■連載一覧
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  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
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  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
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    宮崎 林司
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    内藤 俊輔
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    外舘 孝則
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    高橋 富代
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    吉本 秀一
    吉本 秀一
    日本けん玉協会理事

    杉原千畝から“命のバトン”を繋いだ人々

     NPO法人中東平和フォーラム主催のツアーで、2015年10月、筆者はイスラエルのエルサレム近郊にある“ヤドバシェム”(ホロコースト記念館)を訪れた。20世紀のヨーロッパで起こったユダヤ人の凄惨な歴史の一幕であるホロコーストを記録し、その犠牲者を追悼・記憶し、未来への教訓とするために設立された国立施設である。

     このツアーのガイドをした「イスラエル国家認定観光ガイド」の佐々木宏二氏の説明の中から、ユダヤ人へ「命のビザ」を発給し「東洋のシンドラー」と呼ばれ映画にもなった杉原千畝氏と彼に繋がる人たちに焦点をあてて紹介したいと思う。

     第二次世界大戦中、外交官として赴任していたリトアニアで、杉原はナチス・ドイツの迫害から逃れてきたユダヤ難民に、本国の方針に背いて独自の判断で査証の発給を続けた。日本以外にも査証を発給した国はあったが、中南米のその他の国の領事の中には手数料以外に法外な金を要求している者がおり、決して人道的とはいえない実態もあった。杉原の行為の人道性が注目されるようになったのはこのような背景があったからだ。

     杉原が発給した査証によって6000人ともいわれるユダヤ人が救われ、高い人道性と共に杉原千畝の名は広く知られるようになった。しかし、難民同然のユダヤ人たちが当時のソ連を横断して日本海を渡り、日本に入国・滞在して、さらにその先へ旅を続けることができた背後で活躍した人々の事は、まだあまり知られていない。杉原を起点として“命のバトン”を繋いだ人々の事だ。

     混乱を乗り越えて何とか日本に無事上陸できたユダヤ難民ではあったが、杉原の発給した10日間の滞在期間は、新天地への移動準備には不足であった。これを解決すべく松岡洋介に知恵を拝借し、神戸の警察署に根回しを行い、ユダヤ人の滞在を外務省管轄の通過特許から内務省管轄の入国特許に変更させることで、ユダヤ人達の滞在を合法化させた人物がいた。それが小辻節三である。

     小辻は、そもそもは京都の賀茂神社の社家であったが、事情により列から離れた家系に生まれた。キリスト教を信仰するようになり、晩年ユダヤ教へ改宗することになる。彼が親交を深めた人物にゾラフ・バルハフティグというユダヤ人がいた。彼はポーランドから逃れてきたユダヤ人を代表して、杉原に査証発給を掛け合った一人だった。そして、1948年5月14日のイスラエル独立宣言文にサインをした一人となった。その後、イスラエルの宗教大臣を12年間も務めた。

     杉原から小辻に受け継がれたバトンはゾラフを通じてイスラエルの建国へとつながったのだ。また、難民同然の異国の人々と関わり受け入れた当時の日本社会の人々も建国に貢献したことになろう。

     ゴールデンブックと呼ばれるものがある。ユダヤ民族の幸福に力を貸した人々の恩を永久に讃えるために作られたものである。ガイドの佐々木宏二氏は、小辻節三に加え、樋口季一郎、安江仙弘、内田康広の名がそこに記されている事を、エルサレムの小辻の墓所と共に直接確認した、と語った。

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