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    仲里 嘉彦
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    豊田 剛
    豊田 剛
    那覇支局長
    宮城 能彦
    宮城 能彦
    沖縄大学教授

    日本民族再興のチャンス、沖縄の“歴史戦”

     沖縄出身の筆者が沖縄の危機に気が付き、活動を始めて8年目になる。活動を始めた頃、沖縄と本土の情報空間は完全に断絶されていて、東京の保守の活動家の間では「沖縄には左翼しかいない。」と思われていた。今では嘘のような話だが本当の話である。東京の保守と沖縄の保守との間ではほとんど交流がない状態だったのである。しかし、現在は沖縄でも多くの若者が保守活動、愛国活動に立ち上がり、インターネットでも情報を大量に発信し、また、多くの保守活動家も実際に沖縄に足を運び、かなり正確に沖縄の実態が全国に伝わるようになってきた。これは大きな前進である。おそらく、全国47都道府県の中で、ここ5年、10年の間で最も保守活動が活発になってきたのは沖縄県ではないだろうか。

     沖縄のこの期間は、戦後長い間、ほぼ完璧に成功していた“沖縄プロパガンダ”を打ち破った歴史であり大きな成果である。この沖縄プロパガンダを一言で言うと、「沖縄県民は反日、反米、親中」であるという固定観念である。

     もし、沖縄県民が地元マスコミの圧力に逆らって、東京に届くような声をあげず、このプロパガンダが放置されていたのなら、間違いなく沖縄と本土との関係は、現在の日本と韓国のようになっていたであろう。つまり、「嫌韓論」ならぬ、「嫌琉論」や「嫌沖論」が本土の保守層で流行り、「沖縄は切り捨てるしか無い!」という諦めと蔑視の声が広がっていたはずである。

     実際に沖縄では8年前には全くなかった「琉球独立学会」が発足し、「沖縄の自己決定権」や「米軍基地の押し付けは沖縄差別」という声があがり、沖縄県知事には反日勢力の操り人形のような翁長雄志氏が就任してしまった。その結果、沖縄県庁が反政府闘争の基地となってしまったのだ。行政レベルでは、沖縄の反日の姿勢は韓国と寸分違わない。それでも、「嫌琉論」や「嫌沖論」の声があがらなかったのは、奇跡としか言いようがない。それは、全国に琉球独立や沖縄の反日の声は“作られた世論”であり、本当の沖縄の声でないことが伝わったからである。つまり、沖縄分断のために沖縄プロパガンダを仕掛けた反日勢力の試みは見事に失敗したのである。

    ■民族統一の歴史を琉球侵略の歴史にすりかえる沖縄の歴史戦
     しかし、これで安心してはならない。前述したプロパガンダは、「現在の嘘」でありいわゆる「情報戦」「心理戦」によるプロパガンダである。この洗脳は解けつつある。しかし、沖縄プロパガンダの中心は何と言っても「歴史戦」であり、その最大のカードは「琉球王国450年(1429年~1879年)の歴史」という嘘である。

     まず、沖縄県外の読者の皆様に伺いたい。沖縄の人々は日本人ですか? 間違いなく、99%以上の皆様は「沖縄県民は当然日本人だ。」と答えてくださるであろう。では、少し質問を変えて、「琉球王国の人々は日本人だったでしょうか?」と聞くとどのように答えるであろうか? また、「琉球文化は日本文化ですか?」と聞くとどうであろうか? 本来なら自信を持って「沖縄の人々は古来より日本民族の一員である」「だから、琉球王国の人々は当然、日本人であった」「だから琉球文化も日本文化の一部である」と答えなければならない。しかし、そのように答えることの出来る人はほとんどいないのではないないだろうか?

