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    中村 仁
    中村 仁
    元全国紙経済記者
    ウィーン在住
    ウィーン在住
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    高橋 克明
    高橋 克明
    「ニューヨーク BIZ」CEO 兼 発行人

    スリランカ伝統医療で認められたコタラヒンブツ

     スリランカという国の中で産出されるコタラヒンブツ(学術名=サラシアレティキュレータ)。それはスリランカ原産のニシキギ科(デチンムル科に分類することもある)に分類されて、南インド、スリランカから東南アジアにかけて広く分布する“つる性植物”で、約120種が知られている。

     時にはコタラヒムとも呼ばれるが、とにかく現地で古くから薬用、植物として利用され、スリランカにおいてはなくてはならない植物であり、薬物でもある。

     本編ではそれを書いて連載の締めとしたい。

     近年、サラシアといえばインド産の薬用植物「オブロンガ」をその候補に挙げる人が少なくない。大阪大学大学院薬学研究科出身の山原條二医学博士はサラシア属植物に精通した学者だが、サラシアといえばオブロンガをその代表に挙げている。

     オブロンガは主にインドで採取されることの多い植物で、スリランカではあまり話題にはならない。しかし、近年、「サラシノール」のように、インド産のサラシアとして注目を集めてきていることは確かである。

     ただ、同じサラシアに属する植物とはいえ、「コタラヒムとは全く異なる成りたちの植物であり、性格も全く異なるもの」と、コタラヒンブツの販売元である「スカイインターナショナル」の櫻井慶三会長は言っている。

     さらに櫻井氏は、「サラシアの産地にはスリランカ以外にインド、ブラジルなどがありますが、そのサラシアの種類が違う。インド産やブラジル産のものは、サラシア・オブロンガという別の種類のもので、コタラヒンブツ(サラシアレティキュレータ)は、本場スリランカのみに自生している種類です」と言っている。

     従って、サラシアオブロンガと、サラシアレティキュレータは全然別の植物である、と言っている。どちらか正しいのか、筆者にはそれを断定する材料はもっていない。

     ただ、サラシアとして長い歴史を積み重ねてきたのはスリランカの方で、3000年以上の歴史を積み重ねてきたことは前にも述べた。両者の甲乙争いには、それこそ激しいものがある。

     両者ともサラシノールなどの成分を有しているのだが、その含有量争いが激しい。コタラヒンブツのそれを100とすれば、オブロンガは30という説があり、アーユルヴェーダにおいて、サラシアレティキュレータは薬として扱われているが、サラシアオブロンガは薬として認められていない、といった具合だ。医薬力、病気の治癒力という意味では「レティキュレータに一日の長がある」ことは確かだろう。

     では、スリランカ出身の「サラシアレティキュレータ」とインドの「サラシア・オブロンガ」の違いを比べてみると、前者は薬として扱われてきたが、後者は薬としては認められていない。さらにいえば、前者には蝶が止まるが、後者には蝶も寄り付かない。毒があるので寄り付かないといわれる。

     「コタラヒムとオブロンガには含まれている成分に違いがあり、全く別物です」とコタラヒム側では言っている。現にオブロンガを飲んで病気の症状が発生した事例もあるという。

     また、前者はもっぱら飲み薬として利用され、後者は塗り薬として利用される。そして前者が主にスリランカに自生しているのに対し、後者は主にインドに自生している。

     こうして両者を比較してみると、サラシア・レティキュレータも、サラシア・オブロンガもスリランカで生育しているが、スリランカの伝統医療アーユルヴェーダにおいて、前者は薬として扱われているが、後者は薬としては認められていない。
     そんな違いがあるようである。
     
    (了)

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