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    中村 仁
    元全国紙経済記者
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    高橋 克明
    「ニューヨーク BIZ」CEO 兼 発行人

    スロベニア国民、同性婚を拒否

     旧ユーゴスラビア連邦のスロベニアで20日、同性婚を通常の男女間の婚姻と同じように法的認知(養子権を含む)するか否かを問う国民投票(有権者約170万人)が実施され、約63・48%の国民が反対票を投じた。この結果、今年3月議会が採択した同性婚を認知した改正法案は廃案に追い込まれることになる。

     同国選挙委員会によると、国民投票が合法化されるために必要な最低限の投票数34万2000票を超えた。なお、国民投票の結果は同性婚を認めてきた中道左派ミロ・ツエラル政権への不信任と受け取られている。スロベニア(4月現在人口約206万人)では同性婚カップルに養子を認めることに国民の間で特に抵抗が強かった。

     スロベニアの結果は、同性婚を認める西欧諸国とそれに強く反対する中欧、東欧諸国の分裂を改めて明らかにした。同性婚を合法化した国は既に18カ国。その内、13カ国は欧州諸国だ。伝統的なカトリック教国アイルランドが5月、同性婚の合法化を明記する憲法修正案の是非を問う国民投票の結果、同性婚を認知した初の国となったばかりだ(「これほどの失望があるだろうか」2015年6月4日参考)。

     アイルランドの国民投票の結果はバチカン法王庁に大きなショックを与えた。そのため、スロバニアの同性婚に関する国民投票では、フランシスコ法王がスロベニア国民に向けて異例のアピールをし、伝統的家庭の重要性を強調したほどだ。

     同性婚に強く反対した保守派国民はローマ・カトリック教会の支援を受けて同法案の廃案のため積極的に反同性婚キャンペーンを展開し、国民投票実施に必要な4万人の署名を集めた経緯がある。同国では国民の約57%がカトリック教徒だ。

     議会で3月採択された法案では、婚姻は従来の「男性と女性の間」ではなく、「2人の間」の結びつきと明記している。同時に、同性婚者に養子権も認めている。

     敗北を喫した同性婚支持者は、「住民投票の結果は一時的な後退をもたらすだけだ。わが国でも遅かれ早かれ同性婚は認められる日を迎えるだろう」と楽観視しているという。なお、同国では2012年にも同様の住民投票が実施され、今回と同様に反対派が多数を占めた。

     同性婚問題で今後1年間、政党は新たな法案を議会に提出できない。同性間のパートナシップはOKだが、同性婚とその養子権は認めない現行法が継続されることになる。

     なお、バチカン放送は21日、スロベニアの国民投票の結果について、「カトリック教会司教会議は喜ばしい結果と歓迎している」と報じた。

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