     実は、ほとんどの国民が「沖縄はいつから日本なのか?」明確に答えることができないのである。ここに沖縄の歴史戦の争点がある。日本国民全体に「明治12年の沖縄県設置まで、琉球王国は独立国だった」という誤った認識が浸透しているのだ。沖縄県の設置は近代国家における日本民族統一の歴史である。しかし、それを「琉球処分」と称し、「明治政府の強制併合(侵略)により琉球王国は滅びた」という洗脳により180度逆の歴史にすり替えられてしまった。沖縄の歴史戦の本質は、日本民族統一の歴史を日本による琉球王国への侵略とするすり替えなのである。しかし、現在の日本では、日本民族を侵略者と被侵略者に分断する危険な歴史観に対して誰も反論しなくなってしまっているのである。

     沖縄の歴史は学べば学ぶほど、沖縄は日本である、いや、日本の中の最も日本的な存在であるという確信が強くなる。沖縄の人々は、言語学的にもDNA的にも信仰形態も民族性も日本人そのものである。その根拠提示や説明は別の機会に譲るとして、今回は、一人でも多くの日本国民に沖縄の歴史戦への参戦を願って、歴史戦の実態の説明を進める。

    ■沖縄県民先住民論の根拠となる琉球王国の存在
     何が何でも「江戸時代には琉球王国が存在していた」ということにしたがっている勢力がある。それは中国共産党である。その一つの理由は、日本はファシズム国家で侵略国家であると批判するためである。つまり、「明治時代に日本は軍国主義国家になり、中国、朝鮮を侵略したが、真っ先に侵略されたのが琉球である。日本は現在も琉球を植民地支配している」と批判したいからである。

     もうひとつの理由は、琉球独立工作をしかける最も重要な仕掛けだからである。中国の国内メディアでは、2010年頃から「日本軍は沖縄戦で撤退する前に玉砕令を出して琉球人民を27万人大虐殺した」という新たなプロパガンダ報道を始めている。更に「琉球人は古来より血肉を分けた中華民族の一員であり、1972年以来、反米、反日の琉球独立運動を休むこと無く続けており、同胞である中国人民は琉球独立を支援するべきだ」とまで述べている。

     このプロパガンダと翁長知事の反日・反米県政は裏で連携しているように見える。人民解放軍は侵略ではなく、琉球人民の独立支援という大義で沖縄に上陸することを考えているはずである。

     このような歴史戦と沖縄の政治工作の存在を最も知らないのは、当の沖縄県民である。沖縄県民の全く知らない間に事態は更に深刻な状況になっている。国連の人権理事会を始めとする国連の各委員会では、2008年より「日本政府は、琉球沖縄の人々は先住民であることを公式に認め、文化や言語を保護するべき」との勧告を出し続けているのだ。この時以来、国連では沖縄県民は日本のマイノリティーであり、日本に植民地的支配を受けている被害者だということになってしまっているのだ。

    ■「琉球王国」の歴史研究を絶対に避けることができない日本の保守
     国連を舞台に行われている歴史戦は沖縄問題よりも従軍慰安婦プロパガンダ問題のほうが広く知られている。朝日新聞が誤りを認めて以降、更に多くの知識人や保守活動家がその問題に取り組んでいる。それは、先人に濡れ衣を着せたまま放置していると、日本民族は子々孫々謝罪をし続けることになってしまうという危機感を持っており、今の世代で何とか解決し日本の誇りを取り戻そうという気概があるからだ。

     では、「琉球、沖縄の人々は先住民族」という国連勧告を放置している日本はどうなるだろうか? 当たり前であるが、沖縄県民は日本の先住民族という認識が世界に広がる。それは、日本は琉球王国を滅ぼして植民地統治している侵略国家であるという認識が広がることになるのである。

     また、沖縄では昨年秋からこの国連勧告を根拠にして沖縄の方言教育を全ての学年で義務化を図ろうという動きが始まっている。沖縄では明治政府の琉球侵略後、皇民化教育により母国語を話せる人がほとんどいなくなった。母国語を話すのは少数民族の権利であり、それを取り戻すために学校教育で方言教育の義務化をするべきだという考え方である。

