、オリバー・ストーン監督『シチズンフォー スノーデンの暴露』が公開され、第87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した。日本でも全国各地で上映されており話題を呼んでいる。
     2013年3月以降、香港でメディアの取材やインタビューを受け、「アメリカ国家による国民の監視の実態」の内部告発として、英ガーディアン紙他に衝撃的な事実が報じられ、米司法当局から逮捕命令が出ているエドワード・スノーデンの話だ。彼は米国家安全保障局(NSA)及び米中央情報局 (CIA) の元契約局員だった。

     昨年6月、ネット中継で東京大学でのシンポジウムにロシアから出席したスノーデンは、「父も祖父も政府や軍で働いていたので、国家に貢献するのは当たり前と思って育ち、政府を疑うなど思いもよらなかった」と幼少時代を振り返り、NSAやCIAで働き実態を知る過程で、「国民の総意で成り立つはずの民主主義国アメリカが、国民をスパイするとはどういうことなのか」と疑問を持ったという。

     一方、トランプ政権でCIA長官に就任したマイク・ポンペオは、今年1月12日、指名承認のため臨んだ議会公聴会で「ロシアの隠れ家でくつろぎながら、諜報活動について米国民を欺くエドワード・スノーデンは情報暴露の責任から逃れられない」と容赦ない。スノーデンを前から目の敵にしていたポンペオは、「スノーデンは機密情報を外国政府に渡している」と示唆し、「彼は死刑の判決を受けるのがふさわしい」とインタビュー番組で語ったこともある。

     米大統領選挙キャンペーンの終盤、民主党本部やヒラリー・クリントン陣営のメール・サーバーがハッキングされて流出するという大事件が起こった。ほどなく、「ロシア連邦保安庁(FSB)やロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の指揮下で活動しているロシアのハッカー・グループの仕業だ」と民主党が公に非難し、バラク・オバマ大統領も「ロシアによる選挙介入」を強烈に非難した。選挙後には、「選挙でトランプ候補が有利になるよう、ウラジーミル・プーチン大統領の指示でロシアがサイバー攻撃を仕掛けたと米中央情報局(CIA)が断定した」と報じられた。

     ハッキング事件が報じられた瞬間、私の脳裏に浮かんだのはスノーデンの存在だった。プーチン大統領が、彼の頭脳を放置しておくわけがないからだ。

     スノーデンも、「NSAとCIAには、ハッカー攻撃がまさにどこから行われたかを正確に特定できる、2013年に始動したエックスキースコアというプログラムがある」とアメリカの手の内をバラした。これは「ロシアからの攻撃です」と暴露したに等しい発言でもある。

     そして、ハッキングされた2万通という膨大なメールの内容を発信し続けたのはウィキリークスだ。事件直後の昨年10月、ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジのネット接続が遮断されたことで、「アサンジ死亡説」まで流れた。オーストラリア出身のアサンジは、ここ5年ほどの〝仮の宿″はイギリスのエクアドル大使館内にあり、その場所からクレムリン(ロシア政府)と連携し合っているようだ。

     安全保障の専門家でNSAのアナリスト、反諜報活動、スパイやテロリズムの専門家でアメリカ海軍将校・軍事大学で教えるジョン・シンドラー教授の話は興味深い。「ウィキリークスはプーチンのプロパガンダ組織」であること、「『ロシアの秘密警察の庇護を受けるのが一番安全』と考えていたアサンジが、スノーデンのロシア亡命を手助けした」こと、そして「クレムリンのセキュリティ上級役人が、スノーデンは我々のエージェントであり、彼によってアメリカの秘密情報が漏えいされたことを認めた」ことなどを指摘している。

     さて、スノーデンによる告発が報じられた直後のFOXニュースの番組で、トランプ氏は、「スノーデンはとんでもない裏切り者。強国なら古き良き時代にどうしていたと思う? 裏切り者がどんな目に遭ったのかは知っているだろ?」と語っている。とはいえアメリカ合衆国を裏切ったその男が、トランプ大統領誕生のための〝支援″に加担していたとすれば……。そもそも、プーチン大統領、アサンジ、スノーデンのラインをトランプ陣営が知らなかったはずもなかろう。北朝鮮の2代目指導者だった金正日総書記の長男、金正男氏がとうとうマレーシアで暗殺されてしまったが、スノーデンの命も危ない!

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