■連載一覧
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  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
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  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
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  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
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  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
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  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
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  • 2016/8/17
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  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
  • 2016/1/30
  • 2015/12/11
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  • 蓮舫民進 疑問の船出
  • 新閣僚に聞く
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  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
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  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
  • 2016/1/26
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  • 2013/7/08
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
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  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
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  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • 氷の水行と「遊びの精神」と善意

     氷水を頭からかぶる著名人の写真を初めて見たとき、「何のための水行か」と思ったが、そのアクションが「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)と呼ばれる難病に対する社会の認識を高めると同時に、寄付を募る活動と知った。そのやり方はチェーン・メール(一種の幸福手紙)だ。指名を受けた人物は氷水をかぶり、他の人物を指名していく。これまで、多くの著名人が氷水の水行を行い、寄付してきたという。

     アイス・バケツ・チャレンジと呼ばれる同活動は米国で7月末、ALSに罹った米スポーツ選手のイニシャティブから始まったという。これまでビル・ゲイツやブッシュ前大統領、映画俳優、スポーツ選手が参加して話題を呼んできた。当方が住むオーストリアでもアルペンスキー競技のスーパースター、ヒルシャーさんやサッカー選手アラバさんも行っている。氷の水行をする著名人は今後も急速に拡大する勢いだ。

     当方が24日、ドイツのスポーツ番組を見ていると、司会者が突然、「うちの娘がALSのためにアイス・バケット・チャレンジをしました」と説明し、水行する娘さんの姿を紹介していた。アイス・バケツ・チャンレンジは単に著名人だけではなく、一般の国民まで巻き込む社会的現象の様相を深めてきたわけだ。独週刊誌シュピーゲル電子版(24日)は「米国で始まったもので、社会ネットワークを通じて雪だるま式に広がっている」と評している。

     本来のルールは、最初の人物が氷水をかぶる。24時間以内にその人物から指定された人が同じように水行する。水行しない場合、罰金として100ドルをALS関連機関に寄付するというものだ。ALS基金によれば、過去2週間で約400万ドルの寄付が集まったという。昨年の同期、基金の寄付総額は110万ドルに過ぎなかったから、インターネット上のチャレンジ・キャンペーンが大きな反響を呼び、寄付が集まったわけだ。ネット社会では寄付活動も「遊び精神」とパフォーマンスが不可欠だ。アイス・バケツ・チャレンジはその条件を完全に備えている。

     ALSといえば、英理論物理学者スティーヴン・ホーキング氏を思い出す。同氏は車いすの物理学者として世界的に著名な学者だ。例えば、オーストリアでも900人の患者が登録されている。ところで、水行し、寄付することでALSへの国民の一般的認識が深まるだろうか。著名人が同キャンペーンに参加することで寄付が集まり、難病対策が進むことは期待できるが、難病患者への理解が深まるかは分からないといわざるを得ない。

     また、目的はいいが、手段がよくない、といった批判も聞く。すなわち、水行する人物を他者が選び、強要するような仕方だ。何らかの善行、寄付も基本的には本人の自主的な関与が大切だ。チェーン・メールのようなやり方はやはり問題だ。著名人の水行には善行だはではなく、一種の職業的パフォーマンスの匂いもする。「寄付が集まり、ALSへの社会の認識が高まる切っ掛けとなるからいいことだ」といった実務主義的な受け取り方もできるが、当方には少し気になる。

     いずれにしても、アイス・バケツ・チェレンジは将来、他の難病支援にもつながるかもしれない。多くの人は他者のために何かをしたいと願っているものだ。その精神が一時的なブームで消滅せず、様々な分野で広がることを期待する。

    (ウィーン在住)

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