     これは、笑い話ではない。このような考え方を持っている沖縄の人はごく一部だが、翁長雄志氏が知事でいる限り、現実化する可能性はかなり高い。これが実現してしまうと、沖縄の子どもたちの日本人としてのアイデンティティーが破壊され、反日琉球人が育て上げられてしまうのである。このような愚かな事は止めなければならない。しかし、前述したように「琉球王国450年」の存在が既成事実となると反論することが困難になってしまうのである。

     このように、国連沖縄県民先住民勧告を放置していると沖縄が日本から切り離されチャイナにもっていかれてしまう。それにもかかわらず、日本の保守全体で、この問題に取り組む動きがほとんど見られないことに筆者は大きな危機感を持っている。それは沖縄問題に対する苦手意識や沖縄県民に対する遠慮から来るものだと推測するが、その本当の理由は日本の保守理論の中で「琉球王国」の位置づけが明確に定義されていないことにあると認識している。

     よく「保守」とは伝統と文化を大切にすることだと言われている。沖縄に集結している反日勢力は沖縄の歴史をよく勉強して「琉球王国」を反日のカードとして利用している。一方、自民党などの保守勢力は、経済振興と安全保障などの現実的な問題だけで沖縄問題を語っているのが現状だ。このようなやり方は、沖縄の保守は自分たちの歴史伝統を忘れて現実だけを見て生きるべきだといっているように受け止められてもしょうがない。それは本来あるべき保守の精神とはほど遠い。

     沖縄の歴史戦を真正面から受け止めた時、日本の保守にとって「琉球王国」の歴史研究は絶対に避けられない。何故なら、もし、琉球王国の歴史が日本史の中に含まれていないのなら、琉球文化が日本文化の中に含まれていないのなら、そして、もし沖縄の人がその前提で保守の精神を忠実に実践したなら、琉球独立、琉球復国こそが正しい保守の精神だということになってしまうからだ。極論をいうと、琉球王国が日本ではない別の国だという認識を放置したままま、保守運動を推進すると沖縄の独立運動を招き、日本を分裂させてしまうことになるかもしれないということである。

    ■民族とは歴史と使命を共有した運命共同体である
     このように沖縄の歴史戦の実態を考察すると、沖縄問題とは日本民族の問題、それも日本民族の存亡がかかった最重要の問題だということが分かってくる。筆者は沖縄問題を通して「民族とは何か」と考えつづけた。その結果、一つの結論にたどり着いた。「民族とは歴史と使命を共有した運命共同体」という結論である。民族とは歴史を共有するからこそ一体感が生まれ、同じ日本を作ってきた先人や守ってきた先人の志を引き継ぐことが出来、同じ使命感を持って国造りに励むことができるのである。沖縄県民にとっても神武建国以来の歴史は自分の歴史であり、沖縄における本土決戦も日本民族の総力をあげて戦った尊い歴史である。また、サンフランシスコ講和条約締結後に共に米軍と戦った沖縄の同胞が米軍の施政権下におかれた日本民族分断統治の歴史も日本民族共通の歴史である。更に、そのわずか20年後に施政権返還を果たした沖縄県祖国復帰も日本民族の誇りある歴史である。また、前述してきた琉球王国の歴史も日本の外交や文化で特色のあるひとつの地方の歴史である。

     このように、日本国民全員が日本の歴史を共有することこそ、日本民族の団結と再興に必要不可欠なのである。

     また、民族とは運命共同体であるという認識も非常に重要である。沖縄だけが独立して繁栄することもなく、沖縄だけがチャイナの植民地になることも無いのである。繁栄するのも没落するのもチャイナの属国になるもの一緒なのである。そうであるなら、民族一丸となって繁栄する国造りを目指す以外に選択肢はないのである。

     チャイナの仕掛けた沖縄の歴史戦は単なる危機ではなく、日本民族が繁栄するためには、沖縄の歴史を日本の歴史と統合することが重要だと教えてくれたのである。これは、日本民族が今後1000年、2000年と繁栄するための基礎づくりを始める大きなチャンスだと捉えたい。